毎週水曜日更新

floor-plan_500.65

SEARCH

イエマガは「世界にひとつの自分らしい家」づくりを応援するWEBマガジンです。

floor-plan_500.65

「 分離発注とハーフセルフビルドで」 バックナンバー

第34回 塗り壁の失敗集

2024.09.11

【執筆者プロフィール】

tiu さん

ある日、格安の土地を見つけて、新築計画をスタートしたところ、思わぬトラブルで一度断念することに。改めて始めた家づくりを支えてくれたのは、分離発注での契約を専門とする一級建築士事務所でした。

自由度も高く、すべてを建築業者に任せるより安くつくれるけれど、手間と時間がかかる「分離発注」と自分たちでできることはするという「ハーフセルフビルド」で、憧れの北欧風ハウスが完成しました。

ちょっと他とは違った家づくりのストーリーをこの連載で綴っていきます。

Blog https://myhomeblog.tiulabo.net/

▼ すべて表示する▲ 閉じる

第34回 塗り壁の失敗集

塗り壁DIYは決して難しいものではありませんが、施工方法を誤ると大きなトラブルにつながることも。わが家の場合、それがまさかの左官屋の手によって起こってしまいました。今回は、塗り壁でおきたわが家最大のピンチをご紹介したいと思います。(前回はこちら

左官屋との打ち合わせ

作業開始の1週間前、建築士と左官屋、わが家の3人で塗り壁の打ち合わせをすることに。

材料や施工方法の確認と、段取り、担当エリアなどについてすりあわせを行いました。

左官屋の担当は図の赤色の部分、2階のすべてと階段です。わが家は1階の黄色の部分を担当します。

道具以外の材料はすべてわが家が調達することになりました。あくまでも、わが家が主体で左官屋に手伝ってもらうスタイルです。

左官屋の工事が開始

そして、いよいよ今週から左官屋の工事がスタート! 

朝一で見学に行くと、すでに職人さんたちが養生作業をしていました。親方と30代くらいのベテラン職人、助っ人の職人さん、かなり若い見習い中(?)の職人さんの4人体制で作業を進めていただくとのこと。

軽く挨拶をすますと、わが家は仕事があったのでいったんこの日は帰ることに。

左官屋の仕上がりをチェック

その日の夕方再度現場へ。

職人さんたちはすでに撤収しており静かな現場。左官屋のプロの技を一度見たかったのでワクワクして2階に上がってみると、想像とは異なる光景が広がっていました。

まさかの施工不良だらけ、だったのです…(泣)。

以下、衝撃の塗り壁失敗集をご覧ください。

1.養生の不備

部屋に入って一番最初に気づいたのがこちら。

足元を見ると養生シートが壁に届いておらず床が露出していました。そこに塗り壁材がポタポタと…(写真1)。

プロならではのやり方(?)なのかもしれませんが、フローリングには付けないでほしい(涙)

写真1:床の養生が壁まで届いていないため、床の上に塗り壁材が…。

写真1:床の養生が壁まで届いていないため、床の上に塗り壁材が…。

2.ネジ穴の施工ミス

次は、こちらのネジ穴。

下地の工程では壁の表面を平らにしていくのですが、その際、ネジ穴や石膏ボードのつなぎ目をパテで埋めていきます

ところが、すべての箇所をパテではなく塗り壁材で埋めてしまっていました(写真2-1)。

また、ネジが飛び出しているところは、ドライバーでネジを回して収めてからパテを塗る必要があるのですが、それもしてくれていません…(写真2-2)。

左・写真2-1:表面をならすのにパテではなく塗り壁材を。右・写2-2:飛び出ているネジも直さずに上から塗り壁材が…。

左・写真2-1:表面をならすのにパテではなく塗り壁材を。右・写2-2:飛び出ているネジも直さずに上から塗り壁材が…。

3.コーナーテープの不備

お次は、コーナーテープ

コーナーテープは、部屋の角を補強するために取り付ける下地パーツの一つ。言うまでもなく、部屋の角にぴったりと貼るのが正しい施工方法です。

それが、ゆがんではがれていたり、隙間が入ってパカパカになっていたり(写真3-1)。

場所によってはラウンドコーナーになっているところも(唖然)(写真3-2)。

左・写真3-1:角を強化するためのテープが浮いています。右・写真3-2:角いなっていないコナーテープ。

左・写真3-1:角を強化するためのテープが浮いています。右・写真3-2:角いなっていないコナーテープ。

4.施工手順の間違い

続いては、石膏ボードのつなぎ目。

石膏ボードのつなぎ目は、ファイバーテープというメッシュ状の補強材を貼ってからパテで平らにする必要があります。

ファイバーテープは、地震時など振動によるつなぎ目のひび割れを防ぐ大切なアイテム。左官屋は寒冷紗(かんれいしゃ)と呼んでいました。

それがファイバーテープを貼り忘れたのか、塗り壁材の上からファイバーテープを貼るという荒技。これではファイバーテープの効果は期待できませんよね…(写真4)。

写真4:ファイバーテープ、パテ、塗り壁という順番で施工されるはずが…。

写真4:ファイバーテープ、パテ、塗り壁という順番で施工されるはずが…。

5.下地が完成する前に塗っている

最後がこちら。

下地が完成していない状態で塗り壁材を塗りはじめている箇所があちらこちらに

写真の箇所はコーナーテープをしっかり貼り付けないまま塗り壁材を塗ったため、コーナーテープが上に追いやられてたわんでしまっている状態です。

そもそも、コーナーテープにもファイバーテープを貼ることになっていたはずなのですが…(写真5)。

こうなってしまうと修正も難しいのでは(呆然)。

写真5:下地の完成していない状態であちらこちらに塗り壁材が塗られています。

写真5:下地の完成していない状態であちらこちらに塗り壁材が塗られています。

明日、現場検証

まさかの展開に頭が混乱状態ですが、ひとまず建築士さんに状況を連絡。明日朝一で左官屋と一緒に現場検証することになりました。

どうしてこうなったのか、現場で何が起こったのか。

次回、修羅場と化した現場から続きをお届けしたいと思います。

読者アンケート

この記事の感想

※コメントはイエマガ内で掲載させていただく場合がございます。

性別

年齢

ニックネーム

分離発注とハーフセルフビルドで一覧に戻る

連載記事

連載一覧を見る

PAGE TOP