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2021.01.06
【執筆者プロフィール】
住宅proアドバイザーたのさん
30年地域ビルダーに勤務、現在住宅アドバイザーとして個人住宅のコンサルタントとして活動中。長年の経験を生かして、住宅購入を検討する方々に役立つこと、迷うところ、悩むところに寄り添った情報を発信していきます。
建ぺい率と容積率の違い
容積率とは「その土地に対して建築できる延べ床面積の割合」のことを言います。
建ぺい率が建築面積と敷地の関係だったのに対して、容積率は敷地と延床面積との割合を制限する基準となります。
延べ床面積は、一般に床面積と省略され表現されるケースが多いですが各階の床面積を合計した家全体の床面積のことを延べ床面積と言います。
前回の建ぺい率の解説で例にした40坪の土地で考えてみましょう。
例えば容積率80%の土地では
●敷地面積40坪×容積率80%=32坪
が建築できる最大の延べ床面積となります。
30坪の延べ床面積を希望している場合は、建築可能ですが、35坪程度を検討する場合は、対象ではなくなってしまいます。
建ぺい率は1階の面積、容積率は全階の合計面積
これが容積率200%の地域では同じ40坪の敷地でも、敷地面積40坪×容積率200%=80坪。延べ床面積80坪という大きな家も建築が可能となります。
建ぺい率も併せて計算すると、建ぺい率60%、容積率200%、40坪の土地では
●建築可能な建築面積は40坪×60%で24坪
●建築可能な延べ床面積は 40坪×200%で80坪
この場合、1階の面積が24坪、3階建てにしても24坪×3で72坪。容積率の制限内ですので建築が可能なことがわかります。
40坪でも容積率次第で、大きな家も建てられることがわかると敷地の必要な大きさの基準も変わってきますよね。
容積率の制限
土地の上にどのくらいのボリュームの家が建つかを知るための容積率ですが、ひとつ制限が追加されるルールがあります。
●前面道路幅員による制限
12m未満の前面道路に面した土地の容積率は前面道路に定数をかけ、決められている容積率と比較し小さい数字が容積率の上限となります(原則、住居系の用途地域は0.4、その他の用途地域は0.6)。
例えば40坪容積率200%の土地でも前面道路が4mの場合
前面道路4m×定数0.4×100で160%となり容積率200%と比べ小さい160%がこの土地の容積率となります。
容積率の緩和
反対に、有効利用を図れるルールもあります。容積率を決める延べ床面積に含まないスペースについての定めがあります。
●地下室を有効に利用する
地下室は、建物全体(延べ床面積)の1/3までなら容積率の計算対象に入れなくても良いという緩和ルールがあります。延べ床面積30坪の家の場合1/3ですから10坪の地下室まで容積率に関係なくつくることが可能となります。
●ロフトや小屋裏収納の積極的な活用
収納が不足した時などに取り入れたいのがロフトや小屋裏収納。ロフトや小屋裏収納は天井高1.4m未満でそれらがある階の1/2までの面積は床面積に算入されません。
※地域によって、条件が異なりますので、詳細は行政にご確認ください。
このように土地には「建ぺい率」と「容積率」が決められており、その指定された基準によって土地の利用度合いが大きく変わります。
土地を探す時の注意点としては、敷地面積を限定しすぎず、「建ぺい率」「容積率」を踏まえて検討すると、検索範囲が広がり、思いもよらない良い土地に巡り逢う確率が上がります。