2019.02.01
元々は、会社勤めのお休みを利用して、カレーの移動販売をしていた古市さん。その仕込み作業ができる場所を探してこの家にたどり着きました。
でもなぜか、仕込み場をつくるつもりが、週末だけオープンする飲食店をつくることに。前編では、店舗をつくることになった経緯と製作過程について、お聞きしたいと思います。
イエマガ(以下・イ):素敵なカフェ風インテリアのカレー屋さん。週末だけ…というのがもったいないですね。
古市さん(以下・古):当初は、カレー屋台用の仕込みができる場所を探していたんです。この家を借りた理由も、1階が元は倉庫として使っていたもので、どんな風に改修してもいいというお話だったからです。
イ:倉庫だったら、気兼ねなく調理場の製作ができますね。
古:それで、休日にDIY作業をしていたら、近所の人たちから、「なんのお店ができるんですか?」と聞かれるようになったんです。
イ:ここは閑静な住宅街で、通りに面しているので、みなさん週末に、なにをやっているのだろう?と気になったのでしょうね。
古:そうなんです。話しかけてくれるみなさんと会話しているうちに、ご近所の間でいつのまにか、「カレー屋さんができるらしいよ」という噂になって…。
しかもみなさん、いつオープンするのかと楽しみにしてくださっているようで(笑)。ならばやってみようかなと、カレー屋づくりに方向転換することにしたんです。
イ:この際だから、ご近所さんたちのご期待に応えようと(笑)。
古:そうです(笑)。
イ:仕込み場だけでも、ご自身でつくるのは大変だと思いますが、DIYで飲食店をつくろうとよく思われましたね。元々、大工工事の経験があったのでしょうか?
古:いえいえ。カレー屋台をつくったことがあるぐらいで。でも、そのときに使い方を覚えた丸のこ、グラインダー、インパクト、この3つがあれば、なんでもつくれると思いました。鉄は扱えませんが、木材とコンクリートの工事は自分でできると。
それに、知り合いの大工さんに、アドバイザーで入ってもらったんです。設計や強度など、素人にはわからないところは、どうしたらいいか教えてもらいました。
イ:勉強しながらつくられたのですね。
古:はい。店舗の設計について、いろいろと学びました。コンロや冷蔵庫などを置いたらどんな感じなるのか、床や壁にテープを貼って、サイズ感を確かめたり、作業スペースがどれぐらいいるのか一般的なサイズについて調べたり。
イ:厨房機器は、家庭用のものより大きいですからね。スムーズに動ける通路の確保など、設計の経験のない人にとって、レイアウトを考えるのは難しいことだと思います。
イ:週末だけの作業で、お店の完成までどれぐらいの時間がかかったのですか?
古:1年と3カ月!(笑)
イ:ご近所さんたちを随分待たせましたね(笑)。でも、何もない状態でここまで、その期間でもかなりがんばられたのではないかと思いました。
それにお店のFacebookページに掲載されている工事の様子を拝見すると、手伝ってくれる人たちがいたんですね。
古:そうなんです。ありがたいことに、いろんな方に手伝ってもらいました。
このお店の内装・家具も、ご自身でつくられたという古市さん。インテリアコーディネーターから教わった「コツ」を基に、ご自身でルールを決めて、揃えっていったそうです。それまで、まったくインテリアには興味がなかったとか…。詳しい内装づくりのお話は、次回に続きます。