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「 分離発注とハーフセルフビルドで」 バックナンバー

第56回 床下エアコン導入の実際【後編】

2026.08.26

【執筆者プロフィール】

tiu さん

ある日、格安の土地を見つけて、新築計画をスタートしたところ、思わぬトラブルで一度断念することに。改めて始めた家づくりを支えてくれたのは、分離発注での契約を専門とする一級建築士事務所でした。

自由度も高く、すべてを建築業者に任せるより安くつくれるけれど、手間と時間がかかる「分離発注」と自分たちでできることはするという「ハーフセルフビルド」で、憧れの北欧風ハウスが完成しました。

ちょっと他とは違った家づくりのストーリーをこの連載で綴っていきます。

Blog https://myhomeblog.tiulabo.net/

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第56回 床下エアコン導入の実際【後編】

前回床下エアコンを実際に使ってみた感想をご紹介しましたが、実現までにはいろいろな試行錯誤やトラブルがありました。今回はそんな床下エアコン導入までの裏側を詳しくご紹介したいと思います。

「床下エアコン」ダメ元で相談

わが家が「床下エアコン」を知ったのは、エアコンの配置についていろいろ調べていた時のことでした。「床下エアコン」なる聞き慣れないワードを見つけたのが、そもそものきっかけです。

一般的なエアコンを床下に配置し、高級な全館空調システムを使わずに家全体をお手軽に暖めてしまおうという発想に、とてもワクワクしたのを覚えています。

ただ、まだ実績も少なく、対応できる住宅会社もかなり限られている様子。それでもダメもとで建築士さんに相談してみると、

「床下エアコン、知ってますよ。面白そうですよね。やってみますか?」

とまさかの前向きな反応。そこから一気に導入に向けて進み出すことに。

わが家の「床下エアコン」のこだわりポイント

わが家の床下エアコンは、床下で暖めた空気を、スリットを通して1階、2階、ロフトへと順番に届け、ロフトまで上がった空気をアローファンが再び床下へ送り込むことで、家全体をぐるっと循環させるしくみです。

今回、これを実現するために、基礎・通気スリット・エアコン・アローファンという4つのパーツに特にこだわりましたので、それぞれについてご紹介したいと思います。

わが家の床下暖房のしくみ。床下で暖めた空気を、スリットを通してロフトまで届け、ロフトまで上がった空気をアローファンが再び床下へ送り込みます。

わが家の床下暖房のしくみ。床下で暖めた空気を、スリットを通してロフトまで届け、ロフトまで上がった空気をアローファンが再び床下へ送り込みます。

基礎の対策

基礎については以下の3つを対策しました。

●基礎パッキン(気密パッキン)
●基礎断熱
●基礎の木材のシロアリ対策

基礎パッキンは、基礎と土台の間にはさむ部材です。わが家では、通気しない「気密パッキン」を採用し、床下の密閉性を高めました。

さらに基礎の内壁に断熱材を張り、床下エアコンの効果が上がるよう対策。そして、この快適な環境を保つため、シロアリ対策として床下の木材に炭塗料を塗布することにしました(炭塗料の回はこちら)。

通気スリット

暖気の通り道についても、検討を重ねました。ポイントは以下の3つ。

1階のフローリング3カ所に木製スリットを設置
●1階をスキップフロアにし、段差の側面にスリットを設置
2階のフローリングにもスリットを設置

スリットは見た目にもこだわり、木製のものを探して施主支給。2階のフローリングのスリットは、1m×30cmのものを棟梁に造作してもらいました。

1階のフローリングの木製スリット。

1階のフローリングの木製スリット。

1階をスキップフロアの木製スリット。

1階をスキップフロアの木製スリット。

2階フローリングの木製スリット。

2階フローリングの木製スリット。

エアコンの選定

エアコンにも、床下エアコン特有の条件がありました。ポイントは以下の3つ。

タイマーが複数設定できること
遠隔操作できること
高い省エネ性能

床下エアコンは有線リモコンを採用することが多いのですが、それだと機種が限られたり、取り換え時のメンテナンス性が微妙だったり。そこでいろいろ探していると、壁や床を貫通できる無線タイプのリモコンが付属している機種を発見。

14畳タイプの省エネ上位機種を型落ちで探し10万円ほどで購入できました。

壁や床を貫通できる無線タイプのリモコンが付属されているエアコン14畳用を10万円ほどで購入。

壁や床を貫通できる無線タイプのリモコンが付属されているエアコン14畳用を10万円ほどで購入。

アローファン

ロフトから床下へ空気を送り返す役目を担うのが、このアローファンです。三菱電機のカウンターアローファンを施主支給。スイッチはキッチン横のニッチにまとめて配置し、ここで風の向きと強さをコントロールできるようにしました。

エアコンを付けた状態で、このスイッチをONにすることで、ロフトの空気を吸い込み → 床下へ送り → エアコンで暖め → 1階・2階へ届ける、という家全体の空気循環が開始されるしくみです。

施主支給した「三菱電機のカウンターアローファン」で床下まで温まった空気を送ります。

施主支給した「三菱電機のカウンターアローファン」で床下まで温まった空気を送ります。

実際に起こったトラブル

前回の記事で少しご紹介しましたが、実際に使い始めると、床下エアコンの自動運転がうまく機能しないトラブルが発生しました。原因は、床下が先に暖まってしまうことでエアコンの温度センサーが反応し、微弱運転に移行してしまっていたことでした。

そこで、温度センサーがあるエアコンの上面を、ダイソーの発泡シートを2枚重ねて床下と仕切ることに。この単純なDIYが思った以上に効果的で自動運転が復活。エアコンの温度センサーはリモコン側にあるのが理想ですね。

温度センサーがあるエアコンの上面に発泡シートを2枚をかぶせて微弱運転になることを防ぎました。

温度センサーがあるエアコンの上面に発泡シートを2枚をかぶせて微弱運転になることを防ぎました。

以上、わが家の床下エアコンのご紹介でした。

床下エアコンは実際の効果や課題は住んでみないと分からないところがあるので、そうしたリスクを理解した上で、設計段階からいろいろと検討し、住んでからも試行錯誤が苦でない人に向いていると感じました

とはいえ、床下エアコンはとても面白い試みでもあります。興味がある方は、住宅会社や建築士が乗り気かどうか見極めるところから、ぜひスタートしてみてほしいと思います。

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