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2022.07.01
【執筆者プロフィール】
黒﨑友晴
兵庫県西宮市でガーデンづくりから住まいのリフォームまで設計・施工を手掛ける 「アテックスデザインワークス株式会社」の代表。
大切な住まいだからこそ、住まう人のライフスタイルに合った機能的で快適なプランニングを心がけています。
一級建築施工管理技士
二級造園施工管理技士
フラワーデザイナー
第60回 後からプランしやすいように(後編)
前回に続き、「竣工までに、やっておきたい(考えておきたい)外構の基本工事」についてお話しします。外構工事を実施するうえで、大切な費用や防犯に影響が出る部分や、建築物に合うデザインについて前もってよく検討しておきましょう。
■敷地の境界線はどうする?
外構工事を計画するにあたり、決めておきたい外構のタイプ。開放的でコスパも良いところが人気ですが、一方で門扉がなく、自由に人の出入りができてしまうところが気になるオープンタイプ。
門扉・カーゲート・囲障塀に覆われたクローズタイプ。門扉があり一部のプライバシーが守られているが、自動車スペースだけ塀の外のタイプなどのセミクローズタイプ。
お好みのタイプの外構を選びましょう。建築物のデザインから決める方も多いですが、やはりご予算で決められる方も多いです。
玄関先の構造物の位置
■玄関先の構造物はどうるす?
門柱 ポスト・表札・インターホン・宅配ボックス・置き配スペース等、必要なものをどこに置くかを考えます。
門柱の位置は、重要です。オープン外構の場合、訪問者にどの位置まで中に入ってもらうかをイメージしてください。訪問先の家がわからず迷って来られる方も表札があるところまでは必ず入ってきます。
反対に、郵便物や新聞を取りに行く場合も考えてみてください。雨の日は?階段の上?下?など。宅配ボックスもマストな時代になりました。置き配派の方は荷物が置けるスペースを。ポストや宅配ボックスのサイズも事前によく検討してみてください。
重要な駐車スペースのプラン
■カーポート・駐車スペース屋根
車やバイク・自転車を大事にしておられる方はもちろん、乗降時に雨で濡れたくない方など、やはり人気の高いアイテムです。近年はワンランク上の高級なカーポートが人気で基礎工事が大がかりになるタイプが多いので、後から付けてもらうとなると、思っていた以上に費用がかさむ場合があります。ご注意を。
■駐車スペースの広さ
今は1台でも、もう1台増える可能性があります。将来の台数も視野に入れて必要なスペースを確保します。車種によるサイズの違いも注意が必要ですね。また、来客用・工事業者用などの車を駐めるスペース、電気自動車を駐める場合は、専用200V電源も考慮しましょう。
照明・防犯対策
■照明演出
暮らしを豊かにしてくれる明かり。照明は夕方頃を境に、住まいやお庭を引き立ててくれます。LED照明のデザインや技術も進み、光色・光束・光量などでさまざまな演出技法が取り入れられるようになりました。樹木や外壁に光を当てる間接照明の中でも最もポピュラーな技法のひとつです。
■防犯・安全…防犯用照明・防犯カメラ・侵入防止柵
夢のマイホームが実現したら、家族との幸せなこの空間を安心安全に守りたいものです。考えられる犯罪・天災・事故…今は、自分で自分の身を守る時代です。前筆の照明演出でも、防犯性を高めることができます。
防犯カメラは、宅配ボックスに継ぐ現在の外構工事に欠かせないアイテムとなってきました。必要かどうかも含めて立地条件と照らし合わせてみてください。
目隠しフェンスは人気ですが、周囲からの閉鎖性が禍となり犯罪につながることも。隙間の大きな侵入防止柵による閉鎖的にならない工夫がされた外構も人気です。
多段数の階段や高所などで人的負荷がかかり落下転落の恐れがあるところは落下防止柵を選ばれることをおすすめします。
■庭に欲しいそのほかのアイテム
・洗濯物を干すスペース
最近は黄砂や花粉の影響や、洗濯機の高性能化で屋外に干される方も減ってきました。お布団についても乾燥機を使い、物干スペースが必要ないという方が増えてきました。洗濯物を干すためのサンルームやテラスを希望される方もいらっしゃいます。
・物置
物置は必要なければ一番いいのですが、趣味のツールや園芸用品などお家の中に入れたくないものもあると思います。選ぶ際に小さすぎで、後にもう一つ買い足すことがないように、大きすぎて何年も使わない物が入ったままになることもないようによく考えて、サイズ感を確かめることをおすすめします。
・ペットのためのスペース
家族の一員ですね。同じようにお庭で遊ばせてあげたいものです。大型犬・小中型犬・鳥や魚。はたまた冬眠させる爬虫類なども、スペース確保や導線が重要です。
・雑草対策
永遠のテーマですが、土があるところに雑草は生える。コンクリートやレンガの隙間からでも生えます。主流になっているのが防草シート。しっかりかぶせ気味に専用の固定金具で丁寧に設置。その上から石ころや砂利、リアルな人工芝生も人気のアイテムです。DIYでやってみてください。
最後にイメージづくり
■素材のルール・テイスト決め
いろいろ決まってきました。最後に大切な素材選びについて。同じ構成でも使う素材や色デザインでまったく異なる仕上がりとなります。この際にルール決めが重要となります。一番は住まい建築物を引き立てることが目的です。
となると、お家の素材や色デザインが決まっていると、自ずと使えるものが決まってきます。また、絶対に譲れない門柱のイメージがあれば、自ずとそれに合う塀や門扉・アプローチ素材が見えてきます。お洋服を選ぶような感じで楽しいひと時です。
まだまだ細かいオススメや注意点はありますが、このようなことを常に意識しながら我々お庭のプロはご提案しています。ぜひ、これから計画される方は参考にしてみてください。より快適で豊かな住まいとお庭が完成することを願っております。