
2023.07.05
【執筆者プロフィール】
tiu さん
ある日、格安の土地を見つけて、新築計画をスタートしたところ、思わぬトラブルで一度断念することに。改めて始めた家づくりを支えてくれたのは、分離発注での契約を専門とする一級建築士事務所でした。
自由度も高く、すべてを建築業者に任せるより安くつくれるけれど、手間と時間がかかる「分離発注」と自分たちでできることはするという「ハーフセルフビルド」で、憧れの北欧風ハウスが完成しました。
ちょっと他とは違った家づくりのストーリーをこの連載で綴っていきます。
第8回 ついに地主との引き渡し会に
工務店から建築士事務所に乗り換え、土地問題と戦っていましたが、ついに解決することができました!苦難の連続でしたが、ちょっとした奇跡が起こりました。この半年間に何があったか振り返りたいと思います(「接道に5人の所有者」はこちら)
土地問題が解決
「土地の所有者6名の印鑑証明書の取得」
やはり、これは相当大変でした。
何から手をつければいいか分からない中、まずは不動産屋から情報を得て、リーダー格のGさんにご挨拶にいくことに。
Gさんは80歳は超えているであろう高齢のおじいさんでした。ご自宅の玄関で話をしていたのですが、印鑑証明書の話になると一転、
「それは無理だ、帰ってくれ」
といきなり関係が悪くなってしまいました。このご時世ですから当然の話です。その後も何度かトライするものの門前払い。
途方に暮れていたある時、ある奇跡が起きました。


道路使用許可は取れたものの、印鑑証明をいただくのは断られてしまいました。ですが、偶然、所有者のリーダーである方と再会することができまして…。
奇跡
ある日の夕方、近所の銭湯に子どもとふらっと行ったときのこと。湯船につかっていると一人のおじいさんが現れました。目を疑いましたがあのGさんです。
驚きと気まずさの中、おそるおそる話かけてみると、意外にもあちらからいろいろ聞いてくれました。子どものことや仕事のことを話していると距離が縮まったようにも感じました。
それから数日後、不動産屋から「Gさんが印鑑証明書を渡すのに同意してくれました」という朗報が!
さらに、「他の5名もGさんが良いというのであれば同意するということでした」と。後にも先にも外出先でGさんに出会ったのはこれっきり。
神がかった奇跡的な出来事から一気に印鑑証明書問題が解決しました。
印鑑証明書も集まり、ここでやっと建築士事務所と正式に契約。これにより本格的に許可申請(ただし書き道路許可申請)の準備がスタートしました。
あとは事務的な手続きをもくもくと進めていくだけです!


ただし書き道路許可申請
そして、何度も何度も打ち合わせていた間取りは、壁は正方形ではなくなり、無理やり押し込んでいた無駄なスペースも消えました。シンプルですが、これ以上はないと言える間取りに仕上げていただきました。
許可申請の道路の図面も完成。ものすごく精細で丁寧な図面にびっくりです。やはり、わが家の建築士さんは只者ではない。
ついにこれら一式をまとめて建築指導課に提出です!


最終的にできた間取りは総2階ではなく、北西の凹みある2階建てになりました。こちらが1階の間取りです。


2階も同じ形で、LDKを配置しています。


地主と土地の引き渡し会
その翌週、地主と土地の引き渡し会が開催されました。銀行の一室に地主3名と不動産屋、司法書士、総勢6名が集まり、残金の精算と、土地の引き渡しの手続きを行いました。
契約会をしてから1年半、地主のみなさんもさぞかし不安な日々をお過ごしだったことでしょう。
手続きのあと、住宅ローン会社から土地の資金が振り込まれ、地主に渡っていきました。
土地の精算も終わり不動産屋ともこれでお別れです。
あんなにトラブル続きだった不動産屋とも、これで最後と思うとちょっと寂しいです。そして、いよいよ工事の着工日が近づいてきました。