- 第39回 塗り壁DIY、道具も大切
- 第38回 シアタールーム「塗り壁スクリーン」計画
- 第37回 塗り壁DIYぶっつけ本番!(後編)
- 第36回 塗り壁DIYぶっつけ本番!(前編)
- 第35回 塗り壁のやり直しは?
- 第34回 塗り壁の失敗集
- 第33回 塗り壁DIYの購入アイテムと費用
- 第32回 塗り壁DIYに挑戦!
- 第31回 北欧風外観のすみずみまで魂をこめる
- 第30回 サイディングのつなぎ目をなくす!
- 第29回 北欧風ハウスの外壁
- 第28回 石畳タイルのある玄関
- 第27回 輸入ドアのペンキ塗りと取り付け工事
- 第26回 玄関ドアをアメリカから輸入して施主支給!
- 第25回 カナダ発の断熱材吹付工事
- 第24回 失敗からの窓選び
- 第23回 雨漏り大パニック
- 第22回 トラブル発生!ポーチの屋根の高さが違う
- 第21回 屋根材はアスファルトシングル『オークリッジ』
- 第20回 外壁の下地選び
- 第19回 ドタバタの上棟
- 第18回 大雨の基礎工事(基礎工事後編)
- 第17回 空中移動するショベルカー(基礎工事前編)
- 第16回 キッチンの施主支給とDIYとは?
- 第15回 木製にこだわったキッチン選び
- 第14回 理想の間取りづくり(1階編)
- 第13回 理想の間取りづくり(2階編)
- 第12回 シロアリ対策にDIYで挑戦
- 第11回 施主支給:フローリング選びから納品まで
- 第10回 分離発注のお金の流れ
- 第9回 ハラハラの地盤調査とセルフ地鎮祭
- 第8回 ついに地主との引き渡し会に
- 第7回 家の設計を進める
- 第6回 建築士が入って急展開する
- 第5回 接道義務も満たしてなかった
- 第4回 マンガみたいな結末を迎える
- 第3回 接道に5人の所有者
- 第2回 土地が安い理由
- 第1回 秘密の不動産情報と出会う
2023.12.08
【執筆者プロフィール】
tiu さん
ある日、格安の土地を見つけて、新築計画をスタートしたところ、思わぬトラブルで一度断念することに。改めて始めた家づくりを支えてくれたのは、分離発注での契約を専門とする一級建築士事務所でした。
自由度も高く、すべてを建築業者に任せるより安くつくれるけれど、手間と時間がかかる「分離発注」と自分たちでできることはするという「ハーフセルフビルド」で、憧れの北欧風ハウスが完成しました。
ちょっと他とは違った家づくりのストーリーをこの連載で綴っていきます。
第17回 空中移動するショベルカー(基礎工事前編)
ついに基礎工事の日がやってきました!
ただ、わが家の土地は道路がせまく重機が容易に近づけない難土地です。はたして工事は無事にできるのか?基礎工事の着工から完成までの流れとともにご紹介します。(前回はこちら)
わが家は三方が壁に囲まれ、唯一の道路も2mしか幅がなく工事車両が容易に侵入できない、いわゆる難土地。
基礎工事にあたり、ショベルカーなどの重機の搬入経路を決める必要がありました。そこで今回使うことになったのが左上の駐車場からのルート。駐車場のオーナーと交渉し全面を貸りることになりました。ちなみに、賃料は給料約1カ月分。
ただ、ルートは確保できたとはいっても搬入経路が狭いことに変わりはなく、まだまだ心配事は絶えません。
基礎の工法と流れ
わが家の基礎は、一般住宅でもっとも普及している「ベタ基礎」という工法です。
ベタ基礎は、図のように床全面にコンクリートを敷くため安定性が高く、沈下にも強く、さらに防湿シートを間にはさむことで地下からの湿気やシロアリの侵入を防いでくれるメリットがあります。
基礎の構造は現場を見学しにいくと良くわかるということで、わが家は毎日撮影にいくことに。
全体の日程は以下のような感じ。
【1日目】地縄張り、整地
【2日目】掘削工事(根切り)
【3日目】砕石敷き・捨てコン(捨てコンクリート)
【4日目】配筋
【6日目】側板
【8日目】型枠
【14日目】コンクリート打設
【18日目】型枠取り外し、完成
それでは、実際に撮影してきた工事風景をご覧ください!
【1日目】地縄張り・整地
着工1日目の朝、着工前の風景です。
まだ先日の地鎮祭の跡が残っていました。地面に張られたビニールテープは地縄とよばれ家の配置を確認するためのものです。地縄は地鎮祭の前に張られることが多いようです。
その日の午後、朝はなかったショベルカーが現場入りしていました。初重機です!やっと、わが家も着工することができました(しみじみ)。
それにしても、あんなにあった雑草たちは何処へいってしまったのでしょう。数時間で風景が一変しすぎて愕然とします(先日、地鎮祭の前に家族総出で草むりした時は丸2日かかったんですけどね)。
【2日目】掘削工事(根切り)
2日目の朝行ってみると、周囲に木枠が埋め込まれていました。これは「遣り方(やりかた)」といって建物の正確な位置を出すのに使われるものだそう。工事現場でよく目にするのはこれだったんですね。
また、ショベルカーで家の形にあわせて溝が掘られています。ここには「捨てコン」を流しこむということです(捨てコンは後編でご紹介します)。
この作業は「根切り(ねぎり)」ともよばれていて、その名のとおり植物の根っこを切るところに由来するのだとか。
その日の夕刻。
すでに現場には誰もいませんでしたが、2つのパイプだけぽつんとたたずんでいました。何かと思いましたが場所的に1階のトイレと洗面所のあたりなので、おそらくその排水パイプでしょう。なるほど、基礎の下を通す排水パイプは先に設置するんですね。
ショベルカーの搬入方法
ここで1つ疑問がわいたのではないでしょうか?あのショベルカーはいったいどうやって搬入されたのだろうか?と。
答えは写真をご覧ください。
なんと空中移動して搬入されていました。駐車場に足場を作って敷地まで橋が渡されていたのです。
これを見たときは二度見、いや三度見はしたでしょうか。
技術力の高さもさることながら、運転されている方はさぞかし怖かったことでしょう。よく見てみるとキャタピラが橋からはみ出しているのが分かると思います…。
前回のハウスメーカーに解約されたのも、この搬入経路の難しさが理由の一つでした。こうことだったんですね。
危険を承知の上で取り組んでいる建築士事務所と基礎工事職人のプロフェッショナル精神にただただ感服です。
ここから一気に基礎ができあがっていくのですが、問題は天気。どうも天気予報があやしいくなってきました。どうなることやら…。後編へつづく