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2022.09.28
前回に続き、屋根裏部屋(小屋裏収納)における制約についてまとめていきます。
前回は、一般的に「物置」に必要がないと考えられるものを設置することへの注意点をまとめましたが、今回は、「意図的に小屋裏空間をつくる・広くすること」についての制限を調べました。
大屋根を利用した下屋裏収納
ダイナミックで、ひときわ目を引く大屋根は、ワンランク上の上質感を演出してくれる外観の魅力がありますが、下屋裏収納の確保も期待できます。
ただし、大屋根のつくり方によっては、階と見なされない屋根裏収納として認められない場合があるので注意が必要です。
どのような大屋根の場合に認められないのかを、明石市の条例で見てみましょう。本来、下屋をかけられる屋根ラインよりも上に大屋根を伸ばした場合、意図的に屋根裏スペースをつくりだしたと判断されてしまうようです。
1階部分にかかる屋根が1階の天井よりも不自然に高い位置になっていることが特徴です。この場合は、階と見なされない屋根裏収納と認められません。
反対に、大屋根による下屋裏収納が、階と見なされない小屋裏収納と認められるケースは、愛知県の条例で確認できます。一見、明石市の事例と似ていますが、1階部分にかかる屋根が、1階天井の高さまでかかっているため、意図的に屋根裏スペースを作り出したことにはなりません。
余剰空間を利用する前提の小屋裏収納は、基本的に同様の考え方となりますので、明石市や愛知県のような条例の詳しい説明がない建築地域でも、大屋根と下屋裏収納を計画している場合は注意しましょう。
※どちらの場合でも、横から入れるスペースは収納と認めないという都市もあります。前回を参照ください。
そのほかの屋根・天井に関する規制
そのほかにも、多くの地域で制限されている屋根の仕様を挙げますと、小屋裏収納を広げるための「束立て」も、認められていません。こういったわざとつくりだした空間は居室として取り扱われてしまいます。
束立て以外にも、屋根の形状を小屋裏を広げるために変えた場合も、同様の扱いになります。
また、リビングに吹抜けを計画されるお家も多いと思いますが、吹抜けは1階部分しか床面積に算入されません。その計算上、存在しない床の上につくる収納も小屋裏空間と不適切とされると条例に明記されている地域もあります。
吹抜けも小屋裏収納も採用されたい場合は、設計の段階で業者に相談して、両立できるプランを考えてもらいましょう。
制約がたくさんあって、設計時に壁にぶつかることもあるかもしれませんが、それでもやはり、収納が増えること、また、床面積に算入されない、小屋裏収納はやはりお得なスペースです。実現できるよう、じっくりご検討ください。