2024.06.26
【執筆者プロフィール】
間取りの中で、家電に関するレイアウトをみなさんと一緒に考えていく連載です。レイアウト例、家電の成功と失敗の口コミ、コンセントの配置等、家電にまつわるトピックを取り上げていきます。
文・図：まっしんはやぶささん https://blog.kisekinomyhome.com/／イエマガ編集部
間取り図：株式会社ホームプランニング1000 https://www.megasoft.co.jp/madori/
エアコンにどれぐらいのスペースが必要か？【エアコン３】vol.8
前回、空調の効きやすさや、室外機の位置を考慮したエアコンの配置のポイントを取り上げました。間取りプランによっては、エアコン設置場所の選択肢がほとんどないように見えてしまう場合があります。現在では、そのような悩みに対応できる多様な設置方法に対応できるサイズのエアコン製品が登場しています。
今回は、実際のエアコンのタイプとサイズ別に、どのような配置の工夫の余地があるのかを見てみます。
エアコン室内機のタイプ別の寸法
最近のお掃除機能等の高機能付きエアコンは、室内機の寸法が大きくなる傾向にあります。
機種によって、幅・奥行・高さがまちまちのため、設置したいエアコンの寸法と設置位置の相性をよく確認しておきましょう。
なお、今回取り上げる機種は、いずれも冷暖房能力の大小にかかわらず（6～18畳程度）エアコン室内機の寸法に違いがありません。設置場所と室内機の寸法が合えば、必要な能力を選ぶことができます。
ただし、機種によっては、能力によって室外機のサイズが変わる場合があります。
シンプル機能／掃除機能付きのサイズ実例
各社のタイプ別に例を挙げます。
例えば…A社の場合
・シンプルタイプ
幅770mm✕奥行き233mm✕高さ285mm
・換気お掃除機能タイプ
幅798mm✕奥行き370mm✕高さ295mm
Ｂ社の場合
・コンパクトタイプ
幅728mm✕奥行き285mm✕高さ250mm
・スリムタイプ
幅777mm✕奥行き319mm✕高さ250mm
このメーカーでは、横幅や高さがコンパクトでスリムなタイプのラインナップが充実していました。幅の取れない壁の位置でカーテンレールに干渉せずに設置したい場合や、窓の上の垂れ壁部分にエアコンを設置したい場合などに助かる選択肢です。
C社の場合
・お掃除機能付きプレミアムタイプ
幅799mm✕奥行き385mm✕高さ295mm
・お掃除機能付き高さコンパクトタイプ
幅790mm✕奥行き340mm✕高さ249mm
この会社のお掃除機能付きタイプは、奥行き400mm近くまで大きい機種に加え、高さや奥行きを少し抑えた製品もあります。
従来では設置が難しかった場所でも、これならお掃除機能の付いた高機能エアコンをあきらめずに取り付けることができる可能性があります。
エアコン室内機の上下左右スペース
エアコン室内機を設置する場合には、上下左右に一定のスペースを確保する必要があります。
特にエアコンの左右に配管を引く場合、配管が見えないようにエアコンを壁にピッタリ付けたくなりますが、一般的には5cm以上のスペースが必要になります。左右配管の場合は、室内用配管化粧カバーで美しく仕上げましょう。
左右だけでなく、エアコンの上にも一定のスペースが必要です。
また、エアコンの機種が決定していない段階で、エアコン配管の穴の位置を適当に決めて空けてしまうと、取り付け可能位置と規定のスペースが取れなくなる可能性があります。エアコンを決めてから工事に取りかかるのが得策です。特にスペースの余裕のない場合は注意が必要です。
スリムタイプのエアコン室内機を窓の上の垂れ壁に設置する場合は、特に上下スペースに注意が必要です。風向きを調整するフラップが、カーテンレールなどに干渉しないよう確認しておきましょう。
奥行きの浅いコンパクトタイプのほうが、フラップとカーテンレールの接触がしやすくなる場合もあるので、コンパクトタイプを選んでも油断は禁物です。
エアコン室外機の設置必要スペース
最近の室外機は、高性能・高機能化に伴い大型化の傾向にあります。最初に設置したときだけでなく、将来買い替えの際に十分なスペースが確保できることも想定しておけると安心です。
特に、敷地の外周スペースに室外機を設置する際に、敷地境界を越境してしまいトラブルにつながる場合もあります。
メーカー推奨のスペースが十分取れていない場合、冷暖房の十分な性能が得られない原因にもなりますので、室外機の設置に必要なスペースをあらかじめよく把握して計画しておきましょう。
