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2022.06.15
【執筆者プロフィール】
まっしん はやぶさ さん
関西から関東に転職を機にお引っ越し。関西で暮らしていた分譲の戸建ては賃貸に出すものの、住宅ローンの支払いは赤字に…。さらに関東での家賃も加わって…。
それならば!と、二軒目の家を建てることに。住宅ローンをできるだけ抑え、かつ、土地も建物も満足のいく家づくりに挑戦されました。コストを抑えるコツ、納得のいくまで調べられた知識をこの連載にまとめていきます。
https://kisekinomyhome.blog.fc2.com/
イラスト:天野勢津子さん
https://amachakoubou.com/
シロアリ防除施工保証満了のお知らせ
入居5年目に、新築時のシロアリ防除施工の保証満了のお知らせが届きました。
はじめてのメンテナンスのお知らせに、まるで新築気分は終了と通告されたかのような寂しさを感じてしまいました(笑)。
1軒目の建売では、まったく無頓着だったのですが、今回の家は長く安心して暮らせるよう、しっかりメンテナンスしていきたいと思っています。
今回は、そんな新築入居後のメンテナンス事始めとなる5年目のシロアリ防除施工の検討と実際の施工の様子をご紹介します。

とうとうこの日が来たと、はがきの保証満了日を見て少しびっくり。わが家は、平成24年8月25日が引き渡しですが、新築時のシロアリ防除施工日は平成24年6月7日でした。すっかり、引き渡しから5年間の保証と思い込んでいたのですが、シロアリ防除施工の保証は施工日から5年間という考え方だったようです。
施工会社によって、ルールは異なると思いますが、誤解しているとわが家のように2カ月以上も保証満了が前倒しになったと慌てることのないように、事前によく確認しておきましょう。
気を付けたい3種類のシロアリ
5年目を迎え、シロアリ防除のことを調べはじめて驚いたのが、実はシロアリは1種類ではなかったことです。
しかも、新築時に施されたシロアリ防除処置では防ぐことができない種類のシロアリまでいることが分かりました。シロアリ防除は、建築基準法で定められているから安心と完全に思い込んでいたのですが、この5年間も万全ではなかったと言えます。
一般的にイメージされる、浴室の土台などの湿気の多い場所の木材を好むのはヤマトシロアリです。イエシロアリも湿気を好みますが、自分で水を運んで湿らせることができるので、乾燥した柱などにも被害が及びます。この2種類のシロアリは、床下の薬剤処置で防ぐことができます。
しかし、アメリカカンザイシロアリは、飛来や輸入家具の木材の中に潜んで侵入するため、床下の薬剤処置だけでは効かないのです。
わが家は、輸入家具は利用していませんが、飛来してきたアメリカカンザイシロアリが、屋根裏の乾いた柱をかじるということもあるそうなので恐ろしいです。ちなみに、乾いた木材を食害するシロアリを「乾材シロアリ」と括って呼ばれることもあるようです。

日本で生息する主な3種類のシロアリです。風通しが良く、木材が乾燥していればシロアリの被害を受けにくいと思っていたのですが、それはヤマトシロアリからのイメージだったようです。
業者は施工方法と保証で比較
シロアリ防除の見積もりは、新築時に施工してくれた業者A、低価格に感じた新聞折り込みチラシを取っておいた業者B、ネット検索で見つけた低価格で日本全国受付が売りの業者Cの3社に依頼しました。
信頼している工務店が選んだ業者Aは、もっとも安心感できると期待していたのですが、浴室の人通口を塞いでいる断熱材を取り外すと元に戻せないと言われたのが、決定的な断る理由になりました。致命的な断熱欠損 (第62回)になるのは明らかだったので、シロアリ防除の施工内容以前の問題です。

業者Aには、浴室人通口の基礎断熱材を切り取って、そのまま開け放してしまいましょうと言われて唖然としました。
理由は、気密テープなどで貼っても、すぐ取れる上に、開けておいても断熱性能に大差ないという説明だったのですが、とても納得できません。

業者任せでは不安となり、自ら断熱材を切り取り、付け外しができるように加工しました。ちょっとした工夫で、すぐに外れないようにできました。
さらに、予想外の施工方針に驚いたのが玄関まわりです。玄関土間部分は、床下のような空間がなく、直接土台に薬剤に散布することができません。
そこで、業者Aからは、シューズボックスの内側から壁に穴を空けて薬剤を注入、また、玄関土間のタイルの目地に穴を空けて、薬剤を注入すると説明を受けました。
この方針は、業者Bと業者Cで少しずつ異なりました。
まず、業者BとC共にシューズボックスの裏側からではなく、外壁面から穴を空けて薬剤を注入するとのこと。業者BはAと同じく、玄関土間はタイルの目地に穴を開けて薬剤を注入、業者Cは玄関土間部分は、わが家のベタ基礎の場合、真下が土ではなく厚みのあるコンクリートなので、土間への薬剤注入は不要とのことでした。

黄色い玄関土間とポーチ部分が土間コンになっているため、赤と青の部分の土台に床下から薬剤を散布することができません。赤い部分が、業者によって室内からか室外からで方針が分かれた部分です。

シューズボックスが面する壁の土台部分は、床下から薬剤を入れらないため、業者Aではシューズボックスの奥から穴を開けて壁に薬剤を注入する方針でした。
業者BとCは、外壁面から穴を空ける方針でしたが、室内から施工したほうが、防水面などを考えると良い方法だったかもしれません。

業者AとBでは、玄関土間とポーチ部分の目地に穴を開けて薬剤を注入する方針でした。
業者Cでは、ここは分厚いコンクリートがあるため不要とのことでしたが、万一被害があっても保証が付くとのことで安心です。
見積金額
業者Bは、チラシの価格が61,000円(税抜)と最も安かったのですが、ほかの業者と異なりイエシロアリの防除が含まれていません。玄関土間の薬剤注入と、イエシロアリを含めると、最も高くなってしまいました。
さらに、施工後にシロアリの被害があった場合に、無料の再施工をしてもらえるものの、金銭的な損害補償をしてもらえるのかどうか不明です。

各業者の見積内容の比較表です。
他社では何かと理由を付けた増額で高くなるので注意と言ってた業者Bが、同等条件で最も高くなったのが皮肉です。
アメリカカンザイシロアリの防除は、全く従来の施工方法と異なるため、いずれも施工・保証共に提案がなく、今回は見送ります。
そこで、わが家は最終的に業者Cに依頼することに決めました。最も安い金額で、ヤマトシロアリもイエシロアリも含まれていながら、300万円の賠償保険か入っていることも重要な条件ですが、玄関土間の件など、わが家の建物の構造や仕様をしっかり理解していただいた上での納得感のある施行方針だったことも決め手です。
工事当日…断熱材に薬剤は浸透する?
工事当日、私は、直接土台を狙って外壁から穴を開けて、薬剤を注入すると思い込んでいたのですが、業者Cでは、通常土台から1mぐらい上の高さに穴を開けて薬剤を注入するとのこと。
このほうが、シャワーのように広く染み込んで土台に薬剤が降り注がれることと、大切な土台にはなるべく穴を開けないほうがよいという理由でした。
確かに土台に穴を開けないほうが良いのは納得なのですが、わが家の断熱材は、現場吹き付け硬質ウレタンフォームのアクアフォームです。1mも上から薬剤を注入しても、発泡スチロールのように固まったアクアフォームに薬剤が浸透して土台まで届くとは思えません。
業者Cに、その心配を口頭で説明しても、なかなかうまく伝わらなかったのですが、スマホに残っていた、わが家のアクアフォームの詰まった壁の写真を見せてようやく理解してもらうことができました。
1m上の高さで注入するのは、やはりグラスウールなどの繊維系断熱材の場合が前提だったようです。
そこで、薬剤が届くように土台のすぐ上の高さに調整して無事施工してもらえたのですが、シロアリ業者さんには断熱材の仕様を伝えて、施工方法に問題がないかよく確認しておくことをおすすめします。

2階の写真ですが、わが家の外壁にアクアフォームがびっしり詰まった写真です。この状態で、1mの高さから薬剤を注入して土台まで浸透するのは難しいでしょう。
この写真があったおかげで、シロアリ業者さんにもすぐに理解していただくことができました。

玄関横の袖壁部分にも薬剤を注入します。
土台の真上ぐらいの高さに合わせて、サイディングの目地部分に穴を開けてもらいました。
仕方ないとはいえ、お気に入りの外壁に穴を空けるのは、ちょっとためらいを感じますね。

空けた穴から薬剤を注入した直後の様子です。これだけ流れ出ていれば、しっかり土台にも浸透しているでしょう。

空けた穴は、塞いで着色してくれたのですが、色付きの外壁のほうが少し補修痕はわかってしまいますね。
白いシンプルな外壁のほうが、色合わせもしやすく補修痕が目立ちにくいのかもしれません。あまり穴を増やしたくないので、10年目もなるべく同じ穴を使ってもらえるのであれぱ、むしろ位置がわかる状態のほうがよいかもと前向きに考えるようにします(笑)

施工完了後に発行された損害賠償保証書です。
業者Bのように、保証といっても無料での防除施工だけで、シロアリによる被害の保証が付いていないこともよくあるようです。
わが家の場合、300万円の損害賠償責任保険が付きました。
ヤマトシロアリとイエシロアリのこともしっかり書かれており安心です。
ところで、よく見ると、この記事が公開される頃には、ちょうど10年目の再施工の時期ですね(苦笑)