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バルコニーにテラス屋根を付ける【家づくり日々勉強 55】

2021.06.02

【執筆者プロフィール】

まっしん はやぶさ さん

関西から関東に転職を機にお引っ越し。関西で暮らしていた分譲の戸建ては賃貸に出すものの、住宅ローンの支払いは赤字に…。さらに関東での家賃も加わって…。

それならば!と、二軒目の家を建てることに。住宅ローンをできるだけ抑え、かつ、土地も建物も満足のいく家づくりに挑戦されました。コストを抑えるコツ、納得のいくまで調べられた知識をこの連載にまとめていきます。
https://kisekinomyhome.blog.fc2.com/

イラスト:天野勢津子さん
https://amachakoubou.com/

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バルコニーの雨よけ

洗濯物や毛布などの天日干しを重視するわが家は、南向きの土地を活かして大きなバルコニーを確保することにこだわりました。

結果的に、間口6.4mのたくさんの洗濯物が余裕で干せる広々したバルコニーが取れたのですが、妻が当初から一つ気にしていたのが軒の出が狭いため、急な雨に洗濯物があたってしまうことです。

工務店にお願いして、標準仕様の軒の出が雨樋込みで300mmだったのを、バルコニーの上だけは、雨樋込みで600mmまで延ばしてもらったのですが、この程度では雨よけにはなりません。

希望通り、間口6.4mの広めのバルコニーを実現できたのですが…

希望通り、間口6.4mの広めのバルコニーを実現できたのですが…

標準仕様の倍の600mmまで軒の出を延ばしてもらっても雨よけにはなりません。

標準仕様の倍の600mmまで軒の出を延ばしてもらっても雨よけにはなりません。

テラス屋根のタイプを選ぶ

しはらく様子を見ていたのですが、急な雨で洗濯物が濡れることが多いので、やはり屋根を付けたいと訴えかけられたのが、入居後4カ月後ぐらいの頃です。

想定通りの展開なのですが、一般的な柱を立てるタイプのテラス屋根を付けることに抵抗がありました。間口の広いバルコニーの開放感と外観上のすっきり感が失われる心配があったためです。

そこで、ネットで探したエクステリア業者に現場を見てもらい、柱なしタイプのテラス屋根を取り付けたいと伝え、見積もりを出してもらいました。

その金額は、間口=3,660mm/出幅=1,185mmの柱なしルーフタイプで、税込み114,000円

ちなみに、一応もらった柱ありタイプの見積金額は、税込み88,000円。

間口=3,660mm/出幅=1,185mmの柱なしルーフタイプを取り付けたときのイメージ。

間口=3,660mm/出幅=1,185mmの柱なしルーフタイプを取り付けたときのイメージ。

バルコニーの吐き出し窓の前にだけ、テラス屋根を付ける計画です。

バルコニーの吐き出し窓の前にだけ、テラス屋根を付ける計画です。

ビスの位置と物干しとの干渉

当初の予算10万円を少し超えていましたが、さらに詳しい現地調査をお願いすると、担当者から予想外の言葉が飛び出します…

「この位置に壁付けのテラスをつけようとすると、物干しの位置を少し下げないといけないですね」

柱なしタイプのテラス屋根は、外壁の壁付けになるのですが、構造上の柱がある部分にビスでしっかり固定する必要があるそうで、ちょうど、この固定したい柱の部分には、既設の壁付けの物干しがあるのです。

このため、物干しの位置を下げる必要を指摘されたのですが、これには参りました。

計4つの壁付け物干しを付けているのですが、物干しの高さを合わせているので、一部だけ下げるというのは困ります。

とはいえ、全部下げる工事費用がかかるのはもちろん、壁に余計な穴が増えてしまうため、気が進みません。

柱なしタイプの屋根は、壁に設置している物干しの位置を少し下にずらさないといけないということが判明しました。

柱なしタイプの屋根は、壁に設置している物干しの位置を少し下にずらさないといけないということが判明しました。

このベランダには、工務店標準仕様で1セット付いていたのですが、施主支給でさらに1セット追加して取り付けてもらいました。この2セットの物干しは、わが家には、なくてはならないほど大活躍中です。

このベランダには、工務店標準仕様で1セット付いていたのですが、施主支給でさらに1セット追加して取り付けてもらいました。この2セットの物干しは、わが家には、なくてはならないほど大活躍中です。

柱ありタイプでも見た目スッキリ

観念して柱ありタイプのテラスを選ぶことになったのですが、周辺のお家に付けられているテラス屋根を見ると、なんとなく見た目がスッキリしない気がします。

実は、このように感じる原因は、柱ではなく、桁と言われる柱と柱の間に渡して屋根を支える部材にあるようです。

雨よけを目的とするバルコニーのテラス屋根の場合、柱位置よりも屋根が前に競り出せる「出幅自在桁タイプ」を採用されているお家が多いのですが、この場合に桁が屋根を遮ってスッキリしない印象を持ってしまっていたのです。

