毎週水曜日更新

floor-plan_500.65

SEARCH

イエマガは「世界にひとつの自分らしい家」づくりを応援するWEBマガジンです。

floor-plan_500.65

「 間取りと家電とレイアウト」 バックナンバー

スライドオープンとフロントオープン どっちが正解!?  vol.23

2025.11.26

【執筆者プロフィール】

間取りの中で、家電に関するレイアウトをみなさんと一緒に考えていく連載です。レイアウト例、家電の成功と失敗の口コミ、コンセントの配置等、家電にまつわるトピックを取り上げていきます。
文・図:まっしんはやぶささん https://blog.kisekinomyhome.com//イエマガ編集部
間取り図:株式会社ホームプランニング1000 https://www.megasoft.co.jp/madori/

▼ すべて表示する▲ 閉じる

スライドオープンとフロントオープン どっちが正解!?

前回は、ビルトイン食洗機の基本知識と主要メーカーの特徴をご紹介しました。今回は、使い勝手を大きく左右する、スライドオープン型とフロントオープン型の違いと特徴を掘り下げます。

以前は、海外製が多いフロントオープンタイプは国内のキッチンへの設置が難しく、施工を敬遠されることがありました。しかし、最近は設置事例が増えたことや、国内メーカーのフロントオープンタイプが出てきたことから、より人気が高まっています。

一方で、スライドオープン型には、日本の住宅事情や利用シーンへの考慮が感じられる魅力もあります。

ビルトイン食洗機は、一度導入すると長期間利用することになります。後悔のない選択ができるように、それぞれの特徴をしっかりと確認していきましょう。

スライドオープン型の特徴

大きな引き出しのような、箱型の庫内に上から食器を入れる構造の食洗機です。立ったままの姿勢で食器を上から出し入れできるため、足腰への負担が少ないのも特徴です。

また、スライドオープン型の製品には、省エネ性能が高く、利用できる洗剤の選択肢が広いものがラインアップされ、ランニングコストを抑えやすい傾向にあります。

【スライド型のメリット】
腰や膝への負担が少ない:立ったまま上から食器を出し入れできる。
省スペース:引き出しに必要なスペースがコンパクト(約50cm前後)。キッチン通路スペースが狭い場合に対応しやすい。
水滴が落ちにくい:上から出し入れするため、水滴が床に落ちにくい。

【スライド型製品に見られる特徴】
乾燥機能搭載:ほとんどの機種にヒーター乾燥が搭載されており、カラリと乾燥した食器を、そのまま食器棚に収納できる。
洗剤を選べる:用途や好みに合わせて粉末・液体・ジェルタイプなど多様な洗剤を利用可能な製品を選択できる。
サイズ・設置自由度が高い:食器数や利用頻度に合わせて、浅型・深型タイプや幅の選択肢が豊富。シンク下に設置するなど、自由度の高い設置方法が選べる。
低価格:フロントオープン型に比較して低価格で、注文住宅の標準仕様に多く採用されている。
日本のシステムキッチンに対応:フロントオープン型では設置できない高さのキッチンにも対応可能。
●アフターサービスが充実:国内メーカーの製品が多く、保証や修理体制を重視し選択できる。

箱型の大きな引き出しのような形状で、上から食器を出し入れする食洗機です。

箱型の大きな引き出しのような形状で、上から食器を出し入れする食洗機です。

スライドオープン型の場合、立ったままの姿勢で楽に食器を出し入れできます。

スライドオープン型の場合、立ったままの姿勢で楽に食器を出し入れできます。

【スライド型製品を選ぶ時の注意点】
容量が小さい:箱型の構造上、フロントオープンに比べて一度に洗える食器の量が少ない。
大きな食器や調理器具が入りにくい:開口部に制限があるため、大きな鍋や特殊な形の食器は入れにくい場合がある。
出し入れに手間がかかる:上からの出し入れしかできないので、効率よく食器や調理器具を収納する順番を工夫する必要がある。
予洗いが必要:汚れの種類によっては、予洗いしないと十分に汚れが落ちない場合がある。

フロントオープン型の特徴

前扉を手前に開き、カゴを引き出すタイプの食洗機です。カゴの周囲に隔たりがなく、どの方向からも食器の出し入れができるため、大きな鍋などの調理器具や、特殊で大きな食器にも対応できます。

箱型のスライドオープンに比べて、スペース効率が良いため、同じ設置寸法でもフロントオープンのほうが収納点数が多く、一度に大量の食器や調理器具を洗浄することができることが魅力です。

従来は、海外メーカー製が中心でしたが、最近では国内メーカーからの製品展開が始まっています。

前の扉を90度手前に開いた後、カゴを引き出して利用する食洗機です。

前の扉を90度手前に開いた後、カゴを引き出して利用する食洗機です。

【フロント型のメリット】
大容量:内部空間が広く、同じ設置スペースでもより多くの食器を洗浄できる。
背の高い食器や鍋も入れやすい:空間に余裕があるため、大きな調理器具も収納可能
まとめ洗いができる:大容量を活かして一日の食器をまとめて一回でまとめ洗いすることで、食器洗いの家事負担を大幅に軽減できる。

フロント型製品に見られる特徴
●食器が出し入れしやすい:様々な方向から食器を出し入れできるため、順番を考えず効率良く食器を収納できる。
●予洗いが不要:洗浄力が強く食事後の食器をそのまま食洗機に入れることができる製品が多くラインアップ。

【フロント型背品を選ぶ時の注意点】
腰や膝に負担がかかる:下段の食器の出し入れのため、腰をかがめる動作が必要。
ドアが開くスペースが必要:前面に60cm以上の広いスペースの確保が必要。
●水滴が落ちやすい:様々な方向からの食器の出し入れが便利な反面、水滴が床に落ちやすく注意が必要。
●専用洗剤の指定:洗剤自動投入機能を利用する場合に、メーカー純正洗剤以外が使えない場合がある。
水と電力の使用量が多い傾向:スライドオープン標準使用水量や使用電力量が多い傾向に。ただし機種によって、スライドオープンを上回る省エネ運転モードで利用できるものもある。

フロントオープン型の場合は、かがんだ姿勢で腰や膝に負担がかかりやすくなります。

フロントオープン型の場合は、かがんだ姿勢で腰や膝に負担がかかりやすくなります。

最適な使いやすさを見つけよう

導入直後だけではなく、少し先の使い勝手も想像しながら、あなたにピッタリの食洗機ぜひ選んでください。

選択に迷った場合は、実際にショールームで実物を確認することをおすすめします。食器の出し入れの動作や、普段使っている食器がどの程度入るかを実際に体験することで、より確実な選択ができるでしょう。

次回は、選んだ食洗機をキッチンに設置する際の重要なポイントについて詳しく解説します。設置位置による使い勝手の違いや電源配線やなど、設置前に知っておくべき情報をお届けします。

読者アンケート

この記事の感想

※コメントはイエマガ内で掲載させていただく場合がございます。

性別

年齢

ニックネーム

間取りと家電とレイアウト一覧に戻る

連載記事

連載一覧を見る

PAGE TOP