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「 家づくり日々勉強!」 バックナンバー

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工事現場「撮っておくべき工事写真」【家づくり日々勉強 49】

2020.12.09

【執筆者プロフィール】

まっしん はやぶさ さん

関西から関東に転職を機にお引っ越し。関西で暮らしていた分譲の戸建ては賃貸に出すものの、住宅ローンの支払いは赤字に…。さらに関東での家賃も加わって…。

それならば!と、二軒目の家を建てることに。住宅ローンをできるだけ抑え、かつ、土地も建物も満足のいく家づくりに挑戦されました。コストを抑えるコツ、納得のいくまで調べられた知識をこの連載にまとめていきます。
https://kisekinomyhome.blog.fc2.com/

イラスト:天野勢津子さん
https://amachakoubou.com/

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完成編の途中ですが、今回は少し時間をさかのぼって、工事中の様子を振り返ってみます。

わが家は幸い建築現場が、住んでいた借家から徒歩10分ほどの近い距離だったので、頻繁に見学のため足を運ぶことができました。

おかげで、日々楽しんで見学することのできた工事の様子を、さまざまな素人ならではの気付きと共に、ご紹介したいと思います。

地盤調査とベタ基礎

予算計画で最も不安材料だったのが、地盤改良工事がどのくらいの規模になるのか事前にわからなかったことです。しかし、調査の結果、『基礎剛性の高い標準仕様のベタ基礎で対応』できる地盤の固さがあったため、改良工事は不要という調査結果が出ました。

最悪、地盤改良工事は100万円を超えると聞いていたので、かなり助かります。

実は、この強そうなベタ基礎の配筋工事の様子を見たくて、楽しみにしていたのですが、工務店との打ち合わせの間に、コンクリートの打設まであっという間に進んでしまい、残念ながらその勇姿を写真に収めることができませんでした。

もし、どうしても見たい工事があれば、工務店に事前に予定を確認しておくことをおすすめします。

調査結果には、「調査地は低地に位置する住宅街の一画となります。調査の結果、表層上部にやや柔らかい粘土性土層が確認され、以深には河床礫と思われる非常に密実な良好層にて貫入不可となっております。従って、基礎仕様は計画基礎である基礎剛性の高いベタ基礎による対応が適していると考察いたします。」と書かれていました。

調査結果には、「調査地は低地に位置する住宅街の一画となります。調査の結果、表層上部にやや柔らかい粘土性土層が確認され、以深には河床礫と思われる非常に密実な良好層にて貫入不可となっております。従って、基礎仕様は計画基礎である基礎剛性の高いベタ基礎による対応が適していると考察いたします。」と書かれていました。

打ち合わせが終わって現場に駆けつけると、既に底盤の配筋はコンクリートで埋まっていました。

打ち合わせが終わって現場に駆けつけると、既に底盤の配筋はコンクリートで埋まっていました。

基礎工事中の雨は恵みの雨?

少し心配になったのが、打ち合わせが終わって現場に駆けつけた頃に、少し雨が振ってきたことです。「多少の雨であれば、コンクリートの乾燥を防いで、ゆっくり固まることで強度が高くなり、むしろ良い」と説明を受けていたのですが、目の前で雨に濡れる基礎を見るとやはり不安になりました。

