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2026.01.14
この連載では、世界にひとつの自分らしいインテリアデザインを室内に。インテリアデザインの先進国イギリスで学ばれ、現在日本で活躍されている安藤さんに、ムードボードの重要性を紐解きながら、楽しくプランニングを解説いただきます。
【執筆者プロフィール】
安藤 眞代
美術大学、日本画学科を卒業後、大手インテリアメーカー住江織物でデザイン業務に従事。
ロンドンインテリア留学、Interior Design School London Professional Development Course卒。
業界での豊富な経験と、英国での学びを活かしたトータルな空間コーディネートや、日本では数少ないオーダーカーペットデザインも得意とする。
毎年 ミラノ、ロンドン等海外インテリア展示会を視察し、海外トレンドレポートを多数講演。
https://studio-ma.jp/
その㉑ 海外や、様々なインテリアの事例を用いて、インテリアのカラーポイントについて深く紐解くーその2
その1で、日本とヨーロッパ(英国)の住宅インテリアのカラー違いを、歴史的背景や住宅の特徴からも分析し、自宅のインテリアに色を簡単に取り入れるためのポイントもお話ししました。
今回はその続編として、日本ではほとんど壁に使われることのない濃いカラーが、なぜヨーロッパ(英国)の住宅では多く見られるのかを、事例を含めてお話しし、日本でのインテリアにどう使ったら効果的なのかのポイントもお話ししたいと思います。
英国では、リビング空間は単なる家族のくつろぎの場ではなく、「くつろぎ」と「社交」が共存する場所であり、住む人の個性や価値観を表現する舞台として捉えられています。
住まいは人格の延長であり、インテリアは自己表現の手段のひとつという考え方が根付いているため、色を使って空間の雰囲気をつくることは特別なことではなく、ごく自然な行為なのです。壁もまた、背景ではなく空間を演出するための重要な要素として扱われています。
貴族の社交場に見る色使い
ちょうど今、19世紀の英国貴族の社交界を舞台としたNetflixの大ヒットシリーズ「ブリジャートン家」を視聴しています。摂政時代(リージェンシー時代)の建築様式をベースにしながら、現代的なセンスを融合させた華やかな世界観が印象的な作品ですが、その中で描かれる邸宅のインテリアは、色彩豊かで装飾性にあふれています。
実際の貴族の館がロケ地として使われており、登場人物の衣装だけでなく、各邸宅の壁紙やカーテン、家具に至るまで、深く美しい色がふんだんに用いられています。そこからも19世紀当時からリビングが「くつろぎ」と「社交」の場であり、人をもてなすための空間であったことがよく伝わってきます。
色は単なる装飾ではなく、社交の舞台を彩る重要な要素だったのです。内容もとても面白く引き込まれるので、機会がありましたら、「ブリジャートン家」貴族の美しいインテリアの世界、ぜひご覧ください。
立体感や奥行きを演出するカラー
ロンドンに多くある、ジョージアン、ヴィクトリアン、エドワーディアン様式(写真①)の歴史的な住宅は、モールディングと呼ばれる天井装飾やコーニスが施され、建具も重厚で、空間そのものに格式と存在感があります。英国では、壁を個性や雰囲気を演出する重要な要素として捉える文化的な背景があり、そこに淡い色(白っぽい壁)だけでは間延びして見えたり、空間に締まりが出にくかったりします。
写真①:イギリスの住宅に多くある、歴史的な住宅様式インテリア。※イメージ
さらに英国は日本と比べて日照時間が短く、曇天の日も多いため、直射日光が部屋全体に差し込むことは少なく、斜めからの光が差し込み、濃く深いカラーの壁は、いわば舞台の黒幕のような、家具やアート、インテリアの素材を引き立てる背景となります。そこに照明の光が当たることで、立体感や奥行きが生まれ、空間に豊かな表情が加わるのです。
このように英国では、深い色が空間に“格”を与え、雰囲気をつくるという事を多くの人が、その効果を感覚的に理解しているので、壁を濃く深いカラーにするのは特別な事ではなく、自然な選択枠なのです。(写真②③)
写真②-1,2,3:モダンな空間でも、深く美しく濃い塗装の壁は家具やアートの背景となります。
写真②-2,3
写真③:天井高のあるイギリス歴史建物のカフェの入り口は、深く濃いバイオレットカラー。
塗装壁がほとんどなので、インテリアショップ(デザイナーギルド)にはオリジナルの塗装ペイントが並びます。
ペイントの微妙なカラーの多さに、驚かされます。
ヨーロッパ(英国)住宅の歴史的背景の話が長くなってしまいました。
日本でのインテリアに、深く深いカラーの壁はどう取り入れれば良いのかのポイントは、次号ーその3でお話ししたいと思います。



























