2024.08.21
【執筆者プロフィール】
間取りの中で、家電に関するレイアウトをみなさんと一緒に考えていく連載です。レイアウト例、家電の成功と失敗の口コミ、コンセントの配置等、家電にまつわるトピックを取り上げていきます。
文・図:まっしんはやぶささん https://blog.kisekinomyhome.com//イエマガ編集部
間取り図:株式会社ホームプランニング1000 https://www.megasoft.co.jp/madori/
ダイニングのコンセント計画 vol.10
これまで大型家電と間取りの関係を取り上げてきましたが、注文住宅の後悔で必ず上位に上がるのが、コンセントの数や位置です。
今回は、食事だけでなくテレワークスペースや勉強スペースなど多様な使い方が広がり、コンセントの使い勝手の重要性がより高くなっているダイニングスペースのコンセント計画について考えてみます。
ダイニングで利用する電化製品
ダイニングテーブルで電源を必要とする家電機器は、例えば次のようなものが考えられます。
□ 調理家電: ホットプレート/たこ焼き器/お鍋用のIH卓上コンロ
□ テレワーク・勉強用: ノートパソコンの電源/スマホの充電
□ 家事・裁縫用: アイロンやミシンの電源
□ 空調用: 扇風機/サーキュレーター/暖房機器
□ 掃除用: 掃除機
これらの電化機器をダイニングテーブルで頻繁に利用する可能性が高ければ、使いやすい場所にコンセントを設置しておくと大変便利です。
ただし、ダイニングの配置によって気をつけるポイントがあるので確認していきましょう。
キッチンや壁から独立したダイニングテーブルのコンセントは難しい
対面キッチンや壁の側にダイニングテーブルを利用するレイアウトの場合は、キッチンカウンターの下や、壁の手の届きやすい場所にコンセントを付けておくと、大変便利です。
ダイニングテーブルに座ったまま、コンセントを抜き差しできる位置をテーブルの高さや配置を考えて決めましょう。
ただし、キッチンカウンターが、造作ではなくカウンター一体型タイプの場合は、自由な位置にコンセントを付けられない可能性があるので、事前によく確認しておきましょう。
キッチンによっては、ダイニング側にコンセントをオプションで付けられたり、スマホ等の充電スペースとして使える収納機能が備わった製品もあります。
悩ましいのが、キッチンカウンターや壁にダイニングテーブルを付けず、独立した配置で利用する場合のコンセントの付け方です。
離れた壁から電源を取ると、うっかり足を引っ掛けてしまう心配があります。
今回は、この問題を解決する選択肢を考えてみたいと思います。
床にコンセントを取り付ける
壁からダイニングテーブルが離れている場合、床にコンセントを付ける方法があります。
ダイニングテーブルの脚元に取り付けた床用コンセントから配線すれば、電源コードで足を引っ掛けてしまう心配がなくなります。
ただし、こだわったフローリング床材に市販の床用コンセントを取り付ける場合、どうしてもコンセント部分の見た目が気になる場合があります。
また、利用中の床用コンセントが床から出っ張ってしまうため、コンセントの位置によっては躓いてしまう可能性もあります。
このような悩みを解消するために、建築会社によっては、造作での埋込型コンセントを施工してくれる場合があります。この方法を利用すれば、床材のデザイン性を損なわず床から電源を取ることができます。
ただし、床用コンセントは、市販・造作にかかわらず、床暖房が付けられなくなったり、気密性の低下の原因となる可能性があるので、注意しましょう。
床にコンセントを付けられない場合
どうしても床にコンセントを付けることに抵抗があったり、建築会社の方針などで対応が難しいことも考えられます。
そこで、次の2つの対策を考えてみました。
1つ目は、離れた壁のコンセントから電源を取る場合、足が引っかかっても簡単に外れるマグネット型のコンセントを採用する方法です。
電源コードがテーブルから壁まで横切ってしまう、見た目の煩わしさは避けられませんが、うっかり足を引っ掛けて怪我や事故が起きることを避けられます。
2つ目は、天井から電源を取る方法です。
もし、ダイニングテーブルや、キッチンカウンター上に照明用のダクトレールを取り付ける予定があれば、ダクトレールから電源が取れるのでそのまま活用できます。
高い天井のダクトレールへ接続する必要があるため、頻繁な抜き差しが必要となる場合は、手間がかかるのがデメリットですが、上からの配線のため足を引っ掛ける心配はありません。
頻繁なダクトレールからの抜き差しが不便な場合は、リーラーコンセント等と呼ばれる専用のコンセントプラグを常にぶら下げておけば、いつでもダイニングテーブルから電源を取ることができます。