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2021.01.20
【執筆者プロフィール】
住宅proアドバイザーたのさん
30年地域ビルダーに勤務、現在住宅アドバイザーとして個人住宅のコンサルタントとして活動中。長年の経験を生かして、住宅購入を検討する方々に役立つこと、迷うところ、悩むところに寄り添った情報を発信していきます。
土地は広いほどいい?
幸せの象徴としてイメージされる土地付き一戸建。休日には、広いお庭に犬と一緒に遊ぶ子どもたち、それを愛おしく眺めながらBBQを楽しむ笑顔の絶えない夫婦。そんな人生のゴールとも言える幸せのアイコンのようなシチュエーション。
そして、それを叶えるには広くて明るい土地の存在が絶対正義だった時代。しかし、現代の家づくりは、そんな夢のようなシチュエーションを追い求めていては家を持つことさえできないのが現実です。
必要なところに必要なコストを無駄なく投資する時代。そんな現代の家づくりにおいて「無駄のない土地の広さ」とは何かを今回は探求していきます。
広い土地のデメリット
「大は小を兼ねる」そんな諺がありますが、家づくりにおいても、その諺は通用するでしょうか?そこでまず、広い土地を持つことのデメリットを整理しておきましょう。
●購入費用の増加
当たり前のことですが広い土地を購入すれば、広さに応じて購入費用も増加してきます。ありがちな失敗例として土地の広さや立地にほれ込み、まず土地だけ先行して購入して、いざ家を建てる段で予算の制限から好きだったハウスメーカー諦めぜるえなくなってしまうなんて本末転倒なこともおこったりします。
●資産税の増加
土地の購入と同じく面積に比例して固定資産税の税額もアップします。更に200㎡を超える広い土地の場合、200㎡以下までは小規模宅地の特例で固定資産税が1/6のところ200㎡を超えた部分には1/3と税率が倍に変わってきます。
●雑草との闘い
土地付き一戸建てを持つと、必ず発生してくる問題が敷地の手入れ。カーポートスペースやアプローチ以外の土地をいかに手入れするか。芝生を植えてなんて甘い考えでいると、芝生から伸びてくる雑草の意外に多いことに苦しめられることになります。
●外構費用の増大
土地が広くなれば必然的に増えてくるのが外構・エクステリア工事。最低限必要になってくる境界ブロックについても広い土地になれば、おのずと延長距離も長くなり、思わぬ費用に完成間際になって驚く人も少なくありません。
広い土地を持った時のデメリットは分かりましたが、それでは「無駄のない土地の広さ」とは、どんな土地の選び方をすればよいのでしょう。
何坪あれば家は建つの?
家づくりを始めたばかりの時は、土地って何坪あれば家が建つのかピンとくる人が少ないものです。何となく「30坪じゃ小さそうだし50~60坪くらいかな…」なんて漠然と探し始める人も多いでしょう。
そこで実際に、土地付注文住宅を建てた先輩たちの現実の姿から見てみましょう。
独立行政法人/住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」の利用者の調査のデータを見てみると…
【土地付注文住宅】(平均値・土地面積は中央値)
・延床面積:112.2㎡(33.94坪)
・敷地面積:198.4㎡(60.01坪)
・建設費:2,777万(81万/坪)
・土地購入:1,335万(22.24万/坪)
これらのデータからフラット35利用者の平均的な住宅の延べ床面積は約34坪で敷地面積約60坪となっています。
建ぺい率を知ることで、30坪だからといって諦める必要がなく、選択肢が増えました。
Webの不動産検索サイトで選ぶときに50坪以上で探すのと、30坪以上も含めて検索するのではヒットする物件の量が違ってきますから、自分に必要な土地の大きさは、幅広く検索すると良い物件に出会えるチャンスが格段に増えます。
今回は、平均的な家と土地の面積を見ていきましたが、次回は、それぞれの事情に合わせた「無駄のない土地」探し方のポイントを考えます。