- 空気清浄機の配置と効果 vol.16
- 空気清浄機のスペースを考える vol.15
- テレビの音に影響する設置方法 vol.14
- テレビまわりスッキリ計画 vol.13
- テレビの配置シミュレーション vol.12
- テレビの配置・買替え計画 vol.11
- ダイニングのコンセント計画 vol.10
- エアコンスペース有効活用【エアコ ン4】vol.9
- エアコンにどれぐらいのスペースが必要か?【エアコン3】vol…
- 庭に面した広いLDK【エアコン2】vol.7
- 空調設備の配置【エアコン1】vol.6
- 省スペース・プラン例【洗濯機3】vol.5
- 洗面室と洗濯機のサイズ【洗濯機2】vol.4
- 洗面室の広さとレイアウト【洗濯機】vol.3
- 後悔しない家電選びと設置方法【冷蔵庫2】vol.2
- キッチンのレイアウト【冷蔵庫1】vol.1
2025.02.19
【執筆者プロフィール】
間取りの中で、家電に関するレイアウトをみなさんと一緒に考えていく連載です。レイアウト例、家電の成功と失敗の口コミ、コンセントの配置等、家電にまつわるトピックを取り上げていきます。
文・図:まっしんはやぶささん https://blog.kisekinomyhome.com//イエマガ編集部
間取り図:株式会社ホームプランニング1000 https://www.megasoft.co.jp/madori/
前回は、空気清浄機の寸法と設置スペースを取り上げました。今回は、より空気清浄機の効果を発揮するための設置方法について考えてみます。
設置する高さの検討
タバコや焼き肉の煙など、上に向かう性質のある空気の匂いの対策をしたい場合は、空気清浄機を少し高い位置に設置すると効果的です。目安として床から約1mほどの高さに設置すると、上昇する煙を効果的に捉えることができます。
また、ペットを室内で飼っている場合も、ペットの匂いや毛玉やカビなどが舞い上がりやすいので、高い位置で吸収できるように設置しておくことが効果的です。
一方で、花粉やホコリは部屋の低い位置に溜まりやすい性質を持っています。
ハウスダストゾーンと呼ばれる床から30cm程度の高さは、アレルギーの原因部質などが多く含まれるホコリで汚れやすいと言われているため、この対策のためには低い位置に空気清浄機を設置するのがおすすめです。
特に、床上30〜60cmの高さが活動の中心となるハイハイ時期の赤ちゃんにとって、直接吸い込みやすい環境なので低い位置での空気清浄機設置は重要です。

空気清浄機を高い位置に設置する場合は、安定した台の上に安全に設置してください。卓上用の小さな空気清浄機を匂いが発生しやすい場所に設置しておければ安心です。

花粉やホコリなどは、低い位置の設置が効果的です。床上約30cmまでの高さは、日常生活で発生するホコリやアレルギー物質で常に汚れやすくなっています。
花粉を部屋に持ち込まない
花粉症対策を主な目的として空気清浄機を設置する場合は、そもそも部屋まで花粉を侵入させない考え方が重要になります。花粉が外部から室内に持ち込まれる場面として、主に洗濯物の取り入れ時、窓を空けての換気時、帰宅時などが挙げられます。
この中でも、特に帰宅時の玄関に空気清浄機を設置して花粉対策をされている家庭は、まだ少ないと言われています。主な生活空間となるリビングや寝室・個室などに空気清浄機設置を計画されることは多いのですが、花粉にお悩みの方は、玄関への設置を計画することもお勧めです。
高度な全館換気システムを備えている建物の場合でも、玄関から侵入する花粉をシャットアウトしておくことで、より確実な花粉症対策となります。
玄関以外では、バルコニーなどに干した洗濯物を取り入れるときに花粉が持ち込まれることも多いので、取り入れて洗濯物をたたむ部屋にも空気清浄機を設置しておくことで、生活空間への花粉の侵入を対策することができます。

花粉を室内に持ち込む導線となる、玄関に空気清浄機を設置することは大変有効です。

花粉症は突然発症することもあるので、当初は予定がなくても設置できるスペースと電源の確保をしておくことで、将来必要になったときにも安心です。
換気のための窓と空気清浄機の位置
窓から侵入する花粉対策には、多くの方が窓の近くに空気清浄機を置くことをイメージされると思います。しかし、空気の流れを考慮すると外気と共に窓から入った花粉が、窓の正面の壁にぶつかったあと、左右に広がります。
そのため、正面の隅に空気清浄機を設置することで、この広がった花粉を効率的に吸い取ることができます。
このように、花粉対策には窓と空気清浄機の位置関係も重要なポイントとなります。
また、正面の壁際には空気清浄機で吸い込み切れない花粉や埃が落ちて溜まりやすいため、なるべく家具などを置かず、こまめに掃除がしやすいレイアウトになっているのが、より望ましい花粉対策となります。

舞い上がった花粉が下降するのに時間がかかるので、窓の近くよりも、部屋の奥のほうが花粉をよりキャッチしやすい位置となります。この図の右下のように、空気の流れから外れた位置に空気清浄機を設置しても効果を発揮できません。
暖房と冷房で適切な設置位置が異なる
お部屋の冷暖房にエアコンを利用する場合、空気清浄機の効果的な設置位置は、エアコンによる空気の流れと、空気清浄機の吸気排気の流れをあわせることで、冷暖房と空気の洗浄をスムーズに循環させることができます。
夏場の冷房時と冬場の暖房時で、風向きの設定を変える方も多いでしょう。それに対応した対策が次の通り異なります。
冷房時の設置場所:冷気は下に溜まるのでエアコンの風向きは、水平か上向きに設定し、エアコンの真下に、部屋の中央に向けて空気清浄機を設置します。
エアコンから水平・下向きに吹き出された冷気が床下にたまり、真下にある空気清浄機が吸い込んで洗浄することで、部屋の空気が循環します。
暖房時の設置場所:暖気は上に溜まるので、エアコンの風向きは下向きに設定し、空気清浄機は向かい側の離れた場所に設置します。
エアコンから吹き出した暖気を、対面に設置された空気清浄機が吸い込んで、洗浄することで、部屋の空気が循環します。
可能であれば、季節ごとに空気清浄機の位置をこのように移動させられるスペースと電源を確保しておくことができると理想的です。

冷房時の空気の循環。エアコンの下に置いた空気清浄機で床に溜まった冷気を洗浄します。

暖房時の空気の循環。下向きの暖気を向かいの空気清浄機で洗浄します。