- 物置の湿気対策 vol.20
- 物置の置き場所、どこがベスト? 敷地活用の秘訣は? vol.…
- 物置のサイズと必要なスペース vol.18
- 外部物置を計画する vol.17
- 空気清浄機の配置と効果 vol.16
- 空気清浄機のスペースを考える vol.15
- テレビの音に影響する設置方法 vol.14
- テレビまわりスッキリ計画 vol.13
- テレビの配置シミュレーション vol.12
- テレビの配置・買替え計画 vol.11
- ダイニングのコンセント計画 vol.10
- エアコンスペース有効活用【エアコ ン4】vol.9
- エアコンにどれぐらいのスペースが必要か?【エアコン3】vol…
- 庭に面した広いLDK【エアコン2】vol.7
- 空調設備の配置【エアコン1】vol.6
- 省スペース・プラン例【洗濯機3】vol.5
- 洗面室と洗濯機のサイズ【洗濯機2】vol.4
- 洗面室の広さとレイアウト【洗濯機】vol.3
- 後悔しない家電選びと設置方法【冷蔵庫2】vol.2
- キッチンのレイアウト【冷蔵庫1】vol.1
2025.07.16
【執筆者プロフィール】
間取りの中で、家電に関するレイアウトをみなさんと一緒に考えていく連載です。レイアウト例、家電の成功と失敗の口コミ、コンセントの配置等、家電にまつわるトピックを取り上げていきます。
文・図:まっしんはやぶささん https://blog.kisekinomyhome.com//イエマガ編集部
間取り図:株式会社ホームプランニング1000 https://www.megasoft.co.jp/madori/
高圧洗浄機や芝刈り機が壊れないように
前回の記事では物置の配置場所について詳しくご紹介しました。今回は、物置に収納する屋外家電類を長持ちさせるための湿気対策に焦点を当てます。
高圧洗浄機や電動芝刈り機、充電式のガーデンツールなど、屋外で使う電動機器は年々増えています。しかし、これらの高価な屋外家電を雨水にさらされる物置に収納することに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。「物置に入れておくと、なんだか汚れたり埃っぽくなりそう」「湿気で故障してしまうのでは?」という印象が多いようです。
確かに、適切な対策を講じないまま物置に収納すると、湿気により家電の寿命が縮んでしまう可能性があります。
しかし、現在では様々な湿気対策の選択肢が用意されており、予算や設置条件に応じて様々な対策方法を選ぶことができます。
大切な屋外家電を安心して保管し、長く使い続けるためのヒントを一緒に見ていきましょう。

屋外物置の湿気対策を考えます。
屋外家電を収納する物置の湿気対策
物置内の湿度管理は、家電の寿命を延ばすために重要なポイントです。屋外家電に大敵な湿気対策を適切に行うことで、長期間に安全に保管することができます。ここでは、効果的な湿気対策を5つのポイントに分けてご紹介します。
1. カーポートと組み合わせた雨除け
物置をカーポートと連続して設置することで、雨の日でも荷物を濡らさずに出し入れすることができます。物置に収納する屋外家電を直接濡らさなくても、雨で濡れた他のものをそのまま入れてしまうと、物置内の湿度が高くなり屋外家電が痛みやすくなる環境となってしまいます。
湿気を取り込みにくく、屋外家電を安心して収納し続けられるための雨除けとしてカーポートと組み合わせた設置方法もお勧めです。
さらに、カーポートとテラス屋根を組み合わせて建物の出入り口まで屋根が途切れないような動線を確保しておくと、家の中からの荷物の行き来が、雨の日でも快適になります。

【設置時の注意点】
カーポートに隣接して物置を設置する場合は、雨樋の位置や雨水の流れを考慮しましょう。カーポートの下に物置を設置すると、より濡れにくくなり安心ですが、屋根との間に十分なスペース(15~20cm程度)を確保する必要があります。
2. 換気システムの確保
物置内は密閉空間のため、湿気がこもりがちになります。湿気に弱い屋外家電を収納する物置では、通気口や小窓がある物置を選ぶか、後付けの換気システムを設置することをおすすめします。物置に換気システムを設置する場合は、あらかじめ電源の配線も計画が必要になります。
【効果的な換気のコツ】
湿度の高い時期や雨の後は、換気システムだけでは不十分な可能性があるため、扉を開放するなど、意識的に換気を行うことも大切です。また、スマートフォンから遠隔で確認できる湿度計を物置内に設置して、定期的に湿度をチェックするという管理方法もおすすめです。
3. 結露対策
金属製の物置は特に温度変化の影響で結露が起きやすくなります。結露の湿気も、屋外家電には大敵なので、結露対策が重要になります。このような結露を軽減するため、あらかじめ断熱材が装備された物置や、後付で取り付けられる断熱材が用意されている製品が存在します。
【結露が起こる理由】
一般的な金属製の外壁や天井むき出しの物置は、屋外との温度差で結露の水滴がびっしり付くことがあります。収納物の段ボール箱や布生地などが湿気を吸収して、カビやほこりが発生して汚れやすくなります。このため、屋外家電に限らず、傷みや汚れが気になるものを収納する物置では、断熱材で結露を対策をするのは、大変有効です。

結露は、家電の故障だけでなく布・紙を含む物のカビ発生の原因となることも。内部と外部の温度差を防ぐ断熱材が入った製品で結露対策ができます。
4. 空調の設置
設置スペースと配線が確保できる物置であれば、換気扇や除湿機も湿気対策には有効です。大型の物置や倉庫の場合は、エアコン設置の検討も可能です。ただし、除湿効率を高めるためには、断熱性能と気密性の高い物置と組み合わせて導入するとより効果的です。
【除湿機選びのポイント】
物置に設置する除湿機は、除湿した水が自動的に排水される水換え不要タイプがおすすめです。タンク式の除湿機では、定期的な水捨てが必要となり、管理が煩雑になってしまいます。
工事による設置が必要なタイプの場合は、スペースや配線だけでなく、実際に設置が可能かどうかを事前によく確認しておきましょう。また、除湿機の運転音についても考慮し、近隣への配慮も忘れずに行うことが大切です。
5. 収納方法の工夫
湿気対策は物置の設備だけでなく、収納方法でも大きく改善できます。
【効果的な収納テクニック】
● 屋外家電は直接床に置かず、すのこやパレットの上に設置する
● 防湿庫や密閉できるプラスチックケースを活用する
● シリカゲルなどの除湿剤を定期的に交換する
● 使用後は機器をしっかり乾燥させてから収納する
● 定期的に機器を取り出して点検・清掃を行う
まとめ
屋外家電の長期保管には、物置選びから収納方法まで、様々な湿気対策が必要です。
予算や設置条件に応じて、これらの対策を組み合わせることで、大切な機器を長く安全に使い続けることができます。