特に気になったのは、綺麗に打設されたばかりの底盤のコンクリートの表面にポツポツと雨の跡が付いて、ゆず肌のようになっていたことです。

でも翌日には、心配していたゆず肌はなくなり最終的に綺麗な基礎が完成したので、小雨程度であれば過度な心配をする必要はないようです。

雨跡が付いたままで固まってしまうのだろうかと心配になったのですが…。

雨跡が付いたままで固まってしまうのだろうかと心配になったのですが…。

翌日、雨跡はまったくなく綺麗な底盤コンクリートに仕上がっていました。コテの跡があるので、後から表面を整えてくださったのかなと思います。

翌日、雨跡はまったくなく綺麗な底盤コンクリートに仕上がっていました。コテの跡があるので、後から表面を整えてくださったのかなと思います。

工事が進んでから気がついたのですが、わが家の基礎は、コーナーハンチという三角形の角で強度を高める仕様になっていました。

工事が進んでから気がついたのですが、わが家の基礎は、コーナーハンチという三角形の角で強度を高める仕様になっていました。

一口にベタ基礎と言っても、このような細かな仕様の違いがあるので、計画時点で良く見比べてみましょう。

一口にベタ基礎と言っても、このような細かな仕様の違いがあるので、計画時点で良く見比べてみましょう。

できる範囲で気持ちを伝えた上棟

楽しみにしながらも悩んだのが上棟の準備です。

ハウスメーカー勤務の親戚からも上棟式は省かない方がよいと聞いたり、ローコスト工務店でも上棟式にこだわるところもあったりしたのですが、わが家の工務店では、ほとんど上棟式はしていないとのこと。棟梁や応援の大工さんへのご祝儀や気遣い不要と事前に聞いていたのですが、これは本当に直前まで悩みました。

結果、準備したものは次のとおりです。

●棟梁・大工さん・工務店の方々へお礼のお土産:缶ビール6本と仙台の笹かまぼこのセット。お弁当を用意することも考えていたのですが、工務店側から大工さんがそれぞれ昼食を用意してくるので不要と念押しがあったのでやめました。

●飲み物とお菓子(午前・午後の休憩時):食べごたえのあるどら焼きや饅頭やあられなど

を用意しました。クーラーボックスに入れて置いた飲み物は、缶コーヒーが好評で、若い大工さんはコーラーを選ぶ人もいました。甘いのが苦手な大工さんは饅頭などを避けていたようです。

現金でのお祝儀をお渡ししないことがとても不安でしたが、元々少ない予算で無理をお願いしている立場なので、ここで見栄を張ることはやめました。

それでも、上棟は一日中現場でご一緒し、休憩やお昼に一緒に棟梁や大工さんと和やかに交流することができました。もちろん、最後までしっかり丁寧な施工をしていただいています。

ただし、地域の風習やハウスメーカーや工務店の習慣によって、所属されているスタッフの方の受け止められ方は異なると思いますので、事前の確認が必要だと思います。

前日に足場の設置と木材が搬入済み。

前日に足場の設置と木材が搬入済み。

あっという間に、家の形ができていく様子は一日中見ていて飽きません。自分の家が建つんだと、しみじみと実感できます。

あっという間に、家の形ができていく様子は一日中見ていて飽きません。自分の家が建つんだと、しみじみと実感できます。

現場監督が幣串(へいぐし)という、家内安全や魔除けの意味で付ける飾りを組み立ててくれました。当日初めて知ったのですが、建て主や建築会社の名前が書かれて、わが家の屋根裏に飾られ、いつ、誰のために誰が建てたかわかるようになっているそうです。

現場監督が幣串(へいぐし)という、家内安全や魔除けの意味で付ける飾りを組み立ててくれました。当日初めて知ったのですが、建て主や建築会社の名前が書かれて、わが家の屋根裏に飾られ、いつ、誰のために誰が建てたかわかるようになっているそうです。

わが家は、クレーンが入ることができましたが、狭く入れない現場の場合、人力だけで上棟することもあるそうです。

わが家は、クレーンが入ることができましたが、狭く入れない現場の場合、人力だけで上棟することもあるそうです。

工事中に確認不足だったところ

木工事中の様子は、まめに写真に収めていたつもりでしたが、入居直後に撮り忘れて後悔したのが、筋交いの位置がわかる写真です。

わが家はエアコンを付ける壁に筋交い(たすき掛け)が入っているため、穴を空ける時に誤って筋交いを切断されてしまう恐れがあります。このため、筋交いの位置がわかる写真を探したのですが、写真がなく業者さんが穴を空けるときは筋交いに当たらないよう祈る気持ちでした。

エアコン業者さんは「下地センサー」という道具で一応、柱や筋交いの位置は確かめてくれるのですが、筋交いの位置によっては見つけにくい場合もあるようなので、エアコンを付ける壁の写真は正面から撮ったものを残しておくべきだったと後悔しました。

