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2026.08.05
この連載では、世界にひとつの自分らしいインテリアデザインを室内に。インテリアデザインの先進国イギリスで学ばれ、現在日本で活躍されている安藤さんに、ムードボードの重要性を紐解きながら、楽しくプランニングを解説いただきます。
【執筆者プロフィール】
安藤 眞代
美術大学、日本画学科を卒業後、大手インテリアメーカー住江織物でデザイン業務に従事。
ロンドンインテリア留学、Interior Design School London Professional Development Course卒。
業界での豊富な経験と、英国での学びを活かしたトータルな空間コーディネートや、日本では数少ないオーダーカーペットデザインも得意とする。
毎年 ミラノ、ロンドン等海外インテリア展示会を視察し、海外トレンドレポートを多数講演。
https://studio-ma.jp/
その㉗欧州インテリア視察から -その3 ミラノデザインウィーク(MDW)2026の魅力を読み解く
「Objets Nomades(オブジェ・ノマド)」
その中で、皆さんもよく知るファッションブランドのルイ・ヴィトン(LouisVuitton)は、フランスを代表するラグジュアリーメゾンですが、近年は家具や照明、ホームアクセサリーを展開しています。
ラグジュアリーブランドの大きな傾向として、ファッションだけでなく、家具やインテリアを通して、ライフスタイル全体を提案する取り組みが、近年広がっています。
ルイ・ヴィトンのインテリア「Objets Nomades(オブジェ・ノマド)」は、ブランドの世界観を家具やインテリアで表現したコレクションです。)(写真①)
世界的なデザイナーと、ルイ・ヴィトンの象徴である「旅」の精神や、卓越したクラフツマンシップを、家具や照明、オブジェへと展開しています。
実用品でありながら、アート作品のような高いデザイン性を備えているのも特徴です。ここ何年かは、ミラノ中心部にある18世紀の貴族の宮殿「Palazzoセルベローニ」を会場に、豪華な展示を開催しています。(写真②、③)
写真①:ルイ・ヴィトンのインテリア「Objets Nomades(オブジェ・ノマド)」コレクション
写真②:「Palazzoセルベローニ」の螺旋階段
写真③:「Palazzoセルベローニ」内部広場のヴィトン展示
イタリアのブランド「Poliform(ポリフォーム)」
次にご紹介するPoliform(ポリフォーム)は、イタリアを代表する家具ブランドとして、洗練された住空間をトータルで提案しています。
2026年のミラノデザインウィークでは、歴史あるパラッツォ・クレリチ(写真④)を舞台に、新作コレクションを発表しました。豪華な歴史建築とモダンな家具を融合させることで、家具を単体で見せるのではなく、「暮らしそのもの」を体感できる空間を演出していたのが印象的でした。
リビングからダイニング、ベッドルーム、キッチン、アウトドアまで、住まい全体を一つの世界観で統一。上質な素材と落ち着いたカラー、無駄を削ぎ落としたデザインによって、時代に左右されない上質なライフスタイルを提案していました(写真⑤)。
写真④:美しく、豪華な、歴史あるパラッツォ・クレリチ
写真⑤:時代に左右されない上質なPoliformのインテリア
特別展示「Artemest(アルテメスト)」
昨年も素晴らしかったとご紹介した、アルテミスト(Artemest)は歴史ある邸宅(写真⑥)を舞台にした特別展示「L’Appartamento」を開催しました。
Artemest(アルテメスト)は、イタリア各地の職人や工房が生み出す家具や照明、アート、インテリアアクセサリーを世界へ発信するラグジュアリープラットフォームです。
写真⑥:19世紀の貴族の宮殿、パラッツォ・ドニゼッティ
世界で活躍するデザイナーが、イタリアの伝統工芸と現代デザインを融合させた空間を提案。家具や照明を単に展示するのではなく、一つの住まいとしてコーディネートすることで、イタリアならではの高い職人技や素材の美しさ、そして豊かなライフスタイルを体感できる展示となっていました(写真⑦)。
写真⑦:イタリアの伝統工芸と現代デザインを融合させた空間を提案。
イタリアの老舗ファブリックメーカー「ルベリ(Rubelli )」
私が特に注目したのは、展示全体のカーテンをイタリアの老舗ファブリックメーカーのルベリ(Rubelli )社(写真⑧、⑨)が手掛けていたことです。
各部屋は それぞれ異なる都市やテーマを表現していますが、上質なファブリックと美しいドレープによって、展示全体に一貫した品格と統一感が生まれていました。
展示が華やかで、家具やアートに目が向きがちですが、実際にはテキスタイルが空間の印象を大きく左右しており、その重要性を改めて実感した展示でもありました。
写真⑧
写真⑨:展示全体のカーテンをイタリアの老舗ファブリックメーカー「 Rubelli 」社が手掛けていました。
Artemestの「ムードボード」
今回のArtemestの展示で特に印象的だったのは、私がこの連載で何回もご紹介しています「ムードボード」が数多く展示されていたことです(写真⑩)。
ムードボードは、写真や素材サンプル、色彩、家具、照明などを一枚にまとめ、「この空間でどんな体験を生み出したいのか」「どんな世界観を目指すのか」を共有するためのツールです。
写真⑩:アルテミスト(Artemest)のムードボード展示
図面が建物の“形”を伝えるものだとすると、ムードボードは空間の“雰囲気や世界観”を伝えるものと 言えるかもしれません。
今年のミラノデザインウィークでは、完成品を見せるだけでなく、「どのような発想からデザインが生まれたのか」をムードボードを通して伝える展示が数多く見られました。デザインの背景やストーリーまで体験してもらうことを重視する、現在のデザインの潮流を象徴する展示だったと感じました。
2026年のカラー&フォルム
最後にカラー、フォルムについても、簡単にお話しします。ここ何年も続くアースカラーの流れは継続しており、土のブラウン、テラコッタから さらに自然の深みを感じる〜赤身の強いボルドー、ディープワインブラウンへと深みをましたカラー郡が多くなっています(写真⑪)。
昨年より色味の幅が増えたグリーンは、アースカラーに合うグリーンから、ブルーグリーンなど、グリーンの幅が広まっていました(写真⑫)。
フォルム(形)デザインとしては、ソファ、テーブルは長年続く丸みは継続中、キッチンの角もRなタイプが増えていました(写真⑬、⑭)。
写真⑪:自然の深みを感じる〜赤身の強いボルドー、ディープワインブラウンへと深みをましたカラー。
写真⑫: グリーンは、アースカラーに合うグリーンから、ブルーグリーンなど、グリーンの幅が広まりました。
写真⑬:フォルム(形)デザインとしては、ソファ、テーブルは長年続く丸みは継続中。
写真⑭: キッチンの角もRなタイプが増えていました。
次回は、欧州視察の中盤で訪れた、旧市街がユネスコ世界遺産に登録されているポルトガル・ポルトをご紹介します。ポルトガルを代表するファブリックブランド ALDECO の視察ツアーに参加し、本社や工場を見学したほか、美しい街並みや世界遺産のドウロ渓谷も訪れました。
歴史ある建築や伝統工芸、豊かな自然の中から生まれるポルトガルならではのデザインの魅力をお届けしたいと思います。どうぞお楽しみに。



























