2024.10.30
【執筆者プロフィール】
はじめまして。さわおと申します。2022年に家を建てよう! と決意をし、紆余曲折を経て2024年の夏にようやく新居へ引っ越すことができました。引っ越す頃に息子も生まれ、家族3人で楽しく暮らしています。
長い家づくりの中で経験した失敗や大変だったこと、そしてそれをどうやって乗り越えたかについて、連載を通して家づくり中の方へ届けることで、誰かの悩みや問題を解決できると嬉しいなと思いながら、この記事を書いています。
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第6回 2度目の建築会社選び
1300万円の予算オーバーを乗り越えられず、7月の頭にZ工務店との家づくりを解消(前回参照)をしたため、私たち夫婦はもう一度住宅会社をイチから選ぶところから始めなければなりませんでした。
そのタイミングで妻が臨月に入っていたため、一度家づくりを中断することも考えました。しかしすでに銀行からは土地代の融資を受けており、これ以上長引かせるわけにもいかない状況だったため、数を絞って住宅会社を訪問することにしました。
1回目の住宅会社選びでは回らなかったハウスメーカー2社と、もともと候補として迷っていたA工務店に相談を持ち込みました。
事情を理解してくれた3社はスピーディに動いてくれて、結果的に7月の下旬にはA工務店にお願いすることを決めました。
A工務店に決めた理由
もう失敗できない私たちは、住宅会社を選ぶ条件をひとつ設定しました。
それは「ファーストプランが予算内で建てられることを確約できる会社」です。注文住宅は複雑かつ膨大な点数の見積もりを取るため、金額を確定させることが非常に難しいそうです。
それでも、Z工務店での解約を経験している私は、最初の提案が予算内に収まっていることが確実で、かつ打ち合わせを進める中で予算オーバーしてしまったとしても、後から追加したものを全て外せば、少なくともファーストプランの家は建つ、という状況を整えてくれる会社を探しました。
その中で、条件を満たしていたのがA工務店でした。A工務店からは2パターンのプランの提案があり、そのうち一方のプランで進めると決めると、次の打ち合わせでは精度の高い見積もりを出してくれました。
そして「今後の打ち合わせで何かを追加して予算オーバーになったとしても、それらを外せばこの仕様・この金額で建てられる」と確約をいただいたため、安心して請負契約を結ぶことができました。
庭を楽しむ暮しに対するコンセプトの違い
図らずも2社と設計の話を進めるという経験から、同じ工務店でも様々なタイプがあるということがわかりました。
Z工務店の設計は、こちらの希望をそのまま盛り込むことはせず、工務店側の解釈でその土地に適した家を建てる、という形で進んでいきました。一方でA工務店の場合は、基本的にはこちらの希望に寄り添って、プロの目線から見てやるべきでないことや、もっと良い方法がある場合はハッキリと意見をいただくという流れでした。
例えば「庭とのつながりが欲しい」という希望に対する提案は対称的でした。Z工務店のプランは2階リビングで、「庭は作らず緑は借景で取り込もう」という考えでした。
A工務店では1階リビングで庭を取り、「塀で道路からの視線を切りつつ、濡れ縁を通して外に出られる場所を作る」、というプランでした。このように、同じ希望からでも出てくるプランが全く異なりました。
どちらが正しいという話ではないのですが、施主の希望に対して工務店の解釈がどれだけ強く入ってくるか、というのは住宅会社選びのポイントのひとつとして見ても良いかもしれません。
着工・引渡しまでの話
契約翌月の2023年8月から本格的に打ち合わせが始まり、同年11月までの3か月間で打ち合わせを重ねて、遂に着工となりました。
着工してからは全くトラブルなく進んでいきました。A工務店はとても丁寧に仕事を進めてくれたので、安心してお任せすることができました。結果的に予算も大幅に余らせることができ、家具や庭づくりにお金をかけることができています。
長かった家づくりを振り返ると、大変だったのはA工務店にたどり着くまでだったように思えます。
次回以降は、一度詰めた設計を解約して最初から……という、あまり多くの人は経験していないであろう家づくりの中で、私たち夫婦が「間取り・動線」をはじめこだわった点について、数回に分けてお届けします。