2024.11.23
【執筆者プロフィール】
間取りの中で、家電に関するレイアウトをみなさんと一緒に考えていく連載です。レイアウト例、家電の成功と失敗の口コミ、コンセントの配置等、家電にまつわるトピックを取り上げていきます。
文・図:まっしんはやぶささん https://blog.kisekinomyhome.com//イエマガ編集部
間取り図:株式会社ホームプランニング1000 https://www.megasoft.co.jp/madori/
テレビまわりスッキリ計画 vol.13
前回は、テレビの視聴を考慮した家具や間取りのレイアウトパターンと、テレビボード選びのポイント等を取り上げました。今回は、注文住宅だからこそできるインテリアの邪魔にならない壁掛けテレビの配線計画と外部機器をきれいに収めるポイントについて考えてみます。
壁掛けテレビは、工夫次第で、より広々としたリビングスペースと、より大きなテレビの視聴環境を両立することができる等の大きな魅力があります。
より具体的には、次のような壁掛けテレビを採用するメリットが挙げられます。
壁掛けテレビのメリット
● 省スペースでスタイリッシュ
壁掛けテレビでテレビ台を設置しなければ、床面がフリーとなるためリビングの空間をより広く使うことができます。テレビ台やまわりに置くものが視覚的なノイズとならず、映像だけに集中できるスッキリとスタイリッシュなリビング空間が実現できます。
● テレビ台を気にせずテレビを大きくできる
壁掛けテレビは、設置する壁のスペースの確保と視聴距離のバランスに問題なければ、大きなテレビでも設置できます。テレビ台を大きなものに買替える必要はありません(前回参照)。
● お掃除が簡単
テレビ台や死角となる部分に蓄積するホコリのお掃除が不要で大変楽になります。
● 目線の高さに合わせてテレビを設置できる
テレビ台では調整の難しいテレビの高さは、壁掛けであれば、自分たちの目線にあった位置に自由に設置できます。
● 転倒の心配がない
壁に背面でしっかり固定する壁掛けテレビは、安定性が高くなります。台の上に置くよりも耐震性も高く、何かがぶつかって倒れる危険性も軽減されます。
これらを踏まえて、より効果的に壁掛けテレビを実現するポイントを確認していきましょう。
スッキリ見せる配線計画
注文住宅で壁掛けテレビを実現する場合、何本もの配線が丸見えにならないように、念入りなコンセントやアンテナ端子の検討したいものです。
リビングのテレビでは、家族でゲームやビデオカメラやパソコンなどのいくつかの外部機器を接続して、大画面で映像を観たりすることもあるでしょう。
薄型テレビのHDMI接続口は、通常側面や背面にあるため、都度接続の際にテレビの裏を覗き込みながら接続する必要があります。さらに接続中も、垂れ下がったケーブルが見苦しく見えるかもしれません。
そこで、壁内で配線を仲介するHDMIコンセント端子を、テレビ裏と下に設置するという方法が有効です。
壁付けのHDMIコンセントがあれば、ゲーム機やパソコンの接続も簡単で、いつでも気軽にテレビに映像を映すことができます(図1)。
利用しないときも、簡単に取り外すことができるので、テレビのまわりに目障りとなるものを置かないスッキリしたリビングのインテリアを維持することが容易になります。
また、テレビの下に置くレコーダー等を収めるテレビボードや家具の背面からHDMIコンセントにコードが通せるようにすれば、外部機器の配線を表からは見えないように収納内に隠すことができます(図2)。
※テレビ裏と下のに設置する配線をより延長して、手元に近い壁にHDMIコンセントを設置できる可能性もありますが、長距離のHDMI配線は映像が映りにくくなったり、ノイズの原因となるため、電気工事の担当者に事前によくご相談ください。
壁の裏側にスペースがある場合
壁掛けテレビは、すっきり省スペースとなる一方で、収納スペースがありませんが、もし、テレビを設置する壁の裏側に、レコーダーやハードディスク等、DVDレコーダーなどを置くスペースを設けられれば、AV機器を収納するための専用家具もなくすことができます。
図3は、壁裏にスペースが確保して、外部機器の設置場所とした場合のイメージです。
頻繁にDVDメディアの入れ替えなどが必要な場合は、手間がかかり不向きですが、リモコンで操作可能な録画再生中心の利用であれば、問題ありません。
常に繋いでいる必要のないゲーム機などは、前面のコンセントに一時的にテレビに接続して使用することで、テレビまわりに置いておく必要がなくなります。
※テレビ裏には直接リモコンの信号が届かないため、テレビリモコンと連携可能なレコーダー機器かどうかを事前にご確認ください。