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2021.01.27
屋根裏部屋を立体的に認識する
これまで、さまざまな屋根裏部屋の事例や利用シーンをご紹介してきましたが、「屋根裏部屋の間取り」と言われるとイメージができますでしょうか?
大抵、屋根裏の余剰空間に、階段やはしご等の出入り口をつけるだけと思われがちですが、実は立体的に捉えることで、意外な工夫のヒントがみつかることを、今回は見ていきたいと思います。
出入り口と通路の付け方
同じ床面積の屋根裏収納でも、出入り口の位置で収納力が変わります。収納スペースを重視した屋根裏収納を計画する場合は、特に注意しましょう。
収納力は床だけでなく、壁の面積でも決まりますが、これは屋根裏収納でも同様です。
壁際に出入り口が面していると、壁に沿って移動が必要なため収納として使えるスペースが減ることがあります。こんな時は、出入り口を中央に配置してまっすぐ通路を取ることで両側に無駄なく収納スペースを確保できます。
ただし、これは幅が狭く奥行きが長い屋根裏部屋に限る考え方になります。
異なるレイアウトの屋根裏部屋の場合でも、あらかじめ、どこに何を置くかをイメージして、出入り口と通路のスペースが適切かどうかをチェックしておきましょう。
屋根裏の余剰スペースや階段の位置の都合から、なかなか思い通りの位置に出入り口を計画するのは難しいですが、屋根裏収納の使い勝手を見比べる視点としても活用できます。
屋根裏収納のゾーン分けを考える
さまざまな屋根裏部屋の活用例(第11回)を知れば知るほど、用途を絞り込めなくて悩む人も多いのではないでしょうか?
入居後に便利な収納として計画性なく荷物をどんどん搬入してしまうと、あっというまに先々に使えるスペースがなくなってしまうかもしれません。
そんなときは、屋根裏空間のゾーン分けを意識してみてはいかがでしょうか。
一般的には、屋根裏収納は1部屋と思われがちですが、工夫次第に空間を分離して利用しやすくレイアウトできる場合があります。
例えば、長方形の屋根裏空間の中央に固定階段が配置出来る場合、階段に壁を付けることで、空間をゾーン分けすることができます。階段の入り口が中央にありますので、片方の空間が荷持でいっぱいになっても、もう片方の空間を自由に利用することができます。
逆に、同じプランでもあえて壁を付けなければ、広々とした一つの空間となります。
このように、平面図では同じに見えても、使い勝手が大きく変わる壁等の立体構造の確認を必ずしておきましょう。
さて、次回はロフトタイプの屋根裏部屋に固定階段を設置するプランを検討したいと思います。