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2021.04.28
【執筆者プロフィール】
丁畑仁美
兵庫県西宮市にあるガーデン工事から花の販売まで行う中野農園のガーデンショップ「Orange Berry(オレンジベリー)」の店長。店内では植物の販売に、庭や玄関に飾るオリジナルの寄せ植えを作成。また、植え方、育て方などの相談に答える。人気のハンギングバスケットの講習会も園内にて開催中
・エクステリアプランナー
・造園施工管理技師
・ハンギングバスケットマスター
HP http://orangeberry.net
facebook
https://www.facebook.com/orangeberry8783
前クリスマス用に購入した小さなコニファーのゴールドクレストが年々大きくなり、庭に植え替えたのですが、枯れてきて見苦しい状態になってしまいました。育てやすい品種とかあるのでしょうか。
コニファーは、新梢の伸びる5~6月が最も美しい季節です。コニファーという植物のカテゴリーは、欧米の針葉樹の総称です。
ですから植物全体でみても基本的な大きな分類になり、マツやヒノキ、スギ、イチイ、マキなどの仲間です。欧米ではガーデンセンターの中でもかなりのスペースを取ってオールシーズン販売されています。コニファー専門のガーデンセンターもあり、ありとあらゆる品種のコニファーが用途に応じた分け方で販売されていたりします。
コニファーの魅力はなんといってもさまざまな種類の葉の色と樹形です。青々とした葉を茂らせるコニファー。細長く高く伸びるものだけでなく、球形や横に這うタイプなど種類も豊富です。一年中緑を楽しめるコニファーの魅力を再発見してください。
針葉樹は北欧、北米原産のものが多く、寒さには強いのですが、日本の夏の高温に弱いものがあります。一世を風靡した【ゴールドクレスト】は意外にデリケートで、水切れに弱く、真夏のコンクリート塀の照り返しなどで片側だけが茶色く枯れ込んだり、下葉が枯れて無くなりアイスバーのような形になってしまったものを見かけます。
そこで、【ゴールドクレスト】に懲りたという方にも改めてコニファーを見直していただけるよう、用途別、お勧めのコニファーをご紹介したいと思います。
生け垣・シンボルツリー
【エメラルドグリーン】ヒノキ科のコニファーで、名前の通りエメラルドグリーンの瑞々しい葉色が人気。耐寒性、耐暑性に優れ、とても丈夫。
【ゴールドライダー】メタリックがかった黄金色の葉が魅力。蒸れに強く、耐潮性に優れる非常に丈夫な性質を持つ品種。萌芽力も強く、生垣に適した品種でトピアリーなどにも向く。
【エレガンティシマ】5~6月には鮮やかな黄緑色の新芽が美しい。育てやすく、刈り込みにも強いので樹形を保ちながら生け垣や目隠しとして最適。
【ブルーアイス】マツ科のコニファーで、ブルーがかったシルバーリーフが特徴的。
爽やかな香りで害虫がつき難く育てやすい。5~6月の新梢シーズンはシルバーブルーが鮮やか。
【プンゲンストウヒ】丸い葉先が特徴的で銀白色の葉が美しい。代表的なシンボルツリー。成長が遅いので樹高が高くなるほど価格も高くなる。
球形・低木
【ブルースター】半球形になる、銀青色のこのタイプは珍しい。剪定もほとんど不要のメンテナンスフリー。
【グロボーサオーレア】直径1mほどの球形なる。2~3年に一度刈り込むと樹形を保つことができる。
グラウンドカバー
【フィリフェアオーレア】ヒノキ科のコニファーで、樹高を低めに剪定することでグラウンドカバーとして利用することができる。黄色の細く枝垂れる葉が庭を明るく演出してくれる。
【ブルーパシフィック】ほふく性があるコニファー。成長が早いのでグラウンドカバーに最適。段差のあるところや斜面の演出に向く。似た品種に【バーハーバー】
【ゴールドコースト】新芽は淡黄色で夏は明るい緑の葉が美しい。斜め上方に枝が伸びるが、枝の重さで枝垂れ、一定の高さを保って伸びる。
【マザーローデ】葉は鮮やかな黄金色で、黄金色のコニファーの中では最も低くほふくする。グラウンドカバーに最適。
コニファーは、常緑でメンテナンスの少ない植物です。育てやすい品種もあるので、コニファーの楽しみ方、おもしろさ、美しさをもっと知っていただいて、欧米のガーデンに見るコニファーの演出、素晴らしさを私たちのお庭づくり、鉢植えに有効利用してほしいものです。