「環境」は、健康志向やスローライフの影響を受けて、土地探しをする上で近年ウエイトが重くなっている要件のひとつではないでしょうか。
ここでは「環境」を社会環境と自然環境に大別して解説していくことにしますが、必ず用意したいのが地図。最近は「Yahoo!JAPAN」をはじめとする検索エンジンを利用して地図を見ることができますが、精度が低いので、できれば市販の地図か地図ソフトが使いやすいと思います。
土地探しにおける「社会環境」とは、主に生活の利便性や近隣との関わりのこと。
では、夫(サラリーマン)と妻(専業主婦)と子供(就学年齢)という家族を例にとって、それぞれ関わりの大きな項目を挙げてみることにしましょう。
鉄道・バス・道路(通勤)、ショッピングセンター(買い物)
ご主人の場合は、なんといっても通勤が土地探し上の最重要課題。乗り物や道路の混雑具合、年齢や体力なども考慮したうえで判断しましょう。
近ごろは、ご主人が週末に買い物を手伝う光景をよく目にします。ならば、家族そろって週末のひとときを過ごせる場所としても機能すると便利。
「全国ショッピングセンター情報」などで検索することができます。
全国ショッピングセンター情報
全国のショッピングセンターを検索できます。
ショッピングセンター(買い物)、役所、金融機関、病院、ゴミの回収、自治会
奥さまにとって頻度が高いのは食料品などの買い物。
車やバイクを所有していない方や免許を持っていない方にとっては、距離や交通機関が土地探し上重要なポイントです。
自転車を利用する場合には距離はもちろんのこと、坂などの起伏や安全に通行できるかどうかも確かめておきましょう。
役所、金融機関、病院は、あまり不便な所にあると出向くのがおっくうになります。買い物のついでに行けるような立地であればとても便利です。
全国自治体マップ検索
全国の自治体情報を数多く掲載したサイトです。
学校(通学)、塾、図書館・体育館(文化施設)、防犯性
お子さんが毎日通う学校。
年齢が低いほど近くにあるほうが安心です。とはいえ、小中学校のように通える学校が定められている場合には、学力レベルや風紀も気になります。
また、「子育て支援制度」の有無についても調べておきたいものです。
もし、私立や国立など遠隔地の学校に通学するときは、ご主人の場合と同様、時間や混雑度を十分に考慮しましょう。
図書館や体育館などの文化施設が近くにあると便利です。施設の充実度は、全国自治会ホームページで容易に調べることができます。
防犯性を確かめるには、夜実際に歩いてみるのが一番。車で通りすぎるのと歩くのとでは条件が異なるものです。ついでに、近隣の静穏性を確かめることもできますよ。
上記以外にも、交通機関に関しては鉄道や道路などの整備の予定を都市計画で確認し、自治体に関しては住宅関連の助成制度、災害時や非常時の避難場所などの安全対策、保養所などの福利厚生施設、自営業の方なら経営資金の貸付制度、高齢のご両親がいる場合には介護制度、未就学児がいる場合には幼稚園や保育所なども調べておきたいものです。
また、工場やゴミ処理場の排煙、鉄道や道路などの騒音、近所の家のピアノの音や犬の鳴き声も気になるのでチェックしておきましょう。
都市部やその周辺に住む場合には、公園や緑地、遊歩道、神社や寺院、霊園などもチェックしておけば、手近に自然を楽しむことができます。また、丘陵地帯にある土地では見下ろしたときの景観も要チェックです。
目に見える自然も重要ですが、肌で感じる気温や風、日当たりなども住み心地を大きく左右します。
長年住み慣れた土地では、季節や天候によって快適さがどのように変化するかわかりますが、新たに住む土地ではすぐにはわからないものです。
そこで役立つのが全国各地の観測地点の過去の気象データを閲覧できる気象庁の「気象統計情報」。
調べたい地点と年月日などの情報を選択すれば、過去のデータが瞬時に現れるので、参考になるのではないでしょうか。
これから先、子や孫の代まで住むことになるかもしれない土地なので、納得のいくまで調べて確かめることをお勧めします。
気象庁
全国の観測地点の過去の気象データを閲覧できます。
今回の土地探しに関するチェックシートを用意しました。これまでの要件をもとにして書き込んでみましょう。