2019.01.26
フランス菓子店やカフェで、ずっとお菓子づくりの仕事に携われてきたカワグチさん。購入した中古住宅をリフォームされる際に、家の土間に「菓子工房」をつくられました。室内に繋がった5畳の空間。ここで子育て・家事をこなしながらお菓子を焼かれています。
イエマガ(以下・イ):お菓子づくりならキッチンでもできると思うのですが、どうしてこんなに本格的な厨房をつくろうと思われたのですか?
カワグチさん(以下・カワ):家の中のキッチンはまた別に、こんなものにしたいという希望があったんです(お話は後ほど)。
当初、普通の広めの土間がほしいとだけ建築士さんに伝えていました。外から持ち込む子どものもので、汚れても気にならないように土間を広くとってほしいと。
イ:大きく土間を取ったというお話はよく聞きます。玄関先のような使い方ができてなにかと便利ですよね。
カワ:そうなんです。最初はただの土間の予定だったのですが、ここにお菓子をつくるスペースがあったら、できれば食品の製造許可も取りたい、と途中で思いついたんです。
そこで、ここに厨房みたいなものがつくれないかと建築士さんに相談したら、「できますよ」と言ってもらったんです。
イ:でも…その分、予算も上がりますよね?
カワ:それが冷蔵庫(半分は冷凍庫)以外は、中古品のものを購入して設備全部で50万円以内に収まってます。冷蔵庫だけは、電化製品なのですぐに壊れても困るので新品のものを。あと電気オーブン(ヘルシオ)は、もとから使っていたものです。
イ:私が思っていたよりずっとリーズナブル。ちなみにもっと予算を抑えるために普通の冷蔵庫というのはだめなのですか?
カワ:これは作業台も兼ねているので…。
イ:なるほど。冷蔵庫の上で作業するのは、食材を取り出すのもスムーズですね。
イ:リビングと隣り合わせたこの場所なら、子どもさんたちの様子を見ながら、お菓子づくりができますね。
カワ:でも大変ですよ(笑)。リビングでテレビを見せて、その隙にお菓子を焼いて…と。階段から一緒につくりたい!と覗き込んでるときもあります。
この間仕切りは、小さい子が勝手に入ってこられないように、上から落ちたりしないようにお願いして付けてもらったんです。今は閉めたままにしていますが、取り外しできるようになっているんですよ。
イ:造作がきれいですね。市販のものではないですよね。それにこの階段も。
カワ:どちらもつくっていただいたものです。建築士さんも自信作だとおっしゃっていました(笑)。
イ:家の中にあるキッチンについては、特に希望されたことがあったというお話ですが…。
カワ:たくさん雑誌などを見て、木を使ったキッチンでダイニングにアイランド型に配置すること。ダイニングもリビングも見渡せるように。背面には収納があること…。ここは時間をかけて考えたところです。
イ:見せる収納が使いやすそう!扉がないところがいいですね。
カワ:雑誌で見ていたイメージ通りです。食器もすべてしまえてますし、ここだけで収納が足りないと感じることはないですね。
イ:それによく考えられた配置だと思いました。システムキッチン背面のスペース(約70センチ)と収納の一部(棚のないところ)も通路に使えて、ご家族と一緒に料理や片付けがしやすそうです。
カワ:そうですね。みんな手伝ってくれますが、狭いと感じたことはないですね。
イ:これからこんな風に工房を使っていきたいという希望などありますか?
カワ:最近になって少し自分の時間が持てるようになってきたので、これからじっくり考えていきたいと思っています。
イ:これだけの広さがあると何人かで作業も可能ですし、将来いろんな使い方がてきそうですね。
カワ:そうですね。時間的に制限があるので、まだすごく使いこなしているわけではないですが、リフォーム時につくっておいて本当によかったと思います。
イ:確かに。後から土間をつくって、設備を入れて…というのは大変ですね。お時間ができたらぜひ、お菓子をインターネットで全国から注文できるようにしてください(笑)。
カワ:がんばります(笑)!
※現在、「菓舗カワグチ」の出店予定のイベントは、2019年3月3日(日曜日)の「下鴨神社の森の手づくり市」です。