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2025.12.10
【執筆者プロフィール】
はじめまして。さわおと申します。2022年に家を建てよう! と決意をし、紆余曲折を経て2024年の夏にようやく新居へ引っ越すことができました。引っ越す頃に息子も生まれ、家族3人で楽しく暮らしています。
長い家づくりの中で経験した失敗や大変だったこと、そしてそれをどうやって乗り越えたかについて、連載を通して家づくり中の方へ届けることで、誰かの悩みや問題を解決できると嬉しいなと思いながら、この記事を書いています。
Blog: https://xshmblog.com
第29回 2畳で書斎をつくる
私は完全リモートワークで働いているため、家づくりにおいて「書斎」は必須条件でした。しかし、延べ床面積30坪未満のわが家では、広大な書斎を作る余裕はありません。 そこで、なんとか捻出したのが「2畳の正方形スペース」でした。
今回は、実際にこの狭小書斎を使ってみて分かったこと、特に設計時に注意すべき点についてお話しします。
リモートワークにおける「書斎」の考え方
最近は「家で仕事をするスペース」を設けるケースが増えています。いわゆるスタディスペースやワークスペースですが、これらは大きく2つのパターンに分けられます。
・オープンスペース: LDKの一角や階段の踊り場などにデスクを設置するタイプ。
・クローズスペース ・壁とドアで完全に仕切られた個室タイプ。
どちらが正解というわけではなく、「仕事内容」に合わせて選ぶのが重要です。
Web会議や電話が多い仕事なら、生活音が入りやすいオープンスペースは不向きでしょう。私は日中ほぼオンラインで会話をしているため、どうしても「個室(クローズ)」が必要でした。 逆に、そういった業務が少なく、家族の気配を感じながら働きたい方であれば、オープンスペースのほうが満足度は高いかもしれません。
オンライン会議の多いリモートワークため、2階の西北の角に2畳の個室タイプの書斎をつくることに。
廊下から見た書斎の設計。
1820mm×1820mm=2畳の正方形の書斎になりました。
ただ、個室(クローズ)の書斎には、憧れだけでは済まされない大きなデメリットがあります。それは「空調問題」です。
最大の難所は「空調と換気」
LDK内にあるオープンスペースなら、リビングのエアコン一つで快適に過ごせます。しかし、個室で仕切った狭い書斎となると話は別です。
問題1:エアコンがオーバースペックになる
市場に出回っている家庭用エアコンは、最小でも「6畳用」からです。「2畳用」のエアコンは存在しません。 つまり、2畳の部屋にエアコンをつけると完全にオーバースペックになります。その結果、以下のことが起こります。
・すぐに冷えすぎる/暖まりすぎる
・こまめなオンオフ操作が必要になる
わが家も6畳用のエアコンを設置していますが、夏場は冷えすぎて、ずっとつけっぱなしにはできません。そのため、基本的にはドアを開放して家のメイン空調を取り込み、来客時や会議中だけドアを閉めて稼働となっています。
冬場に関しては、家全体の断熱性能が高いためLDKの暖房だけで事足りています。閉め切った場合でも、PC等の排熱で十分暖まるので不自由はありません。
2畳の書斎に6畳用のオーバースペックのエアコンを西側の壁に設置。夏場は閉め切るときにだけ使用。冬場は、廊下に面した引き戸を開けて置くと1階の吹き抜けから届く暖かい空気のお陰で使用せずに過ごせます。
問題2:二酸化炭素濃度の上昇
室温以上に深刻なのが、空気の汚れです。
2畳という狭い空間(気積)では、大人の呼吸だけであっという間に二酸化炭素(CO2)濃度が上昇します。換気が不十分だと、体感でわかるほど息苦しくなり、眠気や集中力の低下を招きます。
わが家では対策として、書斎に排気口を設置し、家全体の換気経路(空気が流れる道)に組み込みました。それでもドアを閉め切ると、1時間ほどで基準値を超えてしまうため、定期的な換気が欠かせません。
排気口を付けましたが、1時間に1回の換気が必要です。
2畳の空間でできることは多くない
2畳という広さは、大人が両手を広げると指先が壁に当たる程度の幅です。狭い家の中で個室を持てるのは贅沢ですが、決して「広い部屋」ではありません。
「書斎」と聞くと、趣味の道具を飾ったり、壁一面に本を並べたり……と夢が広がります。
しかし、狭い空間でそれらを叶えようとすると、窓が減って換気が悪くなったり、圧迫感で居心地が悪くなったりするリスクがあります。
・集中して仕事をしたいのか?
・趣味の部屋にしたいのか?
もし仕事が目的なら、希望を詰め込みすぎない決断も必要な場合が多いと思います。「なぜ書斎を作るのか」、その目的をはっきりさせてから計画を進めることをおすすめします!



























