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2020.11.18
【執筆者プロフィール】
やっこ さん
30代の主婦であり、エンジニアとして働く会社員でもある。2014年に、1階にご主人の両親、2階にやっこさんご家族(ご主人+男児2人)が暮らす二世帯住宅を建てる。
家づくりの完成までの記録にとどまらず、完成後には図面では解らなかった使い勝手・デザインへの感想、また使いやすくするための細やかな工夫等の情報を公開し、新築を検討中の人たちに人気のブロガーさんです。
今回のテーマは、時間を家の完成前に戻して、工事現場でのアレコレについてです。
わが家は、工場で生産した箱型ユニットを現場で組み合わせる「ユニット工法」を採用しているハウスメーカーで家を建てました。
工場から現場にユニットを運んで組み立てていく「据え付け」の様子については以前書きましたが、今回はその後の工事現場の様子や、工事現場で気付けたこと、残念だったことなどを書いてみたいと思います。
ユニット工法では、ユニットの据え付けが終わった段階で家の外観はほぼ完成状態なので、気分的には「あれ?1日でもう家ができちゃった!!」という感覚になるのですが…。
もちろん完成しているのは外観のみで、家の中は未完成の状態です。
壁も床もむき出しで、ユニットの継ぎ目はまだ断熱材が見えています。工場内では最低限の配線は終えているものの、至る所からコードが飛び出していたりとまだまだ完成までは程遠いですね。
これから使われる資材が山のように積まれていたこともあり、初めて内部を見たときは、あまりに狭々しく感じて少々落ち込みました…。
ここから大工工事が始まり内装工事を経て完成に至るわけで、この据え付け以降の流れは、他の工法での家づくりとほぼ同じではないかと思います。
ただ、工場内で完了している工程も多いため、現場での工事期間が比較的短いことはユニット工法の特長と言えるかもしれません(わが家の場合は工事期間2カ月でした)。
この工事期間2カ月のうち8割以上は大工工事の期間で、壁ができたり、作り付けの棚や収納が設置されたり、と進んではいたのですが、素人目で見ていると「いつまでも『家』っぽくならないな~」というのが正直なところでした。
引渡し日が近づいてきてもずっとむき出しの状態が変わらず「あれ?これほんとに予定通りに引渡しできるの?」とこちらが焦ってしまったくらい。
見た目がダイナミックに変わっていったのは、フローリング貼りが始まった引渡し2週間前。
さらに、引渡し1週間前にはキッチンや洗面台などが設置も完了し、壁紙貼りも始まって建具類もどんどん設置されていき、引き渡し2日前に訪れると、急に「家」になっていました!
家づくりの過程の中で、一番興奮したのはやっぱりこの瞬間だったと思います。
ずっと図面上で目にしていたものが「家」として形になっているのを見ると、工事期間中「ここは失敗だったかなぁ」などとウジウジ悩んだことも一気に吹き飛んでしまうくらいの喜びがありました。
工事中は暗く狭く感じがちだった空間も、資材が完全になくなり、さらに白い壁紙が貼られたことで、ずいぶんと広々スッキリ見えるようになり、満足度もグーンと爆上がり。むき出しの状態からでき上がっていくのを見ていたからこそ、家への愛情も増したと言えるかもしれません。
ちなみに工事期間中、現場を見に行った頻度は週に1回でした。旧居から建築現場まで1時間半の距離があったために週末しか工事現場を見に行けず、回数としてはあまり多くなかったのですが、それでも見に行ったからこそ気付けたことがいくつかありました。
1つは、和室の収納内の棚板位置。和室にはこんな吊り押し入れを設置しています。
この押し入れ内の下段の棚の位置が、工事中はずいぶん高い位置に設置されていました。
当初、大工さんが作業台にするために仮で高い位置につけているのかと思い、特に何も指摘しなかったのですが、扉が設置され内装工事直前になってもこのままで…。
さすがに不安に思い大工さんに聞いてみると「これはこの位置で正しいですよ!!」とまさかの答えが。
どうやら吊り押し入れではない、一般的な(床から天井までの)押し入れと勘違いしていたようで、営業さん経由で確認・修正依頼をして引渡しまでに無事に低い位置へと修正されました。
エアコン用のコンセントは、標準ではエアコンの下に設置するという仕様で、結構目立つ位置だったのですが、これがどうしても気になり、検討終盤にすべてのエアコンの真上に設置するよう変えてもらっていました。
が、現場に行ってみると、標準であるエアコンの下部分にコンセント用のくり抜きが…。コンセント位置の変更はちゃんと伝わっていなかったようで、こちらも申告して無事予定通りの位置に変えてもらいました。
検討終盤にバタバタと追加や変更した内容は、現場の大工さんまで伝わっていなかったりすることもあるので、より注意が必要だなと思ったポイントでした。
一方で、工事中に気付いたものの、タイミングが遅すぎて流してしまい後悔しているカ所も。
2階キッチン横の壁に設けた、マグネットクロスを貼ったニッチとマガジンラックです。
よく見ると、壁面の中央ではなく左に寄って設置されているのが分かりますでしょうか。
ここ、図面で検討していたときは壁の幅がもっと狭く、その幅に合わせて中央に来るようにニッチとラックのサイズと位置を設計していました。が、工事中に現場の監督さんの判断で、キッチンカウンターの端に合わせて壁の幅を伸ばしていたのです。
伸ばしたことでキッチン側からはキレイに揃ったのですが…。ニッチとラックは何だか不自然に左に寄った状態で置いてきぼりになってしまいました。
わが家の場合、階段がなかなか設置されなかったため、2階に上って確認できたのは工事期間も半分以上過ぎてからで、このことに気付いたときには既に造作は完了している状態でした。
(当然ながら大工さんは脚立で上り下りしていましたが、施主は安全上の観点から許可されませんでした。)
少々疑問を感じたもののキレイに造作が終わっているニッチとラックを見たら申し訳なくて言いにくくなってしまい…。結局このままの状態で完成となりました。
でも今でも見るたびにちょっと残念な気持ちになっているカ所で、もっと強く主張すべきだったなと後悔しているのです。完成してしまったら直すことはできませんからね。
「見え方」に関する不満点の多いわが家ですが、それがここでも出たというか(玄関の回参照)、壁を伸ばしたときにニッチとラックの位置も変えるとか幅を広げるとか、誰もそういった発想にならなかったんだなぁというのは、やっぱり残念ポイントになります。
とこんな感じで、現場で気付いて事なきを得たことも、気付いてもどうにもできなかったことも、いろいろあった工事期間。
ハウスメーカーによって工事の進め方も工事前にどこまで仕様を固めておくかも違うでしょうし、大工さんの性格や腕前に依存するところもあると思うので、工事現場で気を付けることはコレとコレ!とは一概には言えないですが…ひとつの事例として参考になりましたら幸いです。