2024.10.30
この連載では、世界にひとつの自分らしいインテリアデザインを室内に。インテリアデザインの先進国イギリスで学ばれ、現在日本で活躍されている安藤さんに、ムードボードの重要性を紐解きながら、楽しくプランニングを解説いただきます。
【執筆者プロフィール】
安藤 眞代
大手インテリアメーカー住江織物にて、デザイン業務に従事。その後多数キャリアを積み、大阪にてインテリアデザインスタジオ「studio Ma」を創業。英国での経験をいかしたトータル空間コーディネートや日本では数少ないオーダーカーペットデザイン(タフトカーペット、手織り多数種類)も得意とする。
ミラノやロンドン等インテリア展示会を毎年視察し、海外トレンドレポートも多数講演。
https://studio-ma.jp/
その⑧ 番外編vol.1 2024年10月ロンドンのインテリア視察
その④で、見るべき展示会として、プレゼンス(存在感)の高いと評される「DECOREX International」と【インテリア+アート】にフォーカスした「PAD London」の展示会(exhibition)の紹介をしました。
今年の10月、上記インテリア展示会(exhibition)と、西ロンドンのチェルシー・ハーバーにある、プロのためのインテリアショールームが集まるデザインセンター、そしてロンドンで今とても熱い、コンバージョン建築を様々視察して来ました。
今年はジャパンがテーマ
今年のロンドンインテリアは、あちこちでジャパンがテーマに取り上げられている展示や、商品が多く見られました。2020年頃から世界的ブームの「ジャパンディスタイル(Japandiスタイル)*」がありますが、これとも違った印象です。
*「ジャパンディ(Japandi)スタイル」とは、和風(Japanese)スタイルと、北欧風(Scandinavian)スタイルを融合させたインテリアスタイルのことを指す造語。
チェルシー・ハーバーデザインセンターで、ロング開催されていた「Focus/24 The Longer View」の吹き抜けのホールデコレーションでは、英国随一の壁紙メーカー「Cole & Son(コールアンドサン)」の壁紙を使った、日本の扇子風デコレーションが見られました。
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チェルシー・ハーバーデザインセンター。
フランスのファブリックメーカー「PIERRE FREY」
デザインセンターのイーストにショールームを構える、フランス最高峰ファブリックメーカー、ピエール フレィ「PIERRE FREY」もジャパンのテーマでの、カーテン、壁紙など様々な商品群を発表していました。
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中央のホールでのCole & Son(コールアンドサン)」の壁紙を使った、日本の扇子風デコレーション。
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ピエール フレィ「PIERRE FREY」ジャパンのテーマでの商品展示。
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「PIERRE FREY」
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PIERRE FREYファブリックのカタログもジャパン表紙。
ロンドンの壁紙メーカー「de Gournay」
ロンドンのインテリアストリート、キングスロードから少し入った所にショールームを構える、英国ハンドドローイング壁紙、受注生産のオーダーメイドのドゥグルネイ「de Gournay」も日本の月見柄の新作壁紙でした。
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英国ハンドペイント壁紙の「de Gournay」も日本の月見柄の新作でした。
アースカラー&ナチュラル
さらにカラーは、大地や地球などからの暖色系が中心で、どのメーカーもアースカラー群が増えている傾向です。2年前のロンドン視察時より、デザイン傾向はさらに素朴で、ナチュラルな方向性が強くなって来たイメージです。
イギリスのメーカー、ブラックエディション「BLACK edition」や、上記のピエール・フレィのファブリックでも多く見られました。
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写真左:ピエール フレィ「PIERRE FREY」。写真右:オズボーン&リトル「OSBORNE & LITTLE」秋のカラー。
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ブラックエディション「BLACK edition」のアースカラーのファブリック。
チェルシデザインセンターの「Focus/24 The Longer View」の今年のご紹介だけで、ここまで書いて来てしましました。
その他のロンドンインテリア展示会(exhibition)も個性的で、エキサイティングですので、引き続きvol.2、3で書いていきたいと思います。
さらにイギリスの歴史的建造物のコンバージョン建物は、本当に日本では想像つかない様な、驚きの建築になっていました。
*コンバージョン建物とは、その特徴を活かしながら用途や機能を変更した建物のことです。
その様子も、次号以後に書いていきたいと思いますので、楽しみにしてください。
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チェルシーデザインセンター中、どこでもペットは同伴O Kの流石のイギリスです。