毎週水曜日更新

floor-plan_500.65

SEARCH

イエマガは「世界にひとつの自分らしい家」づくりを応援するWEBマガジンです。

floor-plan_500.65

「 海外ドラマの間取りとインテリア」 バックナンバー

以前のバックナンバーページ

シャーロック/SHERLOCK インテリア実践編 海外ドラマの間取りとインテリア vol.67【2】

2017.04.05

見どころ4ファブリックの選び方

ファブリック、特にカーテンは、インテリアの印象を左右する重要なエレメントです。

シャーロックの部屋では、淡い小柄の生地が使われていますね。 単色や無地、小柄などのベーシックな生地は特に質の良し悪しが一目で分かるので、壁紙をふんぱつしてもカーテンがチープだと、残念な印象になりかねません。

壁紙は内装材、カーテンはインテリアエレメントですから、同列で比較すること自体難しいのですが どちらに予算をかけるか迷ったときは、カーテンへかけることをお勧めします。質の良い洋服を少なく持つ、素材の良いものをシンプルな味付けでいただく、衣食でいうこの感覚は、住へもそのまま当てはまります。

ちなみにレースは、カフェカーテン状にして使われているように見受けられます。機械レースには、リバーレース、ラッセルレース、エンブロイダリーなどの種類があり、いずれもシンプル志向の日本では最近やや人気が下降気味なのですが とても品の良い華やかさがあり、まさに古き良き時代を彷彿とさせてくれます。

シャーロックの部屋は天井や窓が高く、必然的にカーテンの取付け位置も高くなっています。日本では窓上から吊るケースがまだまだ多いのですが、カーテンは長さがあるほど吊り映えします。この部屋のようにさりげなく優美な雰囲気を作る場合、天井吊りがお勧めです。

カーテンの施工には必ず下地(補強)が必要になります。特に取付場所を指定しない場合は窓上に入るケースが多いので、カーテンの計画は早めに行い、下地の位置を指示しておきましょう。エアコンや建具との干渉にも注意してください。

そしてもう一点、こちらも特定が難しいのですが、カーテンを束ねているのはタッセルではなく、アームホルダーのように見受けられます。これはデザインにもよりますが、窓の両サイドにある程度のスペースが必要です。入隅や出隅の窓には取付けが難しい場合もありますので注意してください。

見どころ5最近人気の足場床

次は床材についてです。この部屋の床は、年月の経過した木材の良い味が出ていますね。 最近は、古材で作られたフローリング材も多く流通していますので、利用してみるのも良いと思います 。

足場板(工事現場で足場として実際に使用されていた板)は最近人気の高い材料で、 室内の床材として使用されるケースもありますが、土足での屋外使用に耐えてきた木材ですから非常に粗削りです。

素足で歩くことを前提とした使用は少々難しいかもしれません。いわゆるフローリングとは全く異なるものと理解した上での検討をお勧めします。

また、無垢材が経年によって深い味わいになっていくのを、暮らしながら気長に楽しむという手もありますよ。手軽に安価にこの雰囲気を出したい場合、クッションフロアや長尺シートという選択肢も。 お好みやライフスタイルに合わせて、最適な床材を選んでくださいね。

見どころ6小物で演出するには

ここまで、主だった内装材、インテリアエレメントについてざっとお話ししてきました。 最後に、インテリア小物についてお話ししますね。

アートや小物は、選び方・組み合わせ方次第で、個性を強調したり、メッセージ性を高めたりすることのできる有用なアイテムです。 ファッションでいうところのアクセサリーに相当する部分ですね。

この部屋で特徴的なのは、”毒”。
マントルピースに置かれている骸骨や蹲俑のオブジェ、昆虫の標本、壁面に飾られた骸骨のグラフィックアートにアニマルヘッドなど、一見すると非常におどろおどろしいのですが、明確なコンセプトに基いて採用された小物であることは間違いなく、この部屋を一層ミステリアスに演出することに一役も二役も買っています。

仮にこの部屋が、ファミリードラマの舞台だったとしたら、まず選ばれることはないでしょう。 逆にいうと、コンセプトが曖昧だと小物のセレクト基準がぶれ、インテリアがぼやけてしまうということです。

モノは、それぞれが特有の波動を持っています。 特にこの部屋にあるような、死の象徴である骸骨、死者とともに埋葬した蹲俑など、”死”にまつわるアイテムはダークインパクトが非常に強いので コンセプトが曖昧なまま安易に居住空間へ配することは、積極的におすすめしません。

どう仕上げたいのか、どう感じたいのか、または、どう見せたいのかをきちんと固めた上で小物を選び、空間を仕上げていきましょう。

髑髏やユニオンジャックのアートなインテリアエレメント

いかがでしたか?
インテリアコーディネートはなんといっても、まず楽しむことが一番だと思います。 たとえ教科書的に正しくなかったとしても、罰せられることはありません(笑)。

飽きがくるのではと心配される方もいらっしゃいますが、無難にまとめたとしても残念ながら飽きはきます。少し乱暴な言い方をすれば、どちらにしても飽きるのなら、したいようにしたもの勝ち。楽しんだもの勝ちです。

自分の部屋へ帰るのがワクワクするなんて、こんな幸せなことはないと思いませんか? ぜひ素敵にコーディネートしてみてくださいね。

前のページへのリンク

【著者紹介】

著者大西哉子さん近影

大西哉子さん

GIO INTERIOR WORKS(ジオ インテリア ワークス)代表。2016年、英国アンティーク/ヴィンテージ家具ショップ『高砂ショウハウス』をオープン。「インテリアはもっと自由に、もっと楽しく!」をコンセプトに、枠にとらわれない印象深いインテリアデザイン・コーディネートを提案する。 インテリアコーディネーター/照明士/古民家鑑定士1級

GIO INTERIOR WORKS/ジオ インテリア ワークスのイメージ写真

TAG

記事に登録されたタグ

読者アンケート

この記事の感想

※コメントはイエマガ内で掲載させていただく場合がございます。

性別

年齢

ニックネーム

海外ドラマの間取りとインテリア一覧に戻る

連載記事

連載一覧を見る

PAGE TOP