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「 間取りと家電とレイアウト」 バックナンバー

物置のサイズと必要なスペース vol.17

2025.06.11

【執筆者プロフィール】

間取りの中で、家電に関するレイアウトをみなさんと一緒に考えていく連載です。レイアウト例、家電の成功と失敗の口コミ、コンセントの配置等、家電にまつわるトピックを取り上げていきます。
文・図:まっしんはやぶささん https://blog.kisekinomyhome.com//イエマガ編集部
間取り図:株式会社ホームプランニング1000 https://www.megasoft.co.jp/madori/

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まず、後悔しない設置場所選びを

外部物置は、一度設置してしまうと簡単には移動できない設備のひとつです。「とりあえずこのあたりでいいか」と安易に決めてしまうと、後々後悔する可能性も少なくありません。

物置を置くことによって、建物の外観を損ねてしまったり、将来のメンテナンスやリフォーム時に支障をきたしたり…という事態を避けるためにも、家の建築計画や外構デザインと同時に物置の配置計画を検討しておくことをおすすめします。

今回は、外観デザインやライフスタイルの変化を意識した「敷地内の配置場所の検討」とその場所に適した「物置選び・設置時の注意ポイント」をご紹介します。

配置場所別 物置選びのポイント

物置の設置場所によって、選ぶべきタイプや配慮すべき点は大きく異なります。敷地の特性や暮らしのスタイルに合わせて、最適な場所を見極めましょう。

【1. 建物正面に設置する場合】

建物正面は「住まいの顔」とも言える場所。来客や道行く人の目にも入りやすいため、物置の見た目が家全体の印象を左右します。

●おすすめのタイプ
・デザイン性に優れたコンパクトタイプ
・存在感を抑えたスリムデザイン
・建物と調和する色合いや質感(木目調、石目調など)

●注意すべきポイント
ポストや宅配ボックスなどと干渉しない配置を
・窓を塞がないように設置位置を調整
・窓下に設置する場合は、防犯上踏み台にならないよう注意

敷地のどこに物置を配置するかによって
、選び方と設置のポイントが変わってきます。

敷地のどこに物置を配置するかによって
、選び方と設置のポイントが変わってきます。

家の正面には、コンパクトな物置が向いています。たくさんのものを収納したい人には、ほかの敷地内の場所を検討することをおすすめします。

家の正面には、コンパクトな物置が向いています。たくさんのものを収納したい人には、ほかの敷地内の場所を検討することをおすすめします。

●この配置のメリット
・アプローチや車の洗浄用具、植木の水やりグッズなど、頻繁に使う道具の収納に最適
見た目に配慮すれば、機能と美観を両立できる便利な収納スペースに

玄関まわりに物置を置くなら、建物の外観デザインと調和するスタイリッシュなモデルを選びましょう。最近は、エクステリアと一体感のあるカラーリングや質感の物置も豊富に揃っています。

【2.建物側面に設置する場合】

建物の側面は、視線が届きにくく目立ちにくい場所。その分、実用性やコストパフォーマンスを優先した選択が可能です。

●おすすめのタイプ
・シンプルで堅牢なベーシックタイプ
引き戸タイプ(開閉時にスペースを取らず通路が確保しやすい)
移動が可能なコンパクトモデル

●注意すべきポイント
・通路の幅を確保し、物の出し入れがスムーズに行えるか確認
・給湯器・エアコン室外機などの設備機器交換時に支障が出ない配置

この場所は、一番奥にエコキュートが設置されますが、手前に物置を設置してしまうと、エコキュートの交換時に物置が邪魔になります。
また、外壁塗装時にも物置部分の塗装が出来ないため、容易に移動可能なコンパクトなタイプを選んで置くと、後々安心です。

この場所は、一番奥にエコキュートが設置されますが、手前に物置を設置してしまうと、エコキュートの交換時に物置が邪魔になります。
また、外壁塗装時にも物置部分の塗装が出来ないため、容易に移動可能なコンパクトなタイプを選んで置くと、後々安心です。

・外壁塗装などのメンテナンス時に簡単に移動できる設置方法
・窓の下に設置する際は、防犯性に配慮して踏み台にならないよう注意

●この配置のメリット
・外観への影響が少ないため、機能性や価格重視で選べる
・雨風から守られやすく、物置や収納品の劣化を抑えられる

機能性を重視するなら側面設置が最適です。設置予定の場所にどれくらいスペースがあるのか、将来的な使い勝手も踏まえて選びましょう。

【3.庭に設置する場合】

建物から離れた庭に設置する場合は、スペースの自由度が高く、収納力を重視した大型物置の設置が可能になります。

●おすすめのタイプ
収納量の多い大型タイプ
・背の高いタイプ(隣地との目隠し機能を兼ねる)
耐候性・防水性に優れた構造のもの

●注意すべきポイント
・隣地境界に近すぎる設置は、雪や雨水が流れ込む恐れがあるため注意

庭に置くなら通路や他の設備を気にせず好きなサイズが選べます。

庭に置くなら通路や他の設備を気にせず好きなサイズが選べます。

・電源を使用する場合は、電気配線計画を事前に検討しておく
・土地の高低差や水はけを確認し、基礎工事をしっかり行う
・庭の動線を妨げない配置を心がける

●この配置のメリット
・大容量の収納が可能で、季節用品や園芸道具の整理に便利
・設置場所によっては、目隠しや境界の役割も果たせる
・建物から距離を取ることで、騒音や振動の影響も最小限に抑えられる

広めの庭をお持ちであれば、収納力に優れた物置で生活空間をより快適に整えることができます。屋外作業が多い家庭では、照明や電動工具の電源確保も事前に計画しておくとさらに便利です。

雨水桝・汚水桝・水道メーターの位置にも注意

物置の設置計画で意外と見落としがちなのが、敷地内の雨水桝・汚水桝・水道メーターの位置です。せっかく理想的な物置の配置を考えていても、いざ設置しようとした時に「この場所に汚水桝があるため設置できない」という事態に陥ることがあります。

住宅の図面段階では桝や水道メーターの位置が記載されていても、実際の施工時に現場の状況に応じて位置が変更されることも少なくありません。そのため、家の建築段階から将来の物置設置計画を工務店やハウスメーカーに伝えておくことが重要です。

「この辺りに物置を置きたいので、できればこのエリアには桝や水道メーターを設置しないでほしい」

と具体的に伝えておくことで、後々のトラブルを避けることができます。また、これらの設備にアクセスする必要がある場合は、物置を簡単に移動できるようにしておくか、アクセス可能な配置を考慮することも大切です。

実際に雨水桝と汚水桝が設置された写真です。設計時に見た図面の位置と微妙に異なっていました。

実際に雨水桝と汚水桝が設置された写真です。設計時に見た図面の位置と微妙に異なっていました。

この雨水枡・汚水桝の場所に物置を設置した場合、このように干渉してしまうことになりますが、あらかじめ物置の設置予定を伝えておけば、干渉しない位置に移動することも可能でした。

この雨水枡・汚水桝の場所に物置を設置した場合、このように干渉してしまうことになりますが、あらかじめ物置の設置予定を伝えておけば、干渉しない位置に移動することも可能でした。

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