2024.05.01
【執筆者プロフィール】
間取りの中で、家電に関するレイアウトをみなさんと一緒に考えていく連載です。レイアウト例、家電の成功と失敗の口コミ、コンセントの配置等、家電にまつわるトピックを取り上げていきます。
文・図：まっしんはやぶささん https://blog.kisekinomyhome.com/／イエマガ編集部
間取り図：株式会社ホームプランニング1000 https://www.megasoft.co.jp/madori/
エアコンの配置【エアコン１】
今回は、エアコンの配置について考えます。エアコンは室内機に加えて、屋外に室外機の設置が必要です。外観やお庭の使い勝手にも影響するため、間取りや家具のレイアウトと同時に計画的なエアコン配置のプランニングが重要となります。
ここでは、リビングだけでなく寝室や子ども部屋など、設置する部屋とレイアウトによって異なる利点と注意点を整理しました。
外観に影響するリビングのエアコン設置例
最も長い時間を過ごすリビングの空調計画は、生活の質に大きく影響します。リビングだけでなく、ダイニングやキッチンも快適となるよう空調を効かせるためには、エアコンの位置が重要です。
ところが、間取りが一通り決定した後に、いざエアコンの設置場所を考え始めると、空調効率と外観への影響を避ける配置が、既に難しくなってしまっている場合があります。
窓や家具の配置も、エアコン設置の可否に影響します。
エアコンは、窓・建具を避け、外観にも影響のでない場所と空調効率を両立するプランを考えたいところ。
リビングのプラン例１
【Ⅰ列にLDKが並ぶ間取り】
縦長のLDKに合わせて、縦方向に風が送れるようエアコンを配置した例です。距離が長いため、キッチンまで十分に空調が効くかどうかが気になります。また、室外機を玄関前に設置することになる可能性が高く、建物正面の外観に影響してしまいます。
Aの位置に設置すれば、LDKの中央から、まんべんなく空調を効かせつつ、室外機を住宅の側面に配置できますが、壁の幅が狭くエアコン設置に向きません。このように窓の配置とエアコンは大きく関係してきます。
Bの位置なら設置できそうですが、LDKの隅々に風を届けるのがさらに難しい位置になります。
１階の間取りでエアコンの配置を検討する。
プラン例１ １階
２階
【プラン例１の概要】
１階のLDKは16.5畳。北側には４畳の和室があります。襖を開け放てば広々とした空間に。和室はアイロンがけなどの家事スペースとして使えますし、小さなお子さんのお昼寝の場所とするのも良さそうです。キッチンからダイニングとリビングを一目で見渡せるため、料理しながら家族の様子を見守ることができます。
寝室や子ども部屋の設置例
【バルコニーにつながった部屋】
広いLDKに比べると、寝室や子ども部屋は、限られたスペースに窓や建具、家具の配置に阻まれて、さらにエアコンの設置位置の選択肢が限られます。
しかし、寝室や子ども部屋のエアコン利用は、就寝時の快適さに大きく影響するため、ここでも計画性が重要になります。
バルコニーに面する壁に室内機を設置して、バルコニーに室外機を置く間取りはよく見られますが、子ども部屋のベッドの頭上に室外機が位置しているこの例は、次のような心配があります。
１階の間取りでエアコンの配置を検討する。バルコニーに室外機を置くというプランですが、いくつか注意しておきたいことが挙げられます。
・水滴やホコリが落ちてくるなどの衛生面問題
・風が体に直接当たることでの体調への影響
・万一のエアコン落下リスク
さらに、バルコニーに設置した室外機が近いため、騒音で眠れないという悩みにつながる可能性もあります。
次回も、家の間取りができあがってから考えるエアコン配置の注意点と配置しやすい間取り例を取り上げます。
