![vol.5 「ル・シュクリエ」【料理人のキッチン】](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen_title05.jpg)
2019.01.26
オーナーの浅野さんは、お菓子の本場フランスの料理学校『ル・コルドン・ブルー』で製菓を学ばれ、帰国後にお店をオープン。17年前に現在の場所に移転されました。
![お菓子屋ル・クシュリエの外観](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_exterior.jpg)
最初の店舗で使っていた機材は、ほぼそのまま活用。広さもそれまでと同じ面積が必要だと施工業者に伝えたそうです。
![キッチンとカフェスペースの間取り](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_Room-dimensions.jpg)
![お菓子屋ル・クシュリエのケーキ](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_cakes.jpg)
たくさんの種類のお菓子をつくりだす厨房は、どのような設えになっているのでしょうか。また、そこで毎日どのように動き、作業されているのか詳しくお聞きしたいと思います。
![ガラス扉付き棚の中の製菓道具](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_Cupboard.jpg)
![柱にかかる花のブーケ](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_bouquet.jpg)
![きれいなラッピングスペース](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_wrappingspace.jpg)
![左側の入口から見たキッチン](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_From-the-left-side.jpg)
![ラッピングスペースから見たキッチン](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_wrappigspace_kitchen.jpg)
![置く物のサイズを測って設計](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_groopcopy1.jpg)
イエマガ(以下・イ):広さを決めるのは難しい作業だと思うのですが、これまでの経験から、浅野さんは悩まず決定されたのですね。
浅野さん(以下・浅):はい。前と同じぐらいの広さ(約5坪)が必要だと。その中になにを置くのかも、全部サイズを測って書き出しました。
イ:全部とは?
浅:設備もお皿なんかもここに入れるもの全部!ひとつずつ測っていったんです。それに合わせた棚の幅や奥行きも考えて、どこになにをおけば収まるか図面に書き込みました。
![間取りのメモ](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_memo.jpg)
![造作棚のオープン収納](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_groopcopy2.jpg)
イ:では、早速その厨房の中へ…。
浅:入り口近くには、大きな冷蔵・冷凍庫。すでに調理したものが入っています。
イ:いつも疑問に思うのですが、この業務用と一般的な大きな冷蔵庫との大きな違いはなんでしょうか?
浅:それは「湿度」ですね。ほかにも違いはありますが、中に入れたお菓子には湿度管理が大切なんです。家庭用ではそれができないので。
イ:そういう違いがありましたか。なるほど。
浅:もうひとつ材料の入っている冷蔵庫は、湿度管理が必要ないので家庭用のものを使っています。
![キッチンの簡単な平面図](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_planview.jpg)
![ホシザキ製業務用冷蔵・冷凍庫](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_freezer.jpg)
イ:冷蔵庫の奥に進むと壁面に収納棚が。きれいにものが並べられていて気持ちがいいです(笑)ケーキの型や洋酒のボトルなど並べて見るとかわいいですね。
浅:ここは、冷蔵庫や作業台と同じような業務用の吊戸収納を付けるのをやめて、ホームセンターの板を取り付けて棚にすることにしたんです。吊り戸棚は高いですし、節約できる。それに、こちらのほうが取り出しやすいしいいと思って。
イ:こんなにぴったりきれいに収まっているのも。すべてのサイズを測ったおかげですね。
![調理台と調理器具が並んだ造作収納棚](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_Built-in-storage-shelves.jpg)
![砂糖やケーキ型を置いた棚板](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_shelf.jpg)
![業務用冷凍庫上のミキサー](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_electric_mixers.jpg)
![すべてに手が届く作業場所](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_groopcopy3.jpg)
イ:この中で、浅野さんはどのように作業をされているんですか?
浅:私はここ、奥の作業台の前に立って作業をしています。ほとんどこの位置にいます。ここからは手を伸ばしただけで材料に手が届き、よく使う道具もすぐ近くに揃っています。リキュールも、さっと取ってすぐに戻せるんです。
![立ち位置がわかるキッチンの簡単な平面図](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_Floor-plan.jpg)
![大理石の乗った作業台](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_whitektchenstand.jpg)
イ:広い厨房の中で動きまわらないでいいように、作業工程で必要なものを周辺に置く…。見渡すと材料や調理器具を360度に並べたり、掛けたりされていますが、よく考えられた配置だったんですね。
![卵を割る料理人の女性浅野さん](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_egg_cook.jpg)
![ケーキを焼く業務用オーブン](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_starwberrycake_oven.jpg)
![絵になる吊るす収納](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_groopcopy4.jpg)
イ:掛けると言えば…このホイッパーがレンジフードにいくつも吊るされているのも、こちらの丸いものがたくさん壁に掛かっているのも、幾何学模様というか…とても絵になりますね!
厨房の入り口から見えるので、入ってきたときからずっと気になっていました。
浅:これは「セルクル」というムースやババロアなどに使う型です。こうやって重ねるとおもしろいですよね。
![丸い形状が芸術的なセルクル](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_kitchenobje.jpg)
![小鍋が置ける壁面収納](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_goods.jpg)
![オーブン上のレンジフード](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_mixers.jpg)
イ:ほかにも壁に掛けた金属ネットに、吊るされている調理道具がいっぱい。これだけのものが必要なんだ、と驚くと同時にいろんな道具があって見ているだけでも楽しいです。この中でお気に入りのアイテムはありますか?
![ドリンクを作るコーナー](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_cafespace.jpg)
![イライラをなくす工夫が好き](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_groopcopy5.jpg)
浅:いっぱいあります(笑)。例えばこれとか…。紅茶を蒸らすための蓋。ポット(小さな鍋)に紅茶の葉とお湯を入れて蓋をするんですが、その蓋にしているシルバーの小皿にマグネットを貼って、カウンターの上の棚板にもマグネットを貼って、普段はくっつけておく。使うときにパッと外して蓋として使って、パッと戻す。
![紅茶を蒸らす蓋の吊り収納](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_teahead.jpg)
イ:すごい。細やかなアイデア。収納に場所を取らないだけでなく、忙しいときにどこに置いたかな?と探さなくてすみますね。
浅:ものを探すとか、面倒なことに結構イライラするほうなので(笑)。どうしたら便利になるかあれこれ考えるんです。
イ:ほかにも、なにかアイデアを教えてください。
浅:これはどうでしょう。みなさんもS字フックを使ってものを掛けていると思いますが、ものを外す時に、フックが落ちませんか?これもイライラするので、絶対に落ちないようにバーに通す部分が閉じたものを使っています。
![S字フックにかかる泡だて器](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_mixer.jpg)
イ:落ちます!わたしもイライラします。でもそのままに(笑)。どうやったら落ちないか考えたことがなかったです…。面倒なこともそのまま放置せずに、ひとつひとつ解決策を考えられているんですね。しかもそれがとても楽しそう。
わたしも、イラッとしたら、そのままにせずになにか工夫してみたいと思います。それに壁を活用した収納方法も。家のキッチンで真似させていただきたいです。たくさんのアイデア、ありがとうございました。
![フックにかかるオーブン用手袋](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_handcoverforoven.jpg)
![土間にあるアンティーク家具](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_Antique-furniture.jpg)
![リンゴピザ風アップルパイ](https://iemaga.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/kitchen05_applepie.jpg)