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2026.03.25
【執筆者プロフィール】
文・写真:Kikorist
都内で暮らす30代の会社員。家族は妻と双子の娘と猫。2021年秋に住友林業で念願のマイホームを建てました。
【マイホームへようこそ28回】で登場した我が家のこだわりポイントや検討の過程を詳しくお伝えします。
住友林業との家づくりやライフスタイルに関するブログを運営中。 blog https://kikorist.com
日射遮蔽と日射取得
家づくりをする多くの人が、夏は涼しく冬は暖かい家に住みたいと考えているはずです。その快適性を左右する重要な要素が、日射遮蔽と日射取得です。
住宅性能というと断熱性能や気密性能が注目されがちですが、それだけで快適な住まいが実現するわけではありません。
太陽の熱をどのように遮り、どのように取り込むかが、室内の温熱環境を大きく左右するからです。
「夏の遮蔽」と「冬の取得」の両立
一般的な住宅では、夏の暑さの約7割は窓から入る日射熱によるものとも言われています。住宅性能を高めることはもちろん重要ですが、まず窓から入る日射熱を防ぐこと、つまり日射遮蔽を考える必要があります。
一方で冬は、太陽の熱を室内に取り込む日射取得によって暖房エネルギーを減らすことができます。
住宅設計では、「夏は太陽を遮る」「冬は太陽を取り込む」という相反する条件を同時に満たさなければなりません。この日射コントロールを考えるうえで重要になるのが、「窓の方角と軒の長さ」です。
日射コントロールの基本は「南の窓」と「軒・庇」
ポイント【季節の変化が大きい南窓を活用】
日射をコントロールするためには、窓は南面に配置し、東面と西面にはできるだけ設けないことが基本になります。
太陽は東から昇り、南を通って西に沈みますが、季節によって太陽の高さ、つまり太陽高度が大きく変わります。この太陽高度の変化を利用しやすいのが南側の窓です。
夏は太陽高度が高くなるため、軒や庇によって日射を遮ることができます。
一方で冬は太陽高度が低くなるため、軒の下から日射が入り、室内の奥まで光と熱を届けることができます。
太陽高度の変化を考慮して窓と庇を設計。
南面の窓に対して適切な長さの軒を設けることで、夏は日射を遮り、冬は日射を取り込むという理想的な日射コントロールが可能になります。
画像は夏の昼12時、右は冬の昼12時。夏は庇で太陽光を遮蔽でき、冬は庇の下から太陽光が室内の奥まで届きます。
これに対して東面や西面の窓は、太陽高度が低い時間帯に強い日射が入るという特徴があります。朝日や西日は横から差し込むため軒で遮ることが難しく、夏場の室温上昇の原因になります。。そのため住宅設計では、南面に窓を集め、東西の窓は必要最小限にすることが基本とされています。
では、軒の長さはどの程度にすればよいのでしょうか。
ポイント【軒の長さは住宅ごとに最適解が変わる】
軒の長さは、地域の緯度、建物の方位、窓の高さ、天井高さ、さらに隣家の影など、さまざまな条件によって変わります。
そのため、すべての住宅に当てはまる軒の長さを示すことはできません。
そこで役立つのが日射シミュレーションです。
「マイホームデザイナー14」で日射シミュレーション
わが家が活用した住宅デザイン・間取り作成ソフト「マイホームデザイナー14」には「日当たりシミュレーション」という機能が搭載されています。
作成した間取りをもとに、方位、軒の出、窓の大きさや高さなどを反映させて、春秋、夏、冬それぞれの時間帯における日射の状況を確認することができます。
一日を通して日射の動きを動画で視覚的に確認できるため、室内にどのように日差しが入るのかを直感的に理解することができます。
動画例:夏と冬の日射のシミレーション
https://iemaga.jp/simulation/simulation1.mp4
例えば、夏の午後にリビングへ日射が差し込んでしまう場合や、冬の日射が思ったほど室内の奥まで届かない場合などを、3D画面で確認しながら軒の長さや窓の位置を調整することができます。
3D画面で確認しながら軒の長さや窓の位置を調整。※軒や庇は間取り編集画面で行ないます。
さらに隣地の建物を作成すれば、隣家の影の影響までシミュレーションに反映させることができます。都市部の住宅では隣家の影響が大きいため、この機能は特に有効です。
動画例:隣地と日射のシミレーション
https://iemaga.jp/simulation/simulation2.mp4
※隣地の建物の高さと幅の四角い3Dモデルを置いてシミレーションしています。
実際には、ハウスメーカーや工務店でも、ここまで分かりやすく日射の変化を示したシミュレーションを提示してくれるケースは多くありません。
断熱性能や気密性能を高めることはもちろん重要ですが、自然のエネルギーである日射をコントロールしながら活用することも、快適な住まいづくりには欠かせません。
日射シミュレーションを活用することで、より快適でエネルギー効率の高い住宅を実現できるはずです。



