唯一、エアコンを付ける壁の筋交いが写っていた写真ですが、アングルが斜めで肝心な右上のあたりが見切れているので、この写真だけではわかりませんでした。

唯一、エアコンを付ける壁の筋交いが写っていた写真ですが、アングルが斜めで肝心な右上のあたりが見切れているので、この写真だけではわかりませんでした。

また、入居直後にDIYで取り付けた玄関の手すりを固定する下地を探したときにも、写真が少ないことを悔やみました。

平面図にある間柱や柱が下地として固定したい場所になく、筋交いが通るところを頼りにしたかったのです。

玄関に手すりをつけようと図面を見ると、強度の関係で中央に必要な下地になりそうな柱がありません。
よく見ると筋交いがあるので、下地に使えるかもと写真を探しますが…。

玄関に手すりをつけようと図面を見ると、強度の関係で中央に必要な下地になりそうな柱がありません。
よく見ると筋交いがあるので、下地に使えるかもと写真を探しますが…。

全部写真に正面から撮っておくべきだったわが家の筋交いの配置図。

全部写真に正面から撮っておくべきだったわが家の筋交いの配置図。

唯一、リビング側から写っていた、手すりを付けたい玄関の壁の写真から内部構造を推測する立面図を作成しました。

唯一、リビング側から写っていた、手すりを付けたい玄関の壁の写真から内部構造を推測する立面図を作成しました。

図面であたりを付けて、結局針を刺す方法で下地を見つけました。恐らく、筋交いの赤い丸の位置で固定できたと思います。
もう少し、位置がわかりやすい写真があれば、たくさん壁に針を刺さなくて済んだと思います。

図面であたりを付けて、結局針を刺す方法で下地を見つけました。恐らく、筋交いの赤い丸の位置で固定できたと思います。
もう少し、位置がわかりやすい写真があれば、たくさん壁に針を刺さなくて済んだと思います。

リフォーム時にも活用する工事写真

下地の構造は、外壁側のリフォーム工事でも知りたくなる場合があります。わが家の場合、外壁通気工法によるサイディング材を採用しており、455mmピッチで取り付けられている胴縁がビスを打つ際の下地になります。

ただし、建築した工務店以外の外構業者にリフォームをお願いする場合、実際にその様子を写真を見せたほうが安心して工事ができるようです。

実際に、入居後バルコニーの上にテラス屋根取り付けのリフォーム工事を他の会社にお願いした時に、偶然撮っておいたバルコニーの写真が役に立ちました。

外壁材があっという間に貼られてしまったので、バルコニー以外の外壁の下地の写真がほとんど残っていないのですが、もっと計画的に撮っておけばよかったと後で痛感しています。

庭に面する外壁にオーニングを固定するフックを取り付けたり、庭を照らすライトを付けたくなったりと、住み始めてからのちょっとしたリフォーム工事にも役立つことと思います。

わが家は特に下地を入れることをお願いしていませんが、洗面台の裏側やタオル掛けを付ける壁などには、下地となる板が入っていました。
後々、思わぬ用途で役に立つことがあるかもしれませんので、どの位置かわかるように、ぜひ写真に残しておきましょう。

わが家は特に下地を入れることをお願いしていませんが、洗面台の裏側やタオル掛けを付ける壁などには、下地となる板が入っていました。
後々、思わぬ用途で役に立つことがあるかもしれませんので、どの位置かわかるように、ぜひ写真に残しておきましょう。

偶然撮っていた、バルコニーの下地の写真です。
後々、テラス屋根を付ける時に、バルコニー内にどのように同縁が付いているか工事業者に伝える必要があり、役に立ちました。
業者さんから「下地にぶっとい木が入っているね」と褒められたのですが、入ってないお家も結構あるということなのかもしれません。

偶然撮っていた、バルコニーの下地の写真です。
後々、テラス屋根を付ける時に、バルコニー内にどのように同縁が付いているか工事業者に伝える必要があり、役に立ちました。
業者さんから「下地にぶっとい木が入っているね」と褒められたのですが、入ってないお家も結構あるということなのかもしれません。

なぜか、家の角だけは外壁下地の写真を残していました。もっと、他の部分も下地の構造がわかる写真をたくさん残しておけばよかったです。

なぜか、家の角だけは外壁下地の写真を残していました。もっと、他の部分も下地の構造がわかる写真をたくさん残しておけばよかったです。

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