近年のデジタル技術の進歩はめざましく、なかでもインターネットは私たちの暮らしになくてはならないものとなっています。
いち早く情報を手に入れることが重要な土地探しにおいても、デジタル技術の利用は不可欠です。
とはいえ、情報の良しあしを判断する力も必要で、そのバランスが「情報収集のテクニック」といえるのではないでしょうか。
●チラシ
チラシは週末を控えた主に金曜や土曜日に配られます。
特定の物件だけに絞っているものと、地域にある物件を複数集めたオムニバス版があり、前者のほうがより興味深く新鮮な情報である可能性が高いといえそうです。
一方、オムニバス版はその地域の相場を反映していることが多く、基準として役立ちます。
●情報誌
駅、スーパーマーケット、コンビニなどでフリーペーパーが置かれていますが、住宅情報誌もその中にあり、有力な情報源のひとつといえます。
紙媒体のよいところは常時持ち歩け、同時に複数の情報を机上に並べて比較することができるなど、アナログな人間の感性に適しているということです。
残念ながら最新情報には対応できませんが、地域の相場や人気の傾向を知ることができ、またまれに思わぬ物件が売れ残っていたりすることもあるので、一応チェックしておきたいものです。
●店頭のウインドー
家や土地を探す際に、「自ら現場を見て歩く」を実践する方にとっては、現地の不動産業者のウインドーに貼り出された情報が気になることでしょう。
しかし、実際に不動産業者を訪れて、その物件について尋ねてみると「あの物件は売れてしまいました」と言われることが多く、「いつまで貼ってあるんだよ」と愕然とすることがあります。
こういった不動産業者から情報を引き出すためには、事務所に入って話を聞いてみるしかありませんね。
近ごろ、ウインドー越しに大きな液晶ディスプレイを置いて、常時不動産情報を提供している不動産業者を見かけます。データベースと連動しているものは、最新情報が得られるので、要チェックです。
●インターネット
やはり最新情報が欲しいという方には、インターネットがオススメです。
チラシや情報誌に比べて情報の更新が容易なため情報の鮮度が高いこと、中小不動産業者でも気軽に情報発信できるので、思わぬ物件と遭遇する可能性があります。
しかし、何といってもインターネットのメリットは、24時間いつでも必要なときに調べられること、そして膨大な情報の中から検索ができることではないでしょうか。
新聞の折り込みチラシや情報誌をはじめとする不動産広告では、不当な表示や紛らわしい表示は宅建業法で禁じられています。
とはいえ、限られたスペースで物件情報を紹介するため、「重要事項説明」(様式例を参照)で明示すべき内容すべてを記載することはできません。
最低限の内容として、所在地、駅等までの距離、敷地面積(セットバックや私道負担の有無など)、土地に対する制限(用途地域、建ぺい率、容積率、建築条件付など)、建築物の有無、ライフラインの敷設状況、取引様態(仲介か直接売買か)、価格(仲介料を含まず)、仲介(売買)業者の免許番号などの情報は欲しいものです。
あまりにも情報の乏しい広告は、集客のツールにすぎないこともあるので注意しましょう。
不動産の取り扱い物件数は、不動産業者の信頼度のめやすのひとつです。
しかし、自社のホームページであっても、その不動産業者が扱っている情報のすべてを開示しているとは限りません。
広告に出せない物件や、一見して魅力的ではない物件などは、あえてオープンにしていないケースもあるのです。
多くの目に触れる広告媒体にばかり目が行きがちですが、意外な所に宝物が落ちていることもありそうですね。
IT社会だけあって、近ごろではウェブサイトを開設している不動産業者が増えています。そこで、その特徴を簡単に分類してみました。
<独自タイプ>は、その不動産業者が独自に情報を更新しているもので、規模によりさらに<広域展開型>と<地域限定型>に分類されます。
一方、<依存タイプ>は独自に情報収集せず、不動産流通業者が更新してくれる情報をウェブサイトで提供しているもので、独自に更新しているかのように見えるコンテンツ形態をとっている<オリジナル型>と、流通業者の検索システムの末端に企業情報程度が紹介される<リンク型>とに分類されるのではないでしょうか。
●独自・広域展開型
大手・中堅の不動産業者や、沿線に直営の店舗をいくつも展開している不動産業者です。
情報量は非常に多く見えますが、不動産流通業者からの情報も含まれているので、他の業者も同じ情報を持っています。
ウェブサイトのアクセス数が多いので、競争は熾烈です。うれしいのは、コンテンツのつくりが洗練されているので、見やすく検索もしやすいこと。また、図面などの情報が豊富なので資料としての価値が高いことです。
●独自・地域限定型
個人経営や小規模の不動産業者でも、独自に情報を更新しているケースがあります。
賃貸を主力にしている業者もあるので、土地も積極的に扱っている業者のウェブサイトを見つけることが大切です。広域展開型に比べると物件数が少ないかもしれませんが、地域限定で探すにはむしろ絞り込みやすいかもしれません。
デメリットは、週末になると接客で忙しく更新が滞りがちになること。コンテンツのつくりに工夫がなく見づらいものが多いことでしょうか。
●依存・オリジナル型
トップページは、いかにもオリジナルというイメージでも、検索画面に移るとどこかで見たような画面が出てくることがあります。
それは、不動産流通業者のサーバーにワープしていたり、管理されている定型のページに移動したと思われます。
よい情報に巡りあえれば、なんら問題はありませんが、「虎の威を借りる狐」のようで気になるという方もいるのでは。信頼できる不動産業者かどうかウェブサイトの隅々まで閲覧して、ポリシーが感じられるか調べてみたり、電話で様子をうかがってみるとよいでしょう。
●依存・リンク型
ウェブサイトを独自に制作するノウハウがなく、比較的小規模な不動産業者が、不動産流通業者の提供する定型でコンパクトなコンテンツを利用するケースがあります。
多くは、流通業者の検索で絞り込んでいくことによりたどり着くもので、検索エンジンでは容易に見つかりません。店舗の所在地や連絡先などを知る手がかりとはなりますが、物件情報としては魅力に欠けます。
いずれにせよ、「駅近」「南東角地」など好条件の情報を優先して掲載することが多く、条件のよくない情報は公開していないウェブサイトもあるので、あなたにとって望ましい物件が隠れているかもしれません。
すべてをインターネットに託すのではなく、手がかりにするという姿勢が大切です。
●不動産用語を調べる
不動産を購入するには、不動産業者(ハウスメーカーなども宅建免許を持つ担当者がいる)の力を借りなければなりません。
とはいえ、何でもお任せではダメ。不動産業者と上手にコミュニケーションができると、よい物件を早く見つけ出し、商談を有利に運ぶことができます。
そのためには、ある程度の不動産用語を知っておく必要があるでしょう。
例えば、Yahoo!JAPANで「不動産用語」と「辞典」をキーワードとして検索すると、なんと約8,070,000件もの候補が出てきました。実際に使えるものは、こんなに多くはありませんが、ここ数年で100倍以上に増えているのでぜひ活用してみたいものです。
【参考例】
●不動産購入に関するセミナー
不動産に関する知識は、セミナーなどに参加して得るのも有効です。
残念ながら投資に関する不動産セミナーが圧倒的に多いようですが、純粋な家づくりのためのセミナーもまれにあります。
例えば、新聞紙上では「住宅特集」や「不動産特集」と称するセミナーや講演会の告知をよく目にします。
また、住宅展示場などでもイベントの一環として不動産に関するセミナーを開催することがあるので、最寄りの住宅展示場のウェブサイトなどをこまめにチェックしておくとよいでしょう。
このほか、ハウスメーカーや建築関連の紹介・斡旋業務を行う企業でも、この種のセミナーを催していることがあります。
●不動産物件情報のまとめ方
数値情報は、デジタルなパソコンの得意とするところですが、アナログな人間にとってはイメージ化したほうがひと目でわかり、何かと使いやすいものです。 そこで、おすすめしたいのが物件単位のシート。次のような手順で作成してみてください。
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今回の土地探しに関するチェックシートを用意しました。これまでの要件をもとにして書き込んでみましょう。