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2022.08.17
【執筆者プロフィール】
まっしん はやぶさ さん
関西から関東に転職を機にお引っ越し。関西で暮らしていた分譲の戸建ては賃貸に出すものの、住宅ローンの支払いは赤字に…。さらに関東での家賃も加わって…。
それならば!と、二軒目の家を建てることに。住宅ローンをできるだけ抑え、かつ、土地も建物も満足のいく家づくりに挑戦されました。コストを抑えるコツ、納得のいくまで調べられた知識をこの連載にまとめていきます。
https://kisekinomyhome.blog.fc2.com/
イラスト:天野勢津子さん
https://amachakoubou.com/
見落としがちな諸費用「火災保険」
注文住宅の資金計画で見落としがちな費用の一つに火災保険があります。当時可能だった35年の一括契約で、条件によっては60万円以上にもなる大きな金額となる項目でした。
今回は、この火災保険の費用をなんとか抑えるために、試行錯誤した記録をご紹介したいと思います。
省令準耐火で保険料を大幅ダウン
一般的な在来木造住宅の場合、H構造(非耐火構造)という構造区分で火災保険を算出されます。しかし、木造住宅でも省令準耐火建物のT構造と判定された場合は、火災保険の算出結果が大幅に安くなります。現在のネットの簡易見積もりで試算してみたところ、わが家の保険金額の35年分の換算で、46万円ほど安くなる結果が出ました。
省令準耐火構造にするには、延焼防止や延焼遅延のために不燃材料やファイヤーストップ材の追加や施工が必要なのですが、建物が元々防火構造や不燃材料を採用している場合、少ない追加費用で済む可能性があります。わが家の場合、1階の天井に約4万円のロックウールを追加するだけで実現できましたので、絶大な費用削減の効果になりました。
火災保険割引を活用する
省令準耐火建物以外にも、さまざまな「火災保険の割引制度」があります。
■割引制度の例
・新築割引
・ノンスモーカー割引
・エコ設備割引
・Web申込割引
・オール電化割引
・ホームセキュリティ割引
保険会社によって、取り扱い内容が異なりますので、建物の仕様や生活スタイルに併せて、相性の良い保険会社を見つけるとお得になります。最近は、太陽光発電システムなどのエコ設備を導入している場合の割引を拡充する会社も増えているようです。
わが家の場合、オール電化割引を活用したのですが、ひとつ心配だったのが、当時カセットコンロを頻繁に食卓で使う習慣があったことです。オール電化割引が、建物内で火気を一切使わないことが条件であれば、カセットコンロは使えないので不便になります。
しかし、わが家が選んだ保険会社では、一時的なカセットコンロの利用は問題ないとわかり、オール電化割引を迷いなく利用できました。今では、卓上IHコンロを購入したのでカセットコンロは使わなくなったのですが、このような一時的な火気利用が理由でオール電化割引をあきらめている方は、保険会社に念のため確認してみましょう。
水災補償のありなしで大きく変わる保険料
さらに大きく保険料に影響するのが、水災補償です。
当時、ネットの一括見積を依頼したときに受け取った金額で比較すると、35年一括払いで我が家の保険料では、ありなしで5〜6万円ほどの差となりました。もっと高額な建物や、現在の値上がりした保険料では、もっと差が大きくなると思います。
最終的には、直接ネットで保険会社のWebで見積もり依頼し、細かな条件を指定したところ、一括見積もりよりもさらに金額が安くなったE社で最終的に決定しました。
同じ保険会社でも約3万円もの差が付いたので、本当に納得できるオプションに絞ったり、免責負担金額を大きめの10万円に設定するなど、Webで見積もりシミュレーションをできる会社だったことも自分に向いていました。
このおかげで、金額が十分に下がったので念のため、入っておこうというぐらいの意識で、水災補償ありにしたのですが、この決断が正しかったと実感したのは、かなり後のことです。
水災の必要性を痛感
当時は、よほど浸水する危険の高い土地でなければ、水災なしで契約する方も多いですよと保険会社からの説明があり、かなり悩みました。
わが家の土地の津波ハザードマップを確認したところ、標高4-8mの地域で、津波の被害はあまり心配なさそうと考えていました。しかし、間抜けなことに、この津波のハザードマップだけで、安心してしまっていました。実はもう一つの洪水・土砂災害のハザードマップでは、わが家は1〜3の浸水深区域になっていたのです。
よくよく調べてみると、標高10m以下は安全とはいいきれず、水害リスクを十分注意する必要がある地域のようです。
一括見積もりでは、わが家の住所を伝えた上で水災なしの提案だったので、わが家は水災なしでも良いという意味なのかもと考えて、)実は当時あまり詳しく標高を調べなかったのです。
あくまで水災を外して安くできる選択肢なのですが、わが家は水災なしでも大丈夫かもという甘い誘惑から、あまり現実を直視したくなかったのかもしれません。しかし、幸いネット保険で思ったよりも安い金額が出たため、気が大きくなったのか結果的に水災ありで契約しました。
この判断が心の底から正しかったと実感したのが、2019年の台風19号の影響で、近隣の中学校に避難することになった時です。この台風の猛烈な雨量で、相模川の堤防が決壊すれば、被害を免れない地域にわが家が建つと初めて知り、もはや床上浸水どころか水没することさえ覚悟することになったためです。
幸い、本当にギリギリで、決壊を免れたのですが、わが家も水災被害に無関係ではないことを思い知らされた体験でした。
家族4人の家財保険の補償額が建物より高い
わが家では、建物の火災保険とは別に全国共済の新型火災共済を利用して、家財の保障を追加しました。火災保険の会社で、一緒に家財保険に加入しなかったのは、建物の火災保険の保険金と比べて、家財保険は割高感を感じたからです。
同じ保障金額でも、火災保険より共済の掛金が安いのが魅力だったのですが、悩んだのが家財保険の補償額の設定です。調べてみると、家財の評価額は家族の人数や建物の面積、世帯主の年齢などで、割り出される目安が出てきたのですが、わが家の場合1500〜1660万円以上となりました。
これは、わが家の建築費を超える金額です。到底、これほどの価値がある家財を所有している実感はとてもわきません。また、生活再建のために、必ずしも、すべての家財を揃え直す必要もないでしょう。
そこで、わが家の場合、まったく根拠がないものの、万一の場合に家財の保障として600万円もあれば生活再建には十分だろうという最終判断となりました。4,800円の年払いとなり、これらなほとんど負担感がありません。
年齢を重ねると家財も増えていく一方で、子どもたちはいずれ巣立って独立していくはずなので、家族構成に合わせて見直しやすい年払いも無駄なく便利だと思います。しかも、割戻金があるため更に負担は軽減されるのも、ちょっとした楽しみです。でも、残念ながら、昨今は、災害が多いためか、当初皮算用した返戻率にはなりませんでした(笑)。