
2023.10.06
【執筆者プロフィール】
tiu さん
ある日、格安の土地を見つけて、新築計画をスタートしたところ、思わぬトラブルで一度断念することに。改めて始めた家づくりを支えてくれたのは、分離発注での契約を専門とする一級建築士事務所でした。
自由度も高く、すべてを建築業者に任せるより安くつくれるけれど、手間と時間がかかる「分離発注」と自分たちでできることはするという「ハーフセルフビルド」で、憧れの北欧風ハウスが完成しました。
ちょっと他とは違った家づくりのストーリーをこの連載で綴っていきます。
第13回 理想の間取りづくり(2階編)
「家は3回建てないと理想の家にならない」とはよくいったもので、その大きな要因のひとつに間取りの後悔があります。土地トラブルで2回家づくりをすることになったわが家もそれは痛切に感じました。
今回は1回目の失敗をもとに、2回目の家づくりでたどりついたわが家の間取りについてご紹介します(前回はこちら)。
2階リビングの間取り
こちらが完成したわが家の2階の間取り。吹き出しは建築士事務所に希望を伝えた部分です。2階の間取りのポイントはこちら↓(第7回参照)
1.LDK+2部屋
2.リビングを中心にしたつくり
3.広めのロフトと勾配天井で大きな空間に
4.快適な家事動線
5.庭の代わりに使える広いバルコニー
この中でも特にこだわった部分をピックアップします。


図 1間取りのこだわりポイント
リビングを中心につながる大空間
「広くて明るく開放感あふれるリビング」
リビングで一番こだわった部分はこれにつきます。しかし、現実は厳しくわが家のリビングに与えられたスペースはダイニングを合わせてもたったの10畳。
そこで、考えたのが「廊下を一切なくし、リビングを中心にしてすべての部屋をつなぐ」という方法でした。
LDKと和室、さらにはロフトとバルコニーをつなげて、どうやったら、もっとも無駄のない間取りにできるか試行錯誤を繰り返していきました。
たとえば、キッチンから和室までフラットに貫通するように配置したり、ロフトをリビングとつなげることで縦方向の広がりを持たせてみたり、バルコニーは部屋の延長として使えるように段差をなくしスムーズに行き来できるようにしました。
水回りをまとめて快適な家事動線
家事動線は、洗濯機からキッチンを通って一直線にバルコニーにつながることを意識しました。
2階リビングだと問題になりがちな生ゴミの置き場所も、キッチンにバルコニーをつなげることでいちいち1階まで行かずにすむようにできると考えました。
また、家事動線を考慮しつつ、無駄空間をなくすために水回りは洗面室を中心にすることに。


洗面室をハブ化。洗面室、キッチン(水回り)からバルコニーにつながる家事動線。
あらゆるデッドスペースを「すきま収納スペース」に
そのために、間取りを作る際に、生活していて発生するであろう問題をいろいろと想定して対策しました。
デッドスペースの「すきま収納スペース」化もそのひとつ。具体的には以下のような感じです。
●ニッチの設置
ニッチ(壁の厚さを利用した収納スペース)は必要であろうすべての箇所に設置。料金が分離発注のおかげもあり1カ所3千円という安さで付けられたのも後押ししてくれました。洗面所の手前にはスイッチやディスプレイ用のニッチも付けることができました。
●造作棚の設置
トイレには棚とカウンターを造作してもらうことに。わが家は猫を飼っているのでカウンター下には猫トイレを置くスペースも確保。壁に猫用の通り道も作ります。
キッチンはキッチンカウンター下を造作で収納棚にすることにしました。カウンターの長さが2.5m、厚さが30cmほどあるので、それなりの収納力が確保できると期待しています。棚には開き扉を付けてDIYペイントしてアメリカンスタイルに仕上げたいと企んでいます。


●階段の上も有効活用
階段の上も大きなデッドスペースです。いろいろ考えた結果、階段の上がちょうど洗面所だったこともあり乾太くん置き場にすることに。乾太くんの上の空間もタオル収納にして有効活用します。
●屋根裏も有効活用
屋根裏はデッドスペースそのもの。当初、ロフトは4.5畳にする予定でしたが、これを極限まで広げてもらいました。屋根の傾斜があるので、端の部分は天井が低くなり使い勝手はよくはありませんが、収納ボックスを置くには十分のスペース。捨てられない思い出グッズ置き場にしたいと思います。


1階は娯楽と在宅ワークを意識した楽しい空間に
以上、2階の間取りのご紹介でした。1階は在宅ホームで作業できるスペースや、ホームシアターや卓球台、サブキッチンなど、憩いの場を意識した作りになっています。よかったら引き続きご覧ください。1階へつづく。