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2026.05.27
【執筆者プロフィール】
間取りの中で、家電に関するレイアウトをみなさんと一緒に考えていく連載です。レイアウト例、家電の成功と失敗の口コミ、コンセントの配置等、家電にまつわるトピックを取り上げていきます。
文・図:まっしんはやぶささん https://blog.kisekinomyhome.com//イエマガ編集部
間取り図:株式会社ホームプランニング1000 https://www.megasoft.co.jp/madori/
洗濯機の上に衣類乾燥機を縦置きする
前回は、衣類乾燥機の選択肢を比較して、それぞれの特徴や機能性をお伝えしました。人気が高いガス式の「乾太くん」だけでなく、電気式の「FUWATO」についても興味を持たれた方は多いのではないでしょうか?
しかし、実際にどのように設置するかまでイメージできている方は、まだ多くないかもしれません。衣類乾燥機は「選び方」だけでなく、「設置の仕方」で使い勝手が大きく変わる設備です。設置場所や高さの計画が不十分だと、毎日の家事で「使いにくい」と感じる場面が生まれてしまいます。
今回は、採用事例の多い「洗濯機の上に衣類乾燥機を縦置きするレイアウト」に注目して、意外に見落とされがちなチェックポイントを詳しくご紹介します。新居やリノベーション計画の参考にしてください。
洗濯機の上に乾燥器を置く縦置きは、省スペース。選択される方の多い設置方法だと思います。
専用架台の「高さ設定」
洗濯機の上に衣類乾燥機を設置する縦置きレイアウトでは、乾燥機を支える棚や専用架台の「高さ設定」がとても重要です。
ドラム式洗濯機はドアが前面に開く構造のため、衣類乾燥機の棚は「洗濯機本体が収まる高さ」さえ確保できれば問題ありません。
一方、縦型洗濯機に変更した場合は、上蓋を開けて衣類を出し入れするため、「フタを全開にしたときの高さ」を考慮する必要があります。棚や架台の高さが固定されていると、蓋が途中までしか開かず、洗濯物の出し入れが困難になるケースがあります。
また、当初ドラム式洗濯機を使用する前提でも、将来的に縦型洗濯機に買い替えられる方は少なくありません。「現在の洗濯機」だけに合わせるのではなく、将来の買い替えの可能性まで想定した余裕のある設計にしておくことが、長期的な満足度につながります。
ドラム式なら洗濯機のすぐ上に棚板を配置し、その上に乾燥器を置くことができますが、縦型洗濯機は蓋を開けることができるスペースが必要です。。
洗濯パンと排水口の位置
衣類乾燥機の縦置きレイアウトでは、洗濯パン(防水パン)の有無と排水口の位置も、設置計画に大きく影響します。最近では、洗濯機まわりをすっきり見せるため、また掃除のしやすさから、洗濯パンを設置しない方も増えています。しかし、万が一の洗濯機からの漏水に備えるためには、洗濯パンがある方が安心です。水漏れが起きた際の被害を最小限に抑えられるというメリットがあります。
【洗濯パンを有り】
洗濯パンを使用する場合に注意したいのが、「洗濯パンの高さ分だけ、衣類乾燥機の設置位置がさらに高くなる」という点です。架台全体の高さが増し、乾燥機の操作やメンテナンスがしにくくなる可能性があります。
また、洗濯パンと架台の脚が干渉しないかも重要な確認ポイントです。架台の脚の位置によっては、洗濯パンの縁にぶつかって安定して設置できないケースもあります。設計段階で架台の脚位置と洗濯パンのサイズ・形状を照合しておきましょう。
【洗濯パン無し】
洗濯パンを使わない場合は架台を低く設置できる反面、洗濯機の真下に排水口を配置できなくなります。排水口は洗濯機の左右または後方に設ける必要があり、そのためのスペース確保が求められます。床仕上げや配管ルートも含めて、施工業者との事前打ち合わせが大切です。
なお、縦型洗濯機の場合は、洗濯機を少し前に引き出すことで衣類の出し入れがしやすくなります。キャスター付きの置き台を活用し、必要なときだけ手前に引き出せるようにしておくと、高さを抑えながらも使い勝手を両立できる有効な方法です。
洗濯パンの高さ分だけ、衣類乾燥機の設置位置がさらに高くなります。特に洗濯パンの真下に排水口が来るタイプ(センター排水)では、パン自体の高さが必要になるため、注意が必要です。
