全体的にトーンを落とし、照明計画を工夫することで当初のコンセプトである「シックでモダンで落ち着ける空間」を実現した玄関ホール。
トーンを落としつつも、暗くなりすぎることがないよう配慮しました。
マイホームデザイナーを活用すれば、照明や壁紙などの部材に関する緻密なシミュレーションが可能です。イメージしにくい注文住宅での失敗を避けるためにも、ぜひ活用してみてください。
「 間取り・デザイン徹底シミュレーション!」 バックナンバー
2022.11.16
【執筆者プロフィール】
文・写真:Kikorist
都内で暮らす30代の会社員。家族は妻と猫。2021年秋に住友林業で念願のマイホームを建てました。
【マイホームへようこそ28回】で登場した我が家のこだわりポイントや検討の過程を詳しくお伝えします。
住友林業との家づくりやライフスタイルに関するブログを運営中。 blog https://kikorist.com
デザインのコンセプトを決める
マイホームのデザインにあたっては、デザインコンセプトをまず決めました。
わが家のコンセプトは「シックでモダンな落ち着ける空間」。
都内のような住宅密集地においては、隣家が近いために大開口の窓を設けた「明るくて開放的な空間」はなかなか実現が難しい。そこで、少し色のトーンを落とした空間とし、照明やインテリアで演出することにしたのです。
コンセプトとは、ブレない基本構想を指す言葉です。家全体がちぐはぐなイメージにならないよう、できるだけコンセプトに沿って統一感のあるデザインにすることを意識しました。
もともと、夫婦共にダークな色合いが好きなこともあり、床材はウォルナットを採用することを早々に決め、それに合う壁紙やタイルなどの部材の選択を進めていきました。
玄関ホールの素材選び
玄関ホールは家の顔でもあるので、特にこだわった部分です。
床材には、朝日ウッドテックの「ライブナチュラルプレミアムスタンダード」のブラックウォルナットを採用。
建具もウォルナットで合わせています。住友林業は、豊富な床材が選択できることに加えて、床材とマッチする建具のカラーが用意されていることが魅力の1つです。
天井部分には、住友林業の木質系天井であるスタイルシーリングを採用。ただし、天井はウォルナットではなく、あえて一段明るいオークピュアブラウンというカラーを採用しました。天井は光が当たりにくいため、施工後は一段暗く見えるため、一段明るい色を選択したのですが、結果的には正解でした。
玄関ホール正面の壁にはLIXILのエコカラットプラスのストーングレースという商品を採用。ストーングレースには4色のカラーがありますが、チャコールに続いて二番目に暗いダークグレーを選択しました。
2階リビングのテレビ背面にはチャコールを採用しているのですが、ダークトーンを意識しつつ、窓がないことを踏まえて暗すぎないように配慮しました。
玄関ホールの照明計画
玄関ドアの明り取りのスリット以外は窓がない玄関ホールのため、照明を効果的に使うことで雰囲気を演出しようと考えていました。
エコカラットやタイルといった凹凸のある素材は、間接照明やスポットライトで照らすことで陰影と立体感を強調することが可能です。
わが家ではスポットライトを採用しましたが、壁や天井に固定するのではなくダクトレールを組み合わせています。
ダクトレールを使うメリットは2つあります。
第一に、配置の自由度。ダクトレール上の好きな位置に取り付けができるので、好みの位置に照明を設置できます。第二に、コストの節約。ダクトレール照明は規格品のため、電気工事不要で照明の取り付けができます。ハウスメーカー経由で照明を取り付けるよりも割安です。
スポットライトは演出効果だけでなく、階段昇降時の足元照明の機能も兼ねています。
玄関ホールの納まり
玄関ホールの階段まわりの天井は、さまざまな部材が複雑に組み合わさっています。
具体的には、壁の部材は、エコカラット、1階の壁紙、2階の壁紙(1階と2階では異なる壁紙を採用)、巾木(エコカラットと2階の壁紙の見切りに使用)。天井の部材は、木質天井(スタイルシーリング)、2階の壁紙(2階は天井と壁で異なる壁紙を採用)、ダクトレール、というような状態。
各部材が接合される「納まり」をどう処理するかは家の完成度を決める大事な要素です。
マイホームデザイナーではパース上のカメラを自由に動かすことができるので、事前に納まり部分が複雑になることが分かり、設計担当と納まり部分の処理について打ち合わせをすることで、納まりの処理を整理・共有することができました。
部材とカラーの選択を通してコンセプトを実現
全体的にトーンを落とし、照明計画を工夫することで当初のコンセプトである「シックでモダンで落ち着ける空間」を実現した玄関ホール。
トーンを落としつつも、暗くなりすぎることがないよう配慮しました。
マイホームデザイナーを活用すれば、照明や壁紙などの部材に関する緻密なシミュレーションが可能です。イメージしにくい注文住宅での失敗を避けるためにも、ぜひ活用してみてください。