2024.09.04
この連載では、世界にひとつの自分らしいインテリアデザインを室内に。インテリアデザインの先進国イギリスで学ばれ、現在日本で活躍されている安藤さんに、ムードボードの重要性を紐解きながら、楽しくプランニングを解説いただきます。
【執筆者プロフィール】
安藤 眞代
大手インテリアメーカー住江織物にて、デザイン業務に従事。その後多数キャリアを積み、大阪にてインテリアデザインスタジオ「studio Ma」を創業。英国での経験をいかしたトータル空間コーディネートや日本では数少ないオーダーカーペットデザイン(タフトカーペット、手織り多数種類)も得意とする。
ミラノやロンドン等インテリア展示会を毎年視察し、海外トレンドレポートも多数講演。
https://studio-ma.jp/
その⑥ アートを素敵に、楽しくお家のインテリアに取り入れる
その①で、イギリス人は大抵の方がインテリア大好きで、インテリアに掛ける情熱大変高いと書きました。またその②で、エクレクティック(eclectic)スタイルのご紹介もしました。
海外の方にとって、オリジナリティあふれるインテリアの雰囲気を作ることは得意で、アートをインテリアの一部として、お部屋の様々な場所に、とても自然にデコレーションします。
日本では、アートはギャラリーや、デパートの画廊なので購入するものだと思っている方が、まだまだ多いと思います。
そして、そこに訪れるのは大変敷居が高いと感じていると思います。また、どんなアートを選べばいいのか分からず、配置や置き方が難しいと感じてハードルが高いと思われがちです。
まず、インテリア大好きのロンドンの暮らしから、アートをお部屋に取り入れる時のポイントを少しみてみましょう。
リアルなインテリアが体感できるAirbnb
最近ロンドン展示会に出張の際には、Airbnb(エアー・ビー・アンド・ビー)を利用しています。日本では、民泊といった方が伝わりやすいかもしれません。
わざわざAirbnbを利用するわけは、もちろん金額も少し抑えられるというメリットと、ロンドンに暮らす方のリアルなインテリアが体感できます。
ロンドン西寄りのケンジントン地区エリア、ヴィクトリア時代のタウンハウスAirbnbを利用した際、たくさんのアートがリビングだけではなく、寝室や廊下壁、コンソールテーブル(飾るためのテーブル)、窓辺などにアート飾られていました。
Airbnbホストは若い女性ですが、とても自然に美しくアートを楽しんでいますね。
ここで気がついた方もおられると思いますが、アート類がそのインテリアで使われているカラーと同系色が多いということです。インテリアに統一感を持たせる方法の一つに、周囲のインテリアに溶け込ませ、色使いを合わせるという方法があります。
その中で似たカラー(同系色・類似色)でアートと、インテリアを繋いで行くと、一気に統一感が生まれます。
またメインのベットルームにもアートがありますが、アートがワンポイントで、その視線を集めてくれます。イギリスでよくインテリアで使われる言葉で、フォーカルポイント( Focal point)があります。
フォーカルポイントは、お部屋の中で最初に視線が向かう場所のことです。
フォーカルポイントをつくる
アートをフォーカルポイントとして使うことは、海外インテリアでは当たり前で、暖炉やソファー上、そして玄関やリビングのコンソールテーブルなど様々あります。
そこに視線を集中させる事により、同じ部屋の他の場所が少し散らかっていたとしても、素敵なアートに目が行くので、全体が素敵に見えると言うマジックもあります。
別に宿泊したロンドンのAirbnbのリビングルームも、必ずアートを飾っています。
こちらも同系色で、品よく纏まっていますね。
わが家のリビングや玄関にもアートを飾っています。現代アートですが、アートがあるだけで心が豊かになります。ソファ後ろのアートには、ブルーなどの反対色も入っていますが、アート全体の色合いは壁と同系にしている事によって、そのブルーが、より全体を素敵に見せてくれます。
海外の事例や、その他から、インテリアとしても楽しめるアートを見ていただきました。
アーティストによるものでなくても、あなたや家族や子ども達が描いた絵でも、額のカラーを合わしたり、ディスプレイを少し考えるだけで、お部屋が素敵に見えてくるはずです。
その⑦では、上記で書きましたフォーカルポイント( Focal point)を含む、インテリアを素敵に見せる、様々なディスプレイのポイントを書きたいと思います。