2025.03.05
この連載では、世界にひとつの自分らしいインテリアデザインを室内に。インテリアデザインの先進国イギリスで学ばれ、現在日本で活躍されている安藤さんに、ムードボードの重要性を紐解きながら、楽しくプランニングを解説いただきます。
【執筆者プロフィール】
安藤 眞代
美術大学、日本画学科を卒業後、大手インテリアメーカー住江織物でデザイン業務に従事。
ロンドンインテリア留学、Interior Design School London Professional Development Course卒。
業界での豊富な経験と、英国での学びを活かしたトータルな空間コーディネートや、日本では数少ないオーダーカーペットデザインも得意とする。
毎年 ミラノ、ロンドン等海外インテリア展示会を視察し、海外トレンドレポートを多数講演。
https://studio-ma.jp/
その⑫ ロンドンの素敵なインテリアショップ、ショールーム
今回は2024秋、ロンドン視察で訪れた、外せない「見応えのあるインテリアショップ、ショールーム」をご紹介したいと思います。
デパート「Peter Jones & Partners」
その⑨ 番外編part2で、ロンドン中心部のスローンスクエア駅近くに位置する、ピムリコロードについてご紹介しました。
このエリアは、世界のトップクラスのアートギャラリーやハイエンドのインテリアショールーム、アンティークショップなどが数多く立ち並ぶインテリアロードです。
そのスローンスクエア駅から真っ直ぐ続くKings Road(キングスロード)も、またインテリアロードなのです。
そのキングスロードのスタートとなる所にドドーンと、インテリア用品が大変豊富な中流階級向けデパート「Peter Jones & Partners」があります。2階、3階フロアにはカーテン生地、クッションやカーペットなどが売られています。イギリスでは壁紙のD I Yも多いので、貼りやすい幅の50センチのものが通常です。
日本では職人が壁紙を張るのが通常なので、汚れないように表の柄を内巻きに巻いてありますが、イギリスではデザインがわかるように、柄の方が外向きに巻かれて売られています。

「Peter Jones & Partners(ピーター ジョーンズ & パートナーズ)」正面

また照明は、日本で当たり前によく天井に付いている、部屋全体を明るくするシーリングライトは全く見られず、その代わり部分照明のテーブルランプやブラケット照明(壁掛けの照明)が多く見られるのは、イギリスらしい特徴です。テーブルランプも本体とシェードは別々に販売されているのが通常で、自分の好みで上下を組み合わすのです。

テーブルランプやブラケット照明(壁掛けの照明)

テーブルランプも本体とシェードは別々での販売です。

日本ではハイブランドのカーテンブランドも、ここではその他沢山と同扱いです。

インテリアシーンでの商品提案がたくさんあります。
新しいインテリアショップ「SOHO HOME」
キングスロードを少し歩くと、一昨年には無かった新しいインテリアショップ「SOHO HOME」ができていました。ここは1824 年に建てられた礼拝堂のコンバージョン建物で、中央に大きな吹き抜けのある立派な建物です。

元礼拝堂だった面影が感じられる「SOHO HOME」のファザード(外観)と大きな吹き抜けのエントランス。
インテリアデザインスタジオが運営していて、ビスポーク(別注)で商品の発注ができ、専属のデザインチームがコーディネートを担当します。場所柄、ラグジュアリーなインテリアは、ロンドンマダムの御用達に早速なっていました。
アートを取り扱う業者とのコラボで、様々なアートの展示もありました。

専属のデザインチームコーディネート例のムードボード(右)。

ラグジュアリーでエクレクティック(折衷)なインテリア商材が並びます。
ショールー「WILLIAM YEOWARD(ウィリアム・ヨーワード)」
もう少しキングスロードを歩くと、WILLIAM YEOWARD(ウィリアム・ヨーワード)のショールームがあります。日本では生地のみ取り扱いがあります。
とてもクリエイティブなオリジナリティー溢れるデザインのファブリック、ホームアクセサリー、照明、家具があり、いつ行ってもワクワクします。

独特の感性はWILLIAM YEOWARDならではと感じます。
ロンドンの家の壁はほとんどがペイント仕上げのため、インテリアランドが自社のファブリックやホームアクセサリーに合うオリジナルのペイントを出しているとところが多く、WILLIAM YEOWARDにも新しく美しいカラーの、ペイントギャラリーができていました。

個性的でクリエイティブなインテリア商材。
この先まだまだインテリアストリートは続きます。
次回、その⑬では今回ご紹介できなかった、見逃せないショールーム&ショップPart2をご紹介したいと思います。

ペイントギャラリー