毎週水曜日更新

floor-plan_500.65

SEARCH

イエマガは「世界にひとつの自分らしい家」づくりを応援するWEBマガジンです。

floor-plan_500.65

「 インテリア・レッスン」 バックナンバー

インテリア・レッスン 第23回

2026.03.25

この連載では、世界にひとつの自分らしいインテリアデザインを室内に。インテリアデザインの先進国イギリスで学ばれ、現在日本で活躍されている安藤さんに、ムードボードの重要性を紐解きながら、楽しくプランニングを解説いただきます。

【執筆者プロフィール】

安藤 眞代
美術大学、日本画学科を卒業後、大手インテリアメーカー住江織物でデザイン業務に従事。
ロンドンインテリア留学、Interior Design School London Professional Development Course卒。
業界での豊富な経験と、英国での学びを活かしたトータルな空間コーディネートや、日本では数少ないオーダーカーペットデザインも得意とする。
毎年 ミラノ、ロンドン等海外インテリア展示会を視察し、海外トレンドレポートを多数講演。
https://studio-ma.jp/

▼ すべて表示する▲ 閉じる

その㉓インテリアグリーンの効果的な取り入れ方  その1、コンサバトリー、もうひとつのリビング

連載の中で、イギリスのさまざまなインテリアについてお話ししていますが、外せないのが「ガーデン文化」です。イギリスの住宅文化には、

「House + Garden = Home」 という考え方があります。

今回と次回、2回にわたってイギリスの住宅文化を紐解きながら、インテリアグリーンについて、そして日常で効果的な取り入れ方のヒントをお話ししたいと思います。

英国では庭は単なる外構ではなく、家のリビングの延長として使う空間です。天気のよい日には、芝生の上にテーブルを出して家族や友人とお茶を楽しんだり、ガーデンでゆっくりと食事をしたり。室内だけでなく庭で過ごす時間が、日常の暮らしの一部になっています。多くの住宅で、ガーデンはまさに「もうひとつのリビング」のように扱われているのです。(写真①②③)

写真①:美しい赤い蔦と庭、イギリスコッツウォルズ「アーツ・アンド・クラフツ運動」を率いたウィリアム・モリスの家。

写真①:美しい赤い蔦と庭、イギリスコッツウォルズ「アーツ・アンド・クラフツ運動」を率いたウィリアム・モリスの家。

写真左から②:ハチミツ色の建物と絵本のような風景、美しい庭のコッツウォルズストーンの家。

写真左から②:ハチミツ色の建物と絵本のような風景、美しい庭のコッツウォルズストーンの家。

写真③:ロンドン中心部にあるビクトリア時代の赤煉瓦のテラスハウスには、共用の大きなプライベートガーデンがある。

写真③:ロンドン中心部にあるビクトリア時代の赤煉瓦のテラスハウスには、共用の大きなプライベートガーデンがある。

植物を愛でる「コンサバトリー」

しかし、連載xカラー編ためのでもお話ししたように、イギリスの気候は日照時間が短く、気温も低いという特徴があります。18〜19世紀の植民地時代には、世界各地から多くの植物が持ち帰られましたが、英国の気候ではそのままでは育たないものも少なくありませんでした

そこで生まれたのが、ガラスで覆われた温室、コンサバトリーです。(写真④)

写真④:イギリスでよくみられる、もうひとつのリビングコンサバトリー。

写真④:イギリスでよくみられる、もうひとつのリビングコンサバトリー。

19世紀、ヴィクトリア時代の産業革命によるガラス建築の発展が、温室から住宅のコンサバトリー文化へとつながりました。(写真⑤、⑥)

⑤:外観
世界でもっとも有名な植物園 、 ロンドン南西部のリッチモンド地区にあるイギリス王立の植物園「キューガーデン(キュー王立植物園) Royal Botanic Gardens, Kew」ヴィクトリア時代のガラス建築の傑作と呼ばれ、後の温室建築やコンサバトリー設計に大きな影響を与えました。

⑤:外観
世界でもっとも有名な植物園 、 ロンドン南西部のリッチモンド地区にあるイギリス王立の植物園「キューガーデン(キュー王立植物園) Royal Botanic Gardens, Kew」ヴィクトリア時代のガラス建築の傑作と呼ばれ、後の温室建築やコンサバトリー設計に大きな影響を与えました。

⑥:内観

⑥:内観

最近日本でも、マンション のベランダなどに「コンサバトリー」と表記していることを目にするようになりました。わが家も、2階リビングから続く、小さなコンサバトリーがあります。(写真⑦)

日本では庭は「鑑賞するもの」という側面が強いのに対し、イギリスでは庭は「生活する場所」です。そのため、庭と家のリビングの間に、もう一つの空間が求められました。

外の光を取り込みながら、庭を眺めてくつろぐことができ、自然が感じられる場所。こうして生まれた、室内と庭をつなぐ中間空間がコンサバトリーなのです。

写真⑦:日本での事例、リビングからのコンサバトリー(自宅)。

写真⑦:日本での事例、リビングからのコンサバトリー(自宅)。

マンションなどにもコンサバトリー表記が増えた。

マンションなどにもコンサバトリー表記が増えた。

話が日本のインテリア空間に戻りますが、現在戸建ての家でも、庭を広く取ることは難しい時代です。インテリアではよく「植物を家に飾る」というフレーズを使いますが、実際の生活において、植物は「飾る」より、本来は一緒に「暮らす」だと思います。英国のコンサバトリーまでもいかなくても、窓辺や日差しが入る場所に、小さなグリーンがあるだけで、暮らしが豊かになります

次回は豊かな暮らし、自然と上手く暮らすための、観葉植物や、自然素材カラーを使ったインテリアの効果的な使い方(写真⑧)のヒントを、お話ししたいと思います。

⑧:パリのメゾンオブジェ展示会で見られた、植物繊維(ラフィア)とベルベット、リネンなど自然なカラーの多色ミックスインテリア。ディスプレイの方法など、インテリアのヒントになります。

⑧:パリのメゾンオブジェ展示会で見られた、植物繊維(ラフィア)とベルベット、リネンなど自然なカラーの多色ミックスインテリア。ディスプレイの方法など、インテリアのヒントになります。

読者アンケート

この記事の感想

※コメントはイエマガ内で掲載させていただく場合がございます。

性別

年齢

ニックネーム

インテリア・レッスン一覧に戻る

連載記事

連載一覧を見る

PAGE TOP