縦型洗濯機の高さに合わせると、衣類乾燥機の位置が高くなるため、洗濯パンを使わずに高さを抑える方法も有効です。ただし、排水口は洗濯機の左右または後方に設ける必要があります。また、洗濯機を少し前に引き出すことで衣類の出し入れがしやすくなります。
フィルタの位置と衣類乾燥機の高さの関係
縦置きレイアウトにおいて、もう一つ見逃せないのが「フィルタのお手入れのしやすさ」です。衣類乾燥機は洗濯のたびにフィルターに糸くずやホコリが溜まるため、基本的に毎回のフィルター清掃が推奨されています。毎日欠かさず行う作業だからこそ、楽な姿勢でできるかどうかが重要なのです。
縦置きの場合、衣類乾燥機の本体は通常、目線よりも高い位置に設置されます。利用される方の身長によっては、乾燥機の奥に手が届きにくくなる場合があります。
特に乾太くんのSTANDARD TYPEの場合、フィルタが本体の奥(背面側)に配置されているため、縦置きで高い位置に設置されると、毎回腕を伸ばして奥に手を差し込み、覗き込みながらフィルターを取り外す必要があります。踏み台を使えば対応できますが、毎日の作業としては負担が大きくなりがちです。
この点で優れているのが、フィルタが本体の前面(手前側)に配置されている機種です。乾太くんのDELUXE TYPEは前面フィルター方式を採用しており、高い位置に設置されていても、腕を伸ばすだけで取り外しが可能です。FUWATOも同様に前面アクセスが可能な設計となっており、縦置きレイアウトでの日常メンテナンスの負担を大きく軽減してくれます。
無理のない姿勢で毎日操作できるかどうかは、長期間にわたって乾燥機を快適に使い続けるための重要な判断ポイントです。設置高さと機種のフィルター位置は必ずセットで確認するようにしましょう。
乾太くんのSTANDARD TYPEの場合、フィルタが本体の奥(背面側)に配置されているので、乾燥器の位置が高くならないように設計したいところです。
乾太くんのDELUXE TYPE、FUWATOは、前面フィルター方式を採用しています。機種を選ぶときにフィルター位置の確認を忘れずに。
FUWATOの排水タンクの位置に注意
電気式のFUWATOは、ガス配管や屋外への排気ホールが不要なため、設置場所の自由度が高いのが大きな特長です。また排水方法もタンク式とホース式から選べるため、排水口の近くでなくても設置できる点は魅力です。
ただし、洗濯機の上に縦置きで設置する場合、排水タンクの位置には特別な注意が必要です。
FUWATOの排水タンクは本体の上部に配置されています。縦置きにした場合、このタンクは床から2m近い高い位置になることがあります。タンクの容量は最大約4Lで、水が満タンになった状態では相応の重さになります。その状態で高い位置から引き出し・取り外しをする作業は、姿勢が不安定になりやすく、水をこぼしてしまうリスクや、転倒の危険を伴う場合もあります。
そのため、洗濯機上の縦置きでFUWATOを設置する場合は、あらかじめホース排水での運用を前提とした計画にしておくことを強くおすすめします。ホース排水であれば、タンクの満水を気にせず運転でき、排水の手間もなくなります。設置場所の近くに排水口が確保できるかどうかを、設計段階から確認しておきましょう。
タンク式の手軽さはFUWATOの魅力の一つですが、縦置き設置における安全性と利便性の観点からは、ホース排水の一択と考えておいた方が後悔が少ないでしょう。
FUWATOの排水タンクは、一番高い位置にあるため、4Lの排水タンクの脱着には不便です。縦置きの場合はホース排水の採用をお勧めします。
設置計画が「使いやすさ」を決める
衣類乾燥機は、導入することで家事の負担を大きく軽減してくれる頼もしい設備です。しかしその効果を最大限に発揮できるかどうかは、設置計画の質に大きく左右されます。
縦置きレイアウトは省スペースで人気の高い設置方法ですが、高さ・動線・メンテナンス性・排水計画といった要素が複雑に絡み合います。今回ご紹介した4つのチェックポイントを、ぜひ設置計画に役立ててください。
チェックポイント
・将来の洗濯機変更(縦型への買い替え)を見越した架台の高さ設計
・洗濯パンの有無・排水口位置と架台の干渉への対策
・フィルターの位置と設置高さのバランス(前面アクセス機種が縦置きには有利)
・FUWATOを縦置きにする場合はホース排水での計画を優先する
機種選びとあわせて、日々の使い方や将来の変化まで見据えた設計の参考にしていただければ幸いです。



