しかし、「柱位置固定タイプ」を選ぶと桁と屋根先が一体化しているため、とてもスッキリした見た目になることに気が付きました。

雨よけ効果は低下するのですが、柱位置固定タイプでも当初想定していた柱なしタイプと同じ屋根の奥行きになるので、急な雨を防ぐ程度であれば、これでも十分でしょう。

わが家のバルコニーは壁芯寸法で奥行き0.75間(1,365mm)の設計ですが、バルコニーの内寸は約1140mmなので、一応4cmほど屋根が前にでることになります。

最終的に間口=4,570mm/出幅=1,185mmにサイズアップして、当初予算ピッタリの税込み100,000円に収まったのは、コスパの高い柱ありタイプの嬉しいメリットです。

位置固定タイプも前述の柱なしタイプと同様に出幅1185mmとなります。出幅自在桁タイプは、柱の位置よりも屋根を伸ばせるため、雨よけ効果は抜群ですね。

位置固定タイプも前述の柱なしタイプと同様に出幅1185mmとなります。出幅自在桁タイプは、柱の位置よりも屋根を伸ばせるため、雨よけ効果は抜群ですね。

完成したテラス屋根を下から見上げた様子です。屋根を遮る桁がなく、スッキリした見た目をとても気に入っています。

完成したテラス屋根を下から見上げた様子です。屋根を遮る桁がなく、スッキリした見た目をとても気に入っています。

テラス屋根と屋根の軒先のラインが重なり、テラス屋根の存在がほとんどわかりません。
外観面でも、このテラス屋根の出幅でちょうどよかったようです。

テラス屋根と屋根の軒先のラインが重なり、テラス屋根の存在がほとんどわかりません。
外観面でも、このテラス屋根の出幅でちょうどよかったようです。

柱ありを選択しておいて正解だった

正直、柱なしタイプのテラス屋根にできなかったことは、工事の当日まで引きずっていたのですが、そんな気持ちを察したのか工事業者さんに、「周りに建物がないこの敷地は風が強いので柱ありで正解ですよ」と慰められました。

当時は、それでもなかなかモヤモヤが晴れなかったのですが、今となっては柱ありにしておいて本当に良かったと思っています。

というのも、入居以来「記録的な暴風」や「観測史上まれに見る」と報じられる超大型台風を何度も体験したからです。家全体が揺れるほどの暴風で、安心して寝付けないほどの夜もあったので、柱なしのテラス屋根だと吹き飛ばされてしまいそうで気になって仕方がなかったと思います。

実際は、耐えきれないような突風の場合は、ポリカーボネートの屋根パネルが先に吹き飛ばされて、風を逃がすようになっているらしいのですが、柱なしの場合は、固定している外壁面にもかなり力がかかることになるでしょう。

この点、やはり柱ありのほうが安心感が全然違います。

また、比較的温かい地域ですが、庭にかまくらをつくれるほどの大雪に見舞われたときも慌てずに済みました。

32枚もの太陽光パネルを乗せている大きな招き屋根に積もった雪が、バルコニーのテラス屋根にすべり落ちて来たのですが、柱なしだったら重さに耐えられなかったかもしれません。

2014年に、15cmを超える大雪に見舞われました。
柱なしタイプ・柱ありタイプのどちらのテラス屋根でも20cm程度の積雪まで対応できる仕様でしたが、招き屋根から降りてくる雪が20cm以上を余裕で超えていたので、やはり柱があってよかったと思います。

2014年に、15cmを超える大雪に見舞われました。
柱なしタイプ・柱ありタイプのどちらのテラス屋根でも20cm程度の積雪まで対応できる仕様でしたが、招き屋根から降りてくる雪が20cm以上を余裕で超えていたので、やはり柱があってよかったと思います。

見た目も機能性も大満足

当初心配していたほど、柱によるバルコニーの開放感は損なわれることなく、ほとんど柱の存在は意識しないと気になりません。

柱位置固定タイプを選んだ狙い通り、下から見上げても角度によってはテラスの存在がわからないほどで、スッキリした建物の外観を保つことができました。

バルコニーをギリギリ覆う程度の屋根の奥行きですが、風のない少しぐらいの雨であれば、しっかり雨よけとなってくれているので、妻も天気が怪しくても気兼ねなく洗濯物を外に干せるので、とても喜んでくれています。

 

一階は日よけにオーニングを設置していますが、いつか一階にもテラス屋根をつけられないかと密かに画策しています。

一階は日よけにオーニングを設置していますが、いつか一階にもテラス屋根をつけられないかと密かに画策しています。

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