2025.01.08
この連載では、世界にひとつの自分らしいインテリアデザインを室内に。インテリアデザインの先進国イギリスで学ばれ、現在日本で活躍されている安藤さんに、ムードボードの重要性を紐解きながら、楽しくプランニングを解説いただきます。
【執筆者プロフィール】
安藤 眞代
美術大学、日本画学科を卒業後、大手インテリアメーカー住江織物でデザイン業務に従事。
ロンドンインテリア留学、Interior Design School London Professional Development Course卒。
業界での豊富な経験と、英国での学びを活かしたトータルな空間コーディネートや、日本では数少ないオーダーカーペットデザインも得意とする。
毎年 ミラノ、ロンドン等海外インテリア展示会を視察し、海外トレンドレポートを多数講演。
https://studio-ma.jp/
その⑩ 番外編vol,3 「DECOREX International」&「PAD London」展示会
第4回のダイナミックなイギリスのインテリアマーケットでもご紹介した、プレゼンス(存在感)の高いと評される「DECOREX」と、【インテリア+アート】にフォーカスした「PAD London」は、今回も大変刺激的な、ハイエンドな展示会でした。
「DECOREX」は46年の歴史あるデザイナー向けのインテリアの展示会です。会場のロンドンのウエスト・ケンジントンにあるロンドンオリンピアは、19世紀に建てられた見本市会場です。
今回は、私が訪れた一昨年より更に規模を拡大した展示会が行われていました。
ビスポーク(別注)のサンプルも多く展示されている「DECOREX」
「DECOREX」は、ビスポーク(別注)での対応メーカーが多いのが特徴です。
ロンドンのインテリアは、家具の既製品ももちろんありますが、ここに来るデザイナー達の多くは物件ごとに商品をビスポークして提案するのが通常なので、メーカーも様々な素材やカラーサンプルを美しく展示しています。
イギリスで活躍するセレブリティーと呼ばれる、イギリスで影響力のあるインテリアデザイナーも、この展示会には必ず訪れます。
今年はその⑧のチェルシーデザインセンターのトレンドでもご紹介したように、暖色系のアースカラー、落ち着いた深みのあるローズ系が、商品もブースカラーにも多くみられ、コロナ渦前に出ていた、クールな青系カラーはすっかり姿を消しています。
更にハイエンドな「DECOREX」では、以前はあまり見られなかった木材を使った家具の商材展示が多いのも驚きました。やはりデザイン傾向が、地球規模で考えられているので、よりナチュラル感を全面に出しているメーカーが増えたと感じました。
また、デコレックスの展示会は、4日間と短い展示会ですが、ブースの作り込みがとても素晴らしく、どのブースもとてもおしゃれです。メーカーの人のスーツまで、ブースと同じカラーで揃えるなど、インテリアを皆さん楽しんでいる感じが溢れ出ていて、インテリア大好きな英国の人達を感じる瞬間です。
6日間で3万人が集う「PAD London」
「PAD London」は、ロンドンの裕福なメイフェア地区の中心にある、バークレースクエア(公園)で毎年10 月に開催されます。他のどこでも出会えない、唯一無二のデザインされた、一点物のアーティーな家具や装飾品が一堂に揃う素晴らしすぎる展示会です。
毎回ここに来ると、この時期に視察に来ることが出来たことを、とても幸せだと感じます。
出展はギャラリー中心で、今年もパリとロンドンを中心とした62のギャラリーしか出ていないのですが、有料(25ポンド〜)にもかかわらず、6日間で3万人近くの人が訪れます。
更に1日目のInvitation Day(ご招待日)には、なんと!そのほとんどが売れてしまうという事です。
たまたま、今回は日本の大御所ファッションデザイナーさんにも会場で遭遇!やはり、
ここでしか出会えない物を探されているのかもしれません。
今回の視察での、ロンドンインテリアで見るべき2大展示会の最新情報をご紹介しました。
その⑪では、今回住むようにロンドンで暮らしを楽しんだ、インテリアが素晴らしい「Airbnb」2件と、見応えのあるインテリアショップ、そしてアガサクリスティや王族も好んだ、ロンドンメイフェアにある名門「ブラウンズホテル」などをご紹介します。