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「 分離発注とハーフセルフビルドで」 バックナンバー

第5回 建築士が入って急展開する

2023.05.10

【執筆者プロフィール】

tiu さん

ある日、格安の土地を見つけて、新築計画をスタートしたところ、思わぬトラブルで一度断念することに。改めて始めた家づくりを支えてくれたのは、分離発注での契約を専門とする一級建築士事務所でした。

自由度も高く、すべてを建築業者に任せるより安くつくれるけれど、手間と時間がかかる「分離発注」と自分たちでできることはするという「ハーフセルフビルド」で、憧れの北欧風ハウスが完成しました。

ちょっと他とは違った家づくりのストーリーをこの連載で綴っていきます。

Blog https://myhomeblog.tiulabo.net/

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すべてのハウスメーカーに見放されたわが家は、土地の解約ギリギリ寸前の状態。最後にたどり着いたのは昔たまたま見学会に行った一級建築士事務所でした(前回はこちら)。

はじめての一級建築士事務所

建築士さんとメールでやりとりした週末に早速、事務所で打ち合わせをすることになりました。

事務所は車で一山超えて40分ほどのところ。一級建築士事務所という先入観から、高級感漂うデザイナーズハウスだろうと身構えていましたが、実際は6畳ほどのアットホームな事務所。

とはいえ、洗練されていて無駄がなく、見たことのない建具や床材があしらわれていて、今までのハウスメーカーとはひと味違う雰囲気が伝わってきます。

建築士さんがコーヒーをいれてくれて、これまでの経緯をお話していきました。

分離発注方式について

そもそも、そんな縁がないと思っていた建築士事務所の見学会になぜ行ったのかというと、この事務所が「分離発注方式」を採用していたからです。

注文住宅における分離発注方式とは、施主がそれぞれの専門業者と契約を結んで家を建てることを言います。

一般的な家づくりの「一括発注方式」より、費用の原価が分かりやすく、また、建築業者への中間マージンが発生せず、コストを抑えた家づくりができることがメリットに挙げられます。

その反面、施主がやらなければいけないとが多かったり、資金管理をしないといけなかったり、保証や責任範囲が大手のハウスメーカーに比べると弱かったりとデメリットもあります(もちろん企業の方針や施主の予算によって内容は大きく変わるはずです)。

いざ、建築指導課へ!

話はもどり、これまでの経緯をひととおり伝えたところ、「建築指導課に一緒に行きましょう」と建築士さんに言われました。実は、既にU社の店長さん(前回登場)が、わが家の道路問題

「前面道路が1.8未満の部分が存在する」

について建築指導課に相談に行き、「2カ月に一度の建築審査会の審査が必要」という、取りつくしまのない対応をされています。

もちろんそれも伝えたのですが、何か秘策があるようです。

「一括同意」に持ち込む

ーー翌日、建築指導課にて

建築士「今回の道路ですが一括同意に持ち込めませんか?」
職員「通路の両端のお宅の後退(セットバック)の同意が得られれば可能です」

「え”!?」

驚きのあまり声がでそうになりました。そんな話、今まで聞いたことありません。

なんだか建築士さんには秘策があるみたい…。建築指導課での話し合いになりました。

なんだか建築士さんには秘策があるみたい…。建築指導課での話し合いになりました。

一括同意(一括同意基準)とは「今は道が狭くて接道義務をクリアできていなくても、道に接しているお宅が将来家を建て替える時に道幅を広くしてくれる約束をしてくれたら建築審査会は不要にできますよ」というもの。

なんで、今まで教えてくれなかったの?と思いつつ、これができればこの土地に家を建てることが一気に現実味がおびてきます。その後は、建築士さんが流れや必要書類を細かく聞き出し30分ほどで終了。

「接道の所有者5人」も一気に解決するための必要書類

誰もできなかった、あの建築指導課の重い扉を一瞬でこじ開けた一級建築士さん、やはりただものではないです。

建築指導課からは「必要書類20項目」の宿題もいただきました。これがまたひとつひとつがなかなか重い。

その中でも特に、「私道の権利者5名と、セットバックするお宅の計6名の同意書と印鑑証明書、相続人の場合は戸籍謄本と住民票と家系図」これが最大の難関でしょう。

計6名の同意書と印鑑証明が必要。必要書類20項目…。大変な作業ですが、突破口が見えてきました。

計6名の同意書と印鑑証明が必要。必要書類20項目…。大変な作業ですが、突破口が見えてきました。

さらに、この同意書は何でも良いわけではなく、建築指導課が指定する事項が記載されていて、印鑑証明書の捺印と添付が必要だそう。

つまり、今まで不動産屋が必死に集めてきた同意書が、まったく無意味になってしまったのですが(涙)、今は建築士さんにここまで導いてくれたことに感謝して前に進むしかありません。

一級建築士事務所と契約

そして、いよいよ一級建築士事務所と契約を交わすことに。

こうして、わが家は一級建築士事務所で家を建てることになったのでした。建築士事務所では何の制限もなく家づくりができるようなので楽しみです。

次回は、「同意書と印鑑証明書のセット6人分」が早く集められることをを祈りつつ、建築士さんに要望を伝え、2回目の家づくりを進めていきます。

それにしても、同意書について不動産屋の社長にどう伝えよう…。

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