イエ子（以下・イ）：長らくお時間をいただきましたが、その間「物でいっぱいのアパート」を調査していました。今回はポスト『フレンズ』と言われ、数々のエミー賞を受賞したラブ・コメディ『ママと恋に落ちるまで』の家です。

Ｋさん（以下・Ｋ）：建築士と弁護士志望の男性２人が暮らす家。アパートに人が集まる集まる…ものだけでなく人も溢れかえる家でしたね。

イ：このドラマ、最後はどうなるのかずっと気になって観続けてきたのですが、やっぱりコメディは家のシーンが抜群に多く、途中から家の中が気になってきて…。

リクエストもいただいていたので、分かりづらいところもありましたが、ぐるりと360度どんなインテリアになっているのか、もう一度見直しました。

Ｋ：これまで人気のあったドラマと同じく、主役の２人がアパートをシェアする、仲間が集まる定番の店があるという設定でしたね。２人が暮らすビルの１階にパブがあるという…。

イ：ニューヨークのど真ん中、１階が人気のパブという素晴らしい立地（笑）。うらやましいですね。調べてみると、アメリカ国内でそう思う人がたくさんいるようで、この建物がどこにあるか推理して、家賃の相場を掲載しているサイトがたくさんありました。その話は最後に。

イ：こちらが、上から見たアパートの内部です！赤と青の壁の部屋がテッドとマーシャルの個室になっています。

アメリカのドラマでお決まりの玄関ドアを開けると「リビング」の配置。ほぼ毎回登場する重要スペースです。

Ｋ：アンティーク風、いえ、長く使い込んでる風の家具やファブリックがいっぱい。その中で赤やオレンジ色が効いていますね。

イ：ほかのスペースも、色に悩んだら赤かオレンジで…と決めているかのように同系色で統一。すっきりするだけでなく、この暖色は、ドラマで繰り広げられる５人の熱い友情にぴったりですね。

Ｋ：リビングには、このドラマで最もよく登場するソファーがありますが、これがどうして斜めに置いてあるのか、気になりませんでしたか？

イ：ええ。玄関から入ってきた人がすぐ見えるように？部屋の割にソファが大きすぎるので、対角線を生かしているのかも。どちらにしても、まっすぐ置くより、ふざけた雰囲気が増して、この２人らしいインテリアになっていますね。

イ：テッドは会社員ですが、どちらも家で仕事や勉強をする生活を送っています。なので、それぞれに大きなデスクが。各部屋に入る扉前のロビーのようなスペースは、テッドが建築の設計をするところ。ソファの後ろは、マーシャルが勉強するところ。

Ｋ：そうそう！ここで勉強できるんだ…と観ていて思いました。みんなで、ずっと一緒にいるのが当たり前という部屋の使い方。婚約者のリリーもほとんどこの家で暮らしていて、本当に仲良しですね。

イ：さて、最後に海外にしてはこじんまりしたキッチンへ。ダイニングテーブルもほとんど使わないのか、キッチンとリビングの隙間に置いてあるという感じです。

Ｋ：広くはないけれど、使い勝手は良さそうですね。カウンターにリビングへの開口もあるし。あまり料理しているシーンはでてきませんでしたが…。

ところで最初に話していて、ここの建物の場所を推理されているという話は？

イ：そうそう、ドラマにでてくる地下鉄の駅やレストランをヒントに、恐らくこのアパートはニューヨーク・マンハッタンの「アッパー・ウエスト・サイド」地区ではないかと言われているんですって。