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2022.12.21
【執筆者プロフィール】
まっしん はやぶさ さん
関西から関東に転職を機にお引っ越し。関西で暮らしていた分譲の戸建ては賃貸に出すものの、住宅ローンの支払いは赤字に…。さらに関東での家賃も加わって…。
それならば!と、二軒目の家を建てることに。住宅ローンをできるだけ抑え、かつ、土地も建物も満足のいく家づくりに挑戦されました。コストを抑えるコツ、納得のいくまで調べられた知識をこの連載にまとめていきます。
https://blog.kisekinomyhome.com/
イラスト:天野勢津子さん
https://amachakoubou.com/
ライフスタイルの変化で電気料金が激増!
わが家は入居6年間、リビングのエアコン1台で過ごしてきたのですが、決して高断熱・高気密の住宅という訳ではありません。
子どもたちが小さい頃は、家族全員がほとんどリビングで過ごしていたので、寒いのは寝る時だけのため、各自布団を厚くしたり、電気毛布を使うことで、なんとかやり過ごしていました。
ところが、長男が大学生になって自分の部屋に籠もるようになり、電気料金が激増して驚きます。
犯人はセラミックファンヒーター!?
足元が寒いだろうと、小さなセラミックファンヒーターを長男の部屋用に導入した2019年12月。電気代が前年の9,934円(税込)から、14,399円(税込)と、4千円以上もアップしたのです。
悲しいのは、これだけ料金がアップしても、温まっているのは長男の部屋だけで、2階の廊下はもちろん、他の部屋は寒いままであることです。
そこで、どうせ電気代が増えるならと、以前から気になっていた、エアコン暖房を24時間つけっぱなしにして家全体が温まるかどうかを試してみました。
わが家の断熱仕様とエアコンおさらい
今では、エアコン1台で家まるごとを暖房できる家や、全館空調システムを備えた家の選択肢がたくさん出てきていますが、いずれも高気密高断熱を前提にしていることがほとんどです。
わが家の場合、10年前に一般的だった断熱等級4という断熱性能で、UA値では0.87相当のため、今ではとても高断熱とは見られません。
しかも、一階のリビングに設置した14畳用のエアコン1台で1階と2階を温めようというのですから、無謀ですよね。
そんなわが家の断熱仕様とエアコンの性能をおさらいすると次のとおりです。
●壁:現場発泡・硬質ウレタンフォーム「アクアフォーム 80mm」
●天井:高性能グラスウール「アクリア14k 155m」(一部DIYで二重に強化)
●床下:押出法ポリスチレンフォーム「ミラフォーム 65mm」(DIY隙間埋め強化)
●サッシ:アルミサッシ DuoPG(隙間埋めDIY)
●ガラス:Low-E ペアガラス(高断熱タイプ)
暖房能力は5.0(0.9~7.2)kWで、2010年度の通年エネルギー消費効率で4.7という仕様の14畳エアコン1台で挑みます。
結論! 14畳用エアコンでも十分家全体を暖められた
この24時間暖房を試したのは、2019年1月30日の夜からのため、極寒のピークを過ぎた後ということを考慮する必要がありますが、十分2階を快適な温度まで温めることができました。
18〜21度前後の室温は、部屋によっては薄着だと少し肌寒いことがあるものの、少し着込んで調整するのが苦にならない家族なので、わが家の場合、それぞれ少し着込んで調整できるこのくらいで、家のどこにいても十分快適と感じられる室温になりました。
何より朝が快適になりました。
24時間暖房をする前は、寒くて布団から出るのが億劫なことがありましたが、寒くないため朝の身支度や着替えもはかどります。
こんなことなら、もっと早くやっておけばよかったと思いましたが、一点だけデメリットがあります。
それは、室内が激しく乾燥することです。
一応リビングに加湿器が一台あるのですが、家全体の湿度を調整するには、容量が足りません。洗濯物の室内干しなどで、湿度を補ったりしているつもりですが、朝方喉が痛くなるぐらい乾いていることが何度かあったので、注意が必要です。
内窓を付けてからのほうがなぜか2階が温まらない
実は、2019年の翌年は、24時間暖房をせず間欠運転で乗り切り、2年ぶりの2021年に24時間暖房を実施しました。1階と吹き抜けに内窓を設置した(第57回)効果を試したくなったからです。
さぞかし、より家の中が全体的に暖かくなるだろうと思ったところ、思わぬ結果に…。なんと、2019年に24時間エアコン暖房をした頃よりも、あきらかに2階の温まり方が弱いのです。
不思議なのは、1階の室温は変わらず、むしろ和室は2019年よりも、よく温まっているのに2階が温まらないことです。
2階がなかなか18度以上に上がらないので、朝の快適さが下がってしまいました。内窓を付けたことで、より温かくなるのを楽しみにしていただけに、かなりショックです。
確証はありませんが、1階のリビングに局所的に付けた内窓の断熱効果が裏目に出たのかも。1階の熱が逃げにくくなり、エアコンが十分温まったと誤解して、暖房運転を緩めているとしたら、ありえそうです。
実際、2度目の2階を中心とした内窓増設を行なったところ、2019年と同じように2階も温まるようになったので、その可能性が高いと思います。
家全体を一つの空調で冷暖房するには、断熱性能の部屋ごとのバランスが崩れないことも重要なのではないかと思います。
次回は、この24時間暖房がどのような電気料金になったのかをご紹介したいと思います。