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2021.09.22
【執筆者プロフィール】
ichigo(草彅 直子) さん
元々は、片付けも掃除も大の苦手。そんな私も結婚を機に、家事・掃除の手間を減らす収納、またものを置きっぱなしにならないような仕組みを考えるようになりました。
現在は、整理収納アドバイザー1級を取得し、個人宅へ整理収納サポートに伺ったり、自宅でお片づけレッスンを催したりしています。
HP「楽しむ暮らしラボ」:https://enjoylifelab.net/
ブログ「ぽかぽか日和」:https://pokapoka-biyori.blog.jp/
前回から読者さんからのお悩みにお答えしています。今回はキッチン。暮らしの中心ともいえるキッチンには、食品だけでなく家電から雑貨、消耗品など多種多様なものが集まり、増減が一番多い場所です。そんなキッチンの「もの選び」について見ていきます。
【お悩み】
ついつい便利そうで新しい流行のキッチン家電を買ってしまいます。無計画に買わないようにはしているのですが…。
キッチンがすっきりしたら、気持いいだろうなと思っているのですが、調味料などもついつい新しい物を買ってしまいます。食器も、たまに衝動買いしてしまうので、置き場所に困っています。
使いやすい場所の確保
「キッチン家電をついつい買ってしまう」という読者さんのお悩み、すごくよくわかります。わが家でも過去にありました。夫の希望で加熱調理できる高機能ミキサーを買ったのに、使いこなせず長い間ホコリをかぶっていたのを思い出します。それで得た教訓は、
①すぐ使える場所にないと、使わなくなる
最近のキッチン家電はコンパクトになってきているとはいえ、それなりにスペースが必要です。それまでなかった家電こそ、すぐ使える場所にないと暮らしに馴染むことはありません。カウンターや出し入れしやすい場所にスペースを確保できずにしまい込んでしまうと出番はめっきり無くなります。
家電を買う時は(家電以外のものも)必ず先に使いやすい場所に十分なスペースがあるか確認します。
得る便利と増える手間
②料理~後片付けまでの無くなる手間と増える手間を比べる
便利家電は「○○するだけで完了♪」なんて謳い文句でとても魅力的に映りますよね。でも、無くなる手間があれば増える手間もあります。
実際、わが家の高機能ミキサーは料理はとても手軽になり時短になりましたが、後片付けが面倒に感じるようになりました。使う場面を想像しながら最初から最後までの手間を確認して、本当に全体的にラクになるのか見極めが肝心です。
長く愛用することができるか
③便利家電があってもつくる料理は変わらない
私の経験ですが、便利な調理家電って買ったばかりの頃は嬉しさと珍しさで料理のモチベーションがあがって、付属のレシピに挑戦したりしますが、3カ月も経たないうちに元のメニューに戻り出番が減ることが多いです。
それほど、それまでに無かったものが暮らしに溶け込むのは難しいものです。家電に自分を合わせるのではなく、今の自分の暮らしに合っている家電を選ぶことが大事なのだと思います。
現在、わが家では夫から「電気調理鍋を買いたい」と言われていますが、私がずっと保留しています。もうカウンターにスペースはないし、毎日使う炊飯器でさえお手入れが面倒だと感じるほどなのにそれ以上に洗うパーツが多いとなると増える手間も気になります。もし購入検討するとなっても、まずはレンタルで試してからかなと考えています。
家電に限らず、食器やキッチン雑貨を買うときに考えたいことが他にもいくつかあります。
④求める条件と優先順位を整理する
例えば、計量カップをひとつ買うにも
・容量
・素材(割れにくい・食洗機に入れられるなど)
・サイズ
・収納場所
・使いやすさ(メモリの見やすさ・持ちやすさなど)
・洗いやすさ
・デザイン
など、具体的にどんなものが欲しいのか、どの条件を優先するのかをしっかり検討してから選ぶようにすると、買い物の失敗が減り、無暗にものが増えていくこともありません。
⑤100均のお買い物は要注意
ものが溢れたキッチンでよく見かけるのが、100均ものです。SNSなどで紹介されていたかわいいもの、便利なものを真似して買ってきたけど、結局使わないまま場所だけ取っているという状態。
安いのでついつい気軽に買ってしまいますが、100均はすぐに飽きてしまうものも多く、家に入れるのは簡単ですが使い切る、処分するのは難しいものです。「自分の暮らしにあったものを選ぶ」「買ったらすぐ使う」がポイントです。
⑥○○専用は避ける
「○○専用」は言い換えれば、「○○にしか使えない」ということ。その使用頻度にもよりますが、「あったら便利は無くても平気」「特化型よりマルチに使える」もの選びでスッキリとしたキッチンが見えてきます。
場所と手間と時間に見合うものを
家の中をすっきり暮らしやすく保つには、ものの循環の仕組みをつくることが大切です。そのためにまず、入ってくるものを厳選する必要があります。ものを増やせば増やすほど、場所、管理の手間と時間をとられます。得られる便利にその3つを割くだけの価値があるのか、自分なりのバランスを大事にして、もの選びの目を鍛えていってくださいね。
長くなってしまったので、ついつい増える調味料のお悩みは次回冷蔵庫の収納のお話と一緒にお答えできればと思います。