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2022.11.16
【執筆者プロフィール】
やっこ さん
30代の主婦であり、エンジニアとして働く会社員でもある。2014年に、1階にご主人の両親、2階にやっこさんご家族(ご主人+男児2人)が暮らす二世帯住宅を建てる。
家づくりの完成までの記録にとどまらず、完成後には図面では解らなかった使い勝手・デザインへの感想、また使いやすくするための細やかな工夫等の情報を公開し、新築を検討中の人たちに人気のブロガーさんです。
押し入れサイズの大容量クローゼット
わが家には、納戸やウォークインクローゼットのようなウォークイン系の大型収納がありません(間取りの都合やスペース効率を考慮して諦めたという経緯があります)。
とは言え、シーズンオフの家電や五月人形、クリスマスツリーなどの嵩張るものを収納できる場所は必要ということで、リビングの一角に壁一面のクローゼットを設置しました。
幅は170センチ、奥行きが80センチ。サイズ感はクローゼットと言うより押し入れに近く、かなりの容量があります(一般的な衣類収納用クローゼットは奥行き60センチ程度、押し入れは奥行き80センチ程度です)。
大容量、かつ、日々長時間過ごすLDK内にあることから、このリビングクローゼットには、たまにしか使わない嵩張るものだけでなく、日常的に使う細々したものも収納したいと考えていました。つまり、リビングはもちろん、家全体をスッキリさせるためには、この収納を無駄なく使いやすく活用することが肝要だったと言えます。
ただ、大容量の収納は何でも詰め込める分、「使いやすく整えよう」というモチベーションが湧きにくく、乱れた状態を放置しがちというデメリットもあります。
わが家でも入居後かなり長い間、無秩序にものを詰め込んだだけの状態が続きました。
その当時の収納内がコチラ。
手の届きにくい上方の段に五月人形やクリスマスツリー、アルバムなど。出し入れしやすい中段付近は文房具や衛生用品といった日用品。そして最下段はシーズンオフの衣類や家電、といった感じで何となくゾーニングはしていたものの、基本的にはただ詰め込んでいるだけ。
特に細々したものを置いている中段付近は棚の手前側しか使えておらず、せっかくの大型収納を十分に有効活用できているとは言いがたい状態でした。
奥行きを活かす使い方に変更
一念発起して整え始めたのが、入居後3年ほどしてからだったと思います。
かなりのものを処分し、収納用品も吟味して購入し、整えた状態がコチラ。
見た目はそんなに変わらないのですが、「奥行きを使い切る」ことを目指し、
①棚は奥と手前を分けて考える
②奥まで使える収納用品を選ぶ
という点を意識して整えていきました。
①の観点で整えたのが中段の上側の棚。同じボックスを前後に並べて置いています。
手前のボックスは、車・住宅関連の書類やケーブル類、散髪グッズなど、それなりの頻度で出し入れするものをカテゴリごとに分けて収納。
奥のボックスは、建築時の図面や保険証券など、保管しておく必要はあるものの滅多に見ない書類の置き場所に。たまに出し入れする場合も、手前のものをボックスごとどかせばすぐに取り出せます。
②の観点で整えたのは、中段の下側の棚。ここは当初旧居で使っていた奥行きの浅い引き出し収納を置いていましたが、奥行きのある引き出し収納に買い替えました。
数も増やして、電池や文房具、絆創膏や塗り薬など、細々した雑多なものたちをきちんと分類して使いやすく収められるように。ラベリングもして家族全員が分かりやすいようにしています。
また、元々最下段は奥行きの深い衣装ケースを使って奥まで有効活用できるようにはしていましたが、隙間に入れていたボックス類は床に直置きだったため、それらもキャスター付き台に乗せて出し入れしやすいように(③)。
子どもの衣類も収納
結果的に、嵩張るものも細々したものも取り出しやすくなり、格段に使いやすい状態となりました。この状態で4~5年ほど使ってきましたが乱れることもほぼありません。
これが最終形!と考えていましたが、とある事情により、最近また使い方を一部変えることとなりました。
実は数年前、わが家に3人目の子が誕生しまして…その第三子の成長に伴い、衣類を収納するスペースが必要となったためです(ベビー期はリビング内の置き家具の引き出しに収まる程度の衣類でした)。
子ども部屋は2人兄弟仕様のため、現状では第三子の専有スペースはありません。共有スペースであるリビング内に衣類置き場を確保するしかないということで、このリビングクローゼットに白羽の矢が立ちました。
再びかなりのものを処分し、収納方法を熟考し、たどり着いた現在の状態がコチラ。
中段の一角をまるごと衣類収納スペースにしています。
使っているのは押し入れ用のハンガーラック。奥は収納棚になっており、これひとつで「奥と手前を分けて使う」が叶う優れものです。
当初全く想定していなかった使い方なのですが(入居時に第三子誕生の予定はなかったので)、大型収納がリビング内にあったことで、使い勝手の良い衣類収納スペースが完成しました。
自由度の高い大型収納だったからできたことで、用途を定めて細部まで作り込んだ収納だったらこうはいかなかったと思います。
コンパクトな引き出し収納や用途が限定される本棚などと異なり、大型収納は自由度の高さゆえ、生かすも殺すも使い方次第というところがありますよね。わが家も当初はうまく使いこなせず、少し失敗だったかなと思ったこともありました。
が、こうして使い方を変遷させていく中で、
・よく考えてカスタマイズすれば、暮らしにピッタリとフィットして使いやすくなること
・自由度が高い分、生活スタイルの変化に柔軟に対応していけること
という点は、作り込まない大型収納の大きなメリットだったなと実感しました。
収納内部の最適解は暮らしながら試行錯誤で探っていくしかなく、家が完成してすぐに収納も完成!とはいきません。しかし、それを整えていくこともまた、家づくりの醍醐味のひとつかなと感じられるようになってきた今日この頃です。