
2023.03.08
【執筆者プロフィール】
tiu さん
ある日、格安の土地を見つけて、新築計画をスタートしたところ、思わぬトラブルで一度断念することに。改めて始めた家づくりを支えてくれたのは、分離発注での契約を専門とする一級建築士事務所でした。
自由度も高く、すべてを建築業者に任せるより安くつくれるけれど、手間と時間がかかる「分離発注」と自分たちでできることはするという「ハーフセルフビルド」で、憧れの北欧風ハウスが完成しました。
ちょっと他とは違った家づくりのストーリーをこの連載で綴っていきます。
土地が安い理由(その1)たどり着きにくい
相場の半額以下で売り出されている土地を、地元不動産会社のホームページで見つけた翌日、実際にその土地を見に行くことにしました(前回はこちら)。
周辺に到着し、地図を片手に土地に向かいます。が、不思議なことに目的の土地にたどり着けません。うろうろと歩き回り、ようやくそれらしい細道を発見しました。車の侵入はかなり難しそうな狭さです。
一見、行き止まりに見えるこの細道、よく見るとその先に道が続いているように見えます。入っていいのかさえ確信が持てないまま、おそるおそる薄暗い細道を進むと…


うろうろしていると、それらしい細道を発見。
空間が開け、空き地が現れました。どうやらこの土地で間違いなさそうです。
雑草は荒れ放題ですが、日当たり良好できれいな正方形の土地。とても良さそうに見えますが、「どうやって家を建てるの?」というのが最初の感想でした。


道を進むと…40坪の日当たりの良い土地が現れました。


雑草だらけですが、正方形というところも気に入りました。
土地が安い理由(2)八方塞がりだった
細道からたどり着いたその土地のまわりを見ると、完全に四方、いや八方が囲まれていることが分かりました。まさに八方塞がりの土地。
不動産屋に問い合わせたところ、車は入れないので駐車場は別途調達する必要はありますが、家を建てるのは問題ないとのこと。
どうやって建てるのかは想像もつきませんでしたが、この秘密基地感と超掘り出し物件に魅力を感じるわが家がいました。


赤い土地がこの土地の位置。どの方向も大きな道路に接していません。
あきらめきれない理由…
道路の問題を除けば立地は良く、この細道から一歩出たら駅前で、バス停も目の前。しかも価格が600万円。
また、土地探しの大きな要素に学区エリアもありました。転校はさけたかったので、同じ学区エリア内で探すわけですが、昔ながらの住宅街で新しい物件が出るのはかなりまれで、あるのは駅周辺の高い土地ばかり。
この土地は今通っている学校も近く、電車やバスにいたってはベストポジションです。ただ、一か八か究極の選択…。


40坪600万、駅まで徒歩2分に、学区も今と同じエリア。
土地の契約を決意
その後、他の良い物件が現れる望みも捨てきれず、気がつけば1カ月。
あの土地のこともずっと気になっていて、暇をみつけては足を運んでみたり、秘密のページで売約済になっていないかチェックしたりする日々を過ごしていました。
そして、
「もうこれ以上待っても出ない、むしろ他の人に取られたら後悔する」
そう考えたわが家は、ついにあの破格の土地を契約することを決意。ここからいばらの道がはじまるとは知る由もなく…。つづく。