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2023.07.19
【執筆者プロフィール】
まっしん はやぶさ さん
関西から関東に転職を機にお引っ越し。関西で暮らしていた分譲の戸建ては賃貸に出すものの、住宅ローンの支払いは赤字に…。さらに関東での家賃も加わって…。
それならば!と、二軒目の家を建てることに。住宅ローンをできるだけ抑え、かつ、土地も建物も満足のいく家づくりに挑戦されました。コストを抑えるコツ、納得のいくまで調べられた知識をこの連載にまとめていきます。
https://blog.kisekinomyhome.com/
イラスト:天野勢津子さん
https://amachakoubou.com/
施主様から建材・部材を指定されることが増えた
家づくりの10年前からの変化を工務店にお聞きしたお話の続きです。前回の住宅性能観点とは異なる、現在の施主が重視するポイントの興味深い変化を御覧ください。
10年前は、住宅雑誌の切り抜きを持ってこられる方が多かったのが、現在は圧倒的にSNSを見て家づくりの情報を収集される方が多いとのこと。
たとえば、SNSで調べて真鍮の床の見切り材を採用したいと指定があったそうです。確かに、真鍮やアルミ製のスタイリッシュな見切材の事例がSNSに溢れています。
他には、薄巾木や壁スイッチなど、標準の部材から変更を希望される施主様も増えたとのこと。建材や部材の指定がハウスメーカーでは難しい場合もあるので、このような細部のこだわりと柔軟な対応力を求める人たちが工務店に流れてきているのだろうと感じました。
長年注文住宅に携わっているプロでも、SNSの写真を見せられてもすぐにわからない場合も多く、調べるのが大変なこともあるようです。
壁紙などのインテリアの配色の好まれる傾向も10年前とは変わって来たそうです。以前は、アクセントカラーにカラフルな色を選ばれる方が多かったのが、最近は落ち着いた自然色カラーが好まれる傾向で、グレー系の壁紙も良く出るとのことでした。
確かに、当時の工務店の建築事例は、カラフルな壁紙やキッチンが多数採用されていましたが、最近の事例はとても落ち着いたものが多かったです。
このお話を聞きながら、工務店を訪れると、普段見ることのできない非公開のさまざまな実際の施工事例を見せてもらうことができるのは、とても大きなメリットだと改めて気が付きました。
ホームページでは公開されていないリアルな事例から、ヒントをもらえる可能性があるうえ、施工実績を見ながらだとスムーズな対応が受けられると思います。
洋風の家とロフト採用が減った
わが家を建てた工務店は、元々自然素材を活かしたプロバンス風の洋風住宅を建てることを得意としており、わが家が建てた頃も、洋風住宅の建築例を多く見せてもらいました。
しかし、最近では、すっかり洋風の家を建てる人が少なく、ほとんどがモダンな家になっているそうです。
10年前から、片流れ屋根の採用が増えており、太陽光の採用率も高くなっているため、モダンなデザインのほうが相性が良いのだろうとのことでした。
一方、キッチンの取っ手をアイアンを選ぶ人が増えていたり、内装に自然素材の珪藻土選ばれることもまだまだあるそうで、洋風のインテリアには、ニーズはあるのかもしれません。
興味深いのは、採用が激減していると聞いた小屋裏収納やロフトです。わが家は、小屋裏収納はなんとしても採用したかった仕様です。
片流れの家では、当然小屋裏やロフトもセットで採用されているものだと思っていたのですが、そうとは限らないのですね。
窓の数が変わった
わが家の工務店は、10年前当時窓をいくつ付けても費用が変わらないという、驚きの太っ腹ルールでした。プランニングの際には、日当たりや風通しのために、あちこち窓をつけたくなるものなので、予算を気にせず施主は安心して窓を計画することができます。
同じ工務店で建てた他の施主さんが、つい窓を付けすぎてしまったという話も聞きますが、その気持はとてもわかります。
しかし、今では当時に比べて一軒あたりの窓の数が、次の理由でかなり減っているそうです。
・建材コストの高騰や樹脂窓の標準化に伴い窓無制限ルールは難しくなったこと。
・家全体の断熱性能確保のために窓の数を厳選する必要があること
・浴室やトイレなどに窓が不要という人が増えたこと
家全体で、2021年には26窓まで、2022年は22窓までとなっているそうです。35窓も付けていたわが家と比べると、大きな差がありすぎてこれには驚きました。
今の間取りから10枚以上窓を減らせと言われても、どこを削ったら良いのか、まったく検討が付きません(笑)。
でも、実際に見せていただいた間取りを見ると、22窓でも特に不都合のないまとまったプランになっていたので不思議です。
取材協力:株式会社アコルデ https://www.akorude.jp
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