
2023.05.19
【執筆者プロフィール】
tiu さん
ある日、格安の土地を見つけて、新築計画をスタートしたところ、思わぬトラブルで一度断念することに。改めて始めた家づくりを支えてくれたのは、分離発注での契約を専門とする一級建築士事務所でした。
自由度も高く、すべてを建築業者に任せるより安くつくれるけれど、手間と時間がかかる「分離発注」と自分たちでできることはするという「ハーフセルフビルド」で、憧れの北欧風ハウスが完成しました。
ちょっと他とは違った家づくりのストーリーをこの連載で綴っていきます。
土地問題に一筋の光が差し込み、なんとか次のステージに進めることになったわが家。まだ家が建つ保証はまったくない中、建築士事務所での設計が始まりました。(前回はこちら)
2階リビングで明るくて広い空間に
今日は、建築士事務所で2回目の打ち合わせです。建築指導課に提出しないといけない20項目の書類の中に、家の設計図も含まれているので、土地問題と並行して設計も進めていく必要があります。
まずは、解約となったハウスメーカーと完成させた間取り図をもとに希望を伝えていきました。
リビングを配置する2階が生活の主空間となります。
2階の大まかなポイントは以下のとおり
1.LDK+2部屋
2.リビングを中心にしたつくり
3.広めのロフトと勾配天井で大きな空間に
4.快適な家事動線
5.庭の代わりに使える広いバルコニー

こちらが2階の間取り。LDKと子ども部屋、和室を配置しています。
次に1階。在宅ワークやDIY、シアタールームなど子どもと遊べる楽しい空間にしたいと思っています。
1階のポイントは以下のとおり
1.在宅ワークや娯楽で使える土間
2.土足のまま使えるトイレと洗面台
3.ミニキッチンをどこかに置きたい
これらの間取りは前回のハウスメーカーと半年ほどかけてつくったもの。ただ、納得のいかない部分もあって、建築士さんの腕でより良い姿になることを期待しています。

こちらが1階の間取り。
建築士さんの回答
1)「ロフトやバルコニーは本当に必要?」
最初に言われたのが広いロフトと広いバルコニー。建築士さん曰わく、「ロフトやバルコニーは高いお金をかけてつくっても、使わなくなることが本当に多いので慎重に考えた方が良い」とのことでした。
しかし、ここはわが家も譲れない部分。「わが家は毎日使います!」と強めに回答しました。でも、みんなこう言うんだろうな…(苦笑)。
2)「断熱にもっとこだわった方が良い」
断熱にはもっとこだわった方がよいというアドバイスもいただきました。
前回のハウスメーカーでは標準グレードでも快適と言われていたので深く考えたことがありませんでしたが、全然違うらしいです。
特に2階リビングであれば、せめて2階の外壁と屋根だけでも高性能なものを選んだ方がよいとのことでした。ただ、それになりにお金がかかるので、いったんお持ち帰りすることに。
3)「無理に正方形にする必要はない」
前回のハウスメーカーは、一応、自由設計だったのですが、規格住宅ベースだったので外壁の形が正方形から変えられませんでした。
なので、よくみると無理やり押し込まれた部分や、無駄なスペースがちらほら。
今回は建築士事務所の本物の自由設計です。住みやすさを第一に外壁の形を含めて一から検討していくことになりました。
建築費用について教えてもらう
そして大事な予算。ここで分離発注の本当のスゴさを知ることになります。
以前、ハウスメーカーの営業マンに6畳(約3坪)のロフトを見積もってもらったとき、「坪単価50万円で150万円」と言われたことがありました。
今回、同じ質問を建築士さんにしたところ、
「大工さんと相談になりますが、20万円前後」というご回答。
あまりの値段の違いに驚きましたが、それよりも今まで坪単価の世界しか知らなかったわが家にとって、業者の見積もりで家の値段が決まるということに衝撃を受けました。
家の建築費用も、予算に合わせて柔軟に調整できるので前回のハウスメーカーのままで問題ないようです。しかも、設備メーカーのしばりもなく、断熱もグレードアップできるというから驚きです。
わが家の外観イメージ
最後に外観について。前回のハウスメーカーの北欧風デザインが気に入っていたので、そのイメージを踏襲することになりました。
ただ、実のところ外観に関しては不安がいっぱいです。ここまでデザインについて話すタイミングは一切ありませんでしたし、建築士さんの北欧風のセンスはまったくの未知数です。
「おかしな北欧風ハウスだけにはなりませんように」
そう祈りながら、土地も家もスリリングな家づくりをしているわが家です